狭い飛車をできるだけ捌く


上図は、先後逆で後手横歩取り△3三角型からの進展で▲2六飛と2七の飛車が浮いた局面。ソフトの評価値+262で互角。

先手は2八の歩が少し違和感がありますが、後手が早い段階で△2六歩と垂らして▲2八歩と受ける形になりました。

以下先手は飛車で▲2六飛と歩を取り、数手を経て以下▲2七飛~▲2六飛のような展開です。

横歩取りは好きな戦型ですが、5四の飛車が歩越し飛車なので飛車の可動域が狭いのが難点で、飛車がうまく活用できるかがポイントになりそうです。

自分の場合は毎回飛車がうまく活用できずに、駒組みの時点で形勢が悪くなっていることが多いです。

後から振り返って何が悪かったのかよく分からなかったのですが、気がつくと相手の狙いの方が明確でその指し手についていくという感じです。

実戦は▲2六飛以下△7二金▲9六歩△6二銀▲4六銀△7四飛▲7七桂△8三歩▲1六歩△3三桂▲1五歩で、ソフトの評価値+516で先手有利。

この手順は後手は△7二金~△6二銀と整備する手で、昭和や平成の時代によく指された形です。

低い構えで相手からの駒の打ち込みに対応しやすい形ですが、あまり駒が前進しないので攻めの体制が遅れやすいです。

また歩が全体的に進んでいないので、相手へのプレッシャーがあまりありません。

後手の7四の飛車が歩越し飛車なので歩を使って攻める形にならず、どちらかというと横へ利かせて使うような感じです。

先手は1筋の歩を伸ばしてきて、▲1四歩△同歩▲5六角のような狙いがあります。

▲1五歩に△2五歩としても▲3六飛で、次の▲3四歩の桂取りが受けにくいです。

これらの展開を見ると後手は自陣だけに手を入れて駒が前進していません。

もう少し後手は工夫が必要だったようです。

△7二金では△3三銀がありました。

△3三銀▲4六銀△7二銀▲3八金△7四歩▲7七銀△7五歩▲8五歩△7四飛▲6六銀△1四歩▲9六歩△7六歩で、ソフトの評価値+362で互角。

この手順は、実戦の手順より後手の駒が前進しているイメージです。

後手は△3三銀~△7二銀と駒組みしましたが、△7二銀は平成の後半に入ってからよく見るような形です。

昔は△6二銀△7二金型が多かったのですが、△7二銀型は1手で自陣が締まるのでその1手を攻めに使うことができます。

また後手は△7四歩~△7五歩~△7四飛としています。

本来、歩の下に飛車がいるのがいい形で、早めに歩を伸ばしてその筋に飛車を回るのは飛車を活用する意味で自然だったようです。

後手の飛車はやや可動域が狭いですが、攻め味という点でははるかに実戦よりよさそうです。

ここから後手がどのような方針で手を作っていくかが気になります。

△7六歩に▲5五銀右なら△2五歩▲同飛△2四飛▲同飛△同銀▲8四飛△1五角▲8六角△7三銀で、ソフトの評価値-836で後手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが▲5五銀右として次に▲6五角から飛車を取りにいく狙いには△2五歩~△2四飛で飛車交換を狙う手があります。

飛車交換後に▲8四飛は狙い筋ですが、△1五角が△5九飛と2四の銀にひもをつける手で、以下△7三銀で後手優勢です。

後手は飛車が取られそうな形だったので、飛車を捌いて持ち駒にするという発想です。

△7六歩に▲3七桂なら△2五歩▲3六飛△4四銀▲6五角△7七歩成▲同桂△同飛成▲同銀△2四桂▲4五銀△同銀▲7六飛で、ソフトの評価値+365で先手有利。

この手順は▲3七桂と跳ねる手でこれがソフトの推奨ですが、後手はそれでも△2五歩と戦いの争点を求めます。

▲同飛には△2四飛がありますので▲3六飛としましたが、△4四銀と力をためた手に▲6五角と飛車を狙います。

後手は△7七歩成▲同桂に△同飛成が見えにくい手ですが、桂馬を取って△2四桂で飛車がぱっと見で取れそうな形です。

△2四桂には▲4五銀とすれば△3六桂には▲同銀がありますので△4五同銀としましたが、▲7六飛と逃げてこれは先手が少し指せそうです。

これらの手順を見ると、後手は飛車をできるだけ捌くことを考えるのが大事なようです。

狭い飛車をできるだけ捌くのが参考になった1局でした。