上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲7一角成とした局面。ソフトの評価値-362で後手有利。
先手が矢倉に組んだのに対して後手が雁木からの進展です。
ここは後手がチャンスの局面だったのですが、ちょっと平凡な指し手になりました。
実戦は△5五歩▲4七銀△9六歩▲9八歩で、ソフトの評価値+36で互角。
この手順は△5五歩と5筋の位を取って▲4七銀に△9六歩と9筋を抑えました。
▲9六歩△同飛▲9七香で飛車を取られる筋を消したのですが、▲9八歩と受けられて互角となりました。
実戦の手順は攻めの仕掛けのチャンスを消したようで、あまりよくなかったです。
後手は9筋を抑えたという意味はありますが、飛車先が重たくなったので一長一短です。
今思うと、わざわざ飛車先の歩が切れているところに駒あたりでもないのに4段目に歩を打つのは駒の効率が悪かったです。
ずいぶん昔の将棋でこのような△9六歩のような手があったと記憶していたのですが、全く駒の配置が違う形だったので意味がなかったです。
△5五歩では△9七歩がありました。
△9七歩▲9九歩△9二香▲7九玉で、ソフトの評価値-302で後手有利。

この手順は△9七歩と垂らす手で、先手から▲9七歩と打たれる手を防ぎます。
次に△9八歩成がありますので▲9九歩と打ちますが、△9二香がよくある手筋です。
次に△9八歩成▲同歩△同飛成のような狙いですが、▲7九玉と早逃げしてどうかという形です。
将棋の本で端に香車を打って飛車が成る展開は攻める方が大成功ということをよく書いてありたしかにそうなのですが、実戦は相手も受ける形があり簡単ではありません。
それを攻める側が過大評価して、攻めが大成功だから優勢と思っているとそうでもなかったというのがよくあります。
▲7九玉に△9八歩成なら▲同歩△同飛成▲8八銀△8六歩▲同歩△8七歩▲同金△6五歩▲同歩△5五歩▲4五銀△4四歩▲9九歩△9五龍で、ソフトの評価値-326で後手有利。
この手順は△9八歩成~△同飛成で飛車が敵陣に入って部分的には大成功なのですが、▲8八銀と引かれると▲9九歩や▲9九香が気になります。
▲9九歩には龍を逃げることになりますが、▲9九香だと△同龍▲同銀△同香成と進み、飛車と銀香の交換の2枚替えで駒得になります。
ただし、実際に飛車を渡すのは大変で、飛車を渡してもいいという覚悟があるかなど悩みそうで、攻め切れる自信がないときには飛車を渡せません。
後手の△8六歩~△8七歩も敵陣の陣形を乱す手ですが、持ち駒は歩だけなので効果は微妙です。
以下△6五歩~△5五歩と角道を活かした攻めで後手が少し指せているようですが、龍ができたからと言って敵陣で大活躍という展開にはならないようです。
このように見ると△9八歩成はいつでもできる形なので、ソフトは戦いの争点を増やしています。
▲7九玉には△6五歩を推奨していました。
▲7九玉△6五歩▲8二馬△6六歩▲同銀△6四銀で、ソフトの評価値-328で後手有利。

この手順は△6五歩と突く手で、後手は3三に角がいるため△6五歩で角道を活かした形でこれが自然な手のようです。
後手の3三の角と7三の桂馬を活用するという意味の△6五歩です。
そこで気になるのは後手の9筋の歩と飛車と香車の形が重たいということですが、先手の銀を▲8八銀と引かせないような形にさせると△9八歩成▲同歩△同飛成が相当厳しくなります。
先手も指す手が難しく▲8二馬として▲7三馬を狙いますが、△6四銀として桂馬を守りつつ6五の地点に争点を求めて後手が少し指せるようです。
このような展開だと実戦よりはるかにいいようです。
垂れ歩から香車を下段に打って飛車を活用するのが参考になった1局でした。