上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲8五歩と突いた局面。ソフトの評価値-311で後手有利。
序盤は相穴熊を目指す持久戦模様だったのですが、角交換から早い戦いになりました。
駒割りは角と金の交換でいい勝負ですが、後手は金駒が離れて穴熊が薄いです。
先手の穴熊も完成形ではありませんので、この局面は後手が少し指せていたようです。
▲8五歩は先手は歩切れだったので歩を補充する意味ですが、この瞬間は少し甘いので後手は戦いを広げたいです。
実戦は▲8五歩以下△9五角▲6七金△8六銀▲4一銀で、ソフトの評価値+169で互角。
この手順は△9五角として△7七角成を狙ったのですが、やや狭い角で▲6七金に△8六銀も重たく▲4一銀で互角になったようです。
後手は5二の飛車の位置があまりよくなく、▲4一銀と引っかけられる筋があるのであまり金駒を渡すのはよくありません。
実戦の手順はあまりよくなかったようです。
また▲8五歩に△同歩なら▲7五銀△6三銀▲8八飛△9三桂▲8五桂△8二飛▲8四歩で、ソフトの評価値-158で互角。

この手順の▲8五歩に△同歩は▲8八飛なら△6三角で受けれるのですが、▲7五銀があり次に▲6四銀がありますので△6三銀と受けたときに▲8八飛と回ります。
以下△9三桂~△8二飛もよくある受けの形ですが、▲8四歩とされると先手の攻め駒が躍動して先手の穴熊の遠さがいきそうな形です。
このように見ると▲8五歩も結構嫌な手だったのですが、後手は全く別の受け方がありました。
△9五角では△3二角がありました。
△3二角▲8四歩△7六角▲8三歩成△5六歩で、ソフトの評価値-298で互角。

この手順は△3二角と自陣角を打つ手で、△7六角の狙いは何となく分かるのですがその後の方針が分かりませんでした。
先手は▲8四歩~▲8三歩成とと金を作ったのに対して、後手は△7六角は次に△8七角成かと思っていたら△5六歩と突く手がありました。
後手の△7六と出た角は攻防に利いている角で、先手は▲4一銀~▲3二金は狙い筋ななのですが7六の角が3二の地点を補強しています。
また7六の角は間接的に4九の地点を狙っており、先手としては嫌な形です。
△5六歩に▲同歩なら△5七歩▲4八金寄△5八銀▲3九金打△4九銀成▲同金寄△5八金▲同金寄△同歩成▲同金△3一金▲3九金△8七角成で、ソフトの評価値-366で後手有利。
△5六歩に▲同歩なら△5七銀▲同金△4九角成▲3九金△5九馬▲5八金△同馬▲同金△3一金で、ソフトの評価値-364で後手有利。
これらはどちらも後手の7六の角の筋を活かした手で、4九の地点を狙っているのですが、相手も穴熊なので簡単には決まらないようです。
また単純に攻めると攻めが切れてしまいますので、どこかで自陣に△3一金と打って手を入れることになりそうです。
敵陣だけでなく自陣にも目を向けるのが大事です。
△5六歩に▲3九金なら△5七歩成▲同金△5九角▲5八金△6八角成▲同金△3一銀打で、ソフトの評価値-282で互角。
この手順は▲3九金の早逃げに△5七歩成~△5九角が狙いの手ですが、先手も▲5八金が粘りのある手で以下飛車と角の交換になり、最後は△3一銀打と自陣に手を入れることになります。
やはりこれらの展開を見ても有利といってもほとんど互角に近い感覚で、ちょっとくらい駒得しているようでもまだこれからの将棋のようです。
自陣に角を打って攻防に働かせるのが参考になった1局でした。