手をひねり出して勝負形にする


上図は、相掛かりからの進展で△2五桂と打った局面。ソフトの評価値+472で先手有利。

駒割りは角金と飛桂の交換で先手が少し駒得しているようです。

対局中は次の△3七歩成が厳しく適当な受けもなさそうなので先手が悪いと思っていたのですが、この局面が先手有利だったのは少し意外でした。

△3七歩成が△4八と以下の詰めろ級の手なので、攻めるならそれより早い手になります。

実戦は▲3四角△6一玉▲4三角成△7一玉で、ソフトの評価値-494で後手有利。

この手順は▲3四角は▲4三角成の詰めろですが、△6一玉が当然の早逃げで以下▲4三角成に△7一玉と逃げると逆に後手玉が安全になったようで後手有利のようです。

普通に指すと後手が分かりやすい形になるので、先手は何か手をひねり出さないといけないようです。

このあたりが将棋の難しいところで、筋良く攻めるのでなく何か筋悪でもあやがあるような指し方が必要になってきます。

攻めるとすれば▲4三成銀がありそうです。

これも有力そうな手で、△3七歩成がくる前に何とかしたいという手になります。

▲3四角では▲4三成銀なら、ソフトの評価値+308で先手有利。

この▲4三成銀は決して簡単な手ではなさそうで、後手も△4三同玉や△6一玉など有力な手がありそうです。

△4三同玉は実戦的には指しにくい手ですが、先手は▲6一角や▲3四角打が目につきます。

△4三同玉▲6一角△5二銀▲3九金△1九龍▲7二角成△5一銀▲8一馬△4五歩▲9一馬△3七歩成▲7三馬△3六桂で、ソフトの評価値+238で互角。

この手順の△4三同玉に▲6一角は王手金取りなので目につきますが、△5二銀と打ったときに▲3九金と自陣に手を入れるのが興味深いです。

つい▲3九金では▲7二角成としがちですが、△3七歩成が入ると先手はきついので先に▲3九金と龍をはじいておいてから▲7二角成とします。

△4三同玉▲3四角打△5四玉▲6一角成△3五飛で、ソフトの評価値+490で先手有利。

この手順は▲3四角打~▲6一角成が一瞬ぬるいように見えても、次に▲6五金△4四玉▲3四馬までの詰めろになっています。

それに対して△3五飛というのも▲6五金を防ぎつつ3四の地点を補強して、かつ△3七歩成の攻めの手も見ており、最初の局面からかなり複雑になってきています。

今度は▲4三成銀に△6一玉を調べてみます。

▲4三成銀に△6一玉▲8三金△7四歩で、ソフトの評価値-308で後手有利。

この手順は△6一玉に▲8三金と打つ手が、▲7二金△同玉▲8三角打△8二玉▲7二金までの詰めろになっています。

攻めのスピードだけでいったら一番早い詰めろのかけかたですが、後手は5六の角の利きを止める必要があります。

▲8三金には△7四歩という受けがありました。

△7四歩というのは盤上の駒を移動する手で、このような手がなかなか見えにくいです。

△7四歩に▲同角としても8三の地点の受けに役立っていないようですが、ちょっと形攻めの形も違ってくるようです。

▲7四同角として次に▲7二金△同玉▲8三角打としても、今度は△7三玉と上部に上がることができます。

以下▲7二金には△6四玉とした形は後手玉は詰みません。

これは一例ですが、最初の局面図は結構難しい形勢のようで、自分の思っていたよりはるかに変化手順が多いです。

なお最初の局面図のソフトの推奨手は▲4六歩で、以下△1九龍として▲4三成銀△6一玉▲7二金△7四歩という手順を示しており、正直難易度が高すぎるという感じです。

いずれにしても分かりやすい形でなく、どこかで手をひねり出して勝負形にするのが大事なようです。

手をひねり出して勝負形にするのが参考になった1局でした。