攻めの戦力を増やして玉を寄せる


上図は、相掛かりからの進展で△4三銀と銀を取った局面。ソフトの評価値+1566で先手優勢。

対局中は、先手は6三のと金と6六の桂馬が働いており、持ち駒も金があるのでうまく指せば後手玉を寄せきれそうな気もしていました。

終盤は指し手の精度で形勢が大きく変わるので、1手の価値が大事になってきます。

実戦は▲7四金△同飛▲同桂△6五角▲5六歩△4四角で、ソフトの評価値+2184で先手勝勢。

この手順は▲7四金から飛車を取りにいく手で局面を決めにいったのですが、△同飛▲同桂で寄せきれるかどうかという形です。

△6五角は攻防の手で▲5六歩に△4四角としましたが、ここで▲6四ととすればはっきりと先手がよかったようです。

ただし、▲6四とで▲8二飛としたため△7四玉▲7二飛成△8五玉とぎりぎりの展開になりました。

これでも先手よかったようですが、急いで決めにいっているような指し方なのであまり余裕のあるような感じはありません。

持ち駒も歩だけになるので、寄せきれないと攻めが切れてしまう可能性があります。

局面を決めにいったのはいいのですが、半信半疑で指していたのでもう少し攻めの戦力を増やした方がよかったです。

▲7四金はソフトの候補手の1つだったのですが、推奨手ではありませんでした。

なお最初の局面図で▲7四金で▲4三同歩成なら、△5六銀▲同玉△6五角▲5七玉△2九角成で、ソフトの評価値-140で互角。

この手順は▲4三同歩成と銀を取る手で、攻めの戦力を増やすならこれが目につきます。

ただし、▲4三同歩成には△5六銀と打つ手があり、▲同玉なら△6五角▲5七玉△2九角成と飛車を抜かれることになります。

△2九角成に先手は後手玉を寄せきれれば一番いいのですが、後手の飛車と馬が受けに利いており後手玉は詰みません。

また2九角成は詰めろで、▲7三銀なら△5六飛▲6七玉△7七歩成▲同金△同飛成▲同玉△6六角▲8六玉△7五金▲9七玉△8五桂▲9六玉△8四桂まで詰みです。

そのような意味で、ぱっと見で指すような手は意外と先手も大変です。

▲7四金では▲7四歩がありました。ソフトの評価値+1618で先手優勢。

この手は▲7四歩と垂らす手で後手は7六に歩があるので、よくある歩の裏側に歩を打つ手です。

▲7四歩は次に▲7三歩成でなく▲7三と以下の詰みを狙っています。

▲7四歩に△4四角なら▲7三と△8四玉▲8三金△8五玉▲8六歩△同玉▲8八飛まで詰みです。

この手順は2九の飛車を活用する手で、盤面全体を意識していないと浮かばない手順です。

▲7四歩に△7七歩成なら▲7三歩成△8四玉▲7四金△8五玉▲7五金△同玉▲7四飛△6五玉▲6四と△6六玉▲7七金まで詰みです。

この手順は△7七歩成には▲7三歩成とと金を作るのがよく、後手は飛車を渡しては勝負どころがないので△8四玉としましたが、▲7四金から詰みです。

▲7四歩に△8二銀なら▲7三歩成△同銀▲同と△同飛▲7四歩△7一飛▲7三金△8四玉▲4三歩成△6六角▲6七金△5五桂▲同銀△同角▲8五銀△同玉▲8六銀△8四玉▲9六桂まで詰みです。

この手順は△8二銀と数の攻めには数の受けで粘る手で、これには▲7三歩成からと金で銀を取るのがよさそうです。

△7三同飛に▲7四歩と歩で攻めるのがよく、△7一飛に▲7三金と決め△8四玉に▲4三歩成と銀を取って銀2枚で寄せにいって先手の勝ちのようです。

これらの手順を見ると、先手は攻めの戦力を増やして攻めが切れないように意識して指しているようです。

何気ないところですが、実戦もこのように指してみたかったです。

攻めの戦力を増やして玉を寄せるのが参考になった1局でした。