ぎりぎりのタイミングで角交換を狙う


上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲3六銀と4七の銀が出た局面。ソフトの評価値+24で互角。

この戦型は争点がどこになるかが分かりにくい形ですが、先手は▲3六銀と銀を4段目に進出してきました。

先手は▲3六銀~▲2五銀~▲2四歩のように飛車と銀の2枚の攻めに対して、後手は2三の地点を3二の金で守っているので、数の上では後手は2三の地点を防ぐことはできません。

そのため後手は2筋を突破されないためには少しひねった受け方をすることになるのですが、その受け方が悪いと後手は墓穴を掘ることになりやすいです。

基本的には後手は角の頭が狙われやすいので、角がいなければ少し受けやすくなるという発想があります。

ただしこのタイミングが悪いと全然だめというのが実戦の進行です。

実戦は▲3六銀以下△3四歩▲2二角成△同金▲3四歩で、ソフトの評価値+342で先手有利。

この手順は△3四歩と後手か角交換を目指す手に対して、先手は▲2二角成~▲3四歩と自然に指してきました。

先手は棒銀でいくぞという手に対して後手が慌て気味に△3四歩と突いた感じで、これだけ見ると後手は全く受けの形になっていません。

後手の2二の壁金がよくない形の上に、後手は1歩損で将来▲7七角のような遠見の角に対して後手は受けづらいです。

先手は棒銀の可能性があるつもりで▲3六銀と指したのですが、これだと棒銀にする必要もなくじっくりした展開を目指すので十分です。

自分の指し方は指し手に余裕がなく、後手としては先手が攻めてきて少し態勢が崩れてくるようなときに角交換を目指すべきでした。

相手の攻めを引きつけてから角交換を目指すイメージでした。

△3四歩では△6一玉がありました。

△6一玉▲2五銀△7二玉▲2四歩△同歩▲同銀△3四歩で、ソフトの評価値+132で互角。

この手順は後手は5二の玉を△6一玉~△7二玉と右玉にする手です。

先手は2筋から攻めてきてうまくいけば飛車が成れそうな形なので、後手は△7二玉として相手の攻めより遠い玉にしています。

2三の地点は相変わらず守りが薄いのですが、飛車が成られても後手は1段飛車なので2一の桂馬を守っています。

先手は▲2筋から攻めて▲2四同銀とした形にときに△3四歩と角道を開いて角交換を狙います。

後手は持ち駒に角が入ると先手の玉のコビンがあいているのがやや隙がある形で、いつでも△3六角と王手をする筋があります。

これを少し細工して、先手の飛車が2七の時には△3六角が王手飛車になります。

後手は歩を使って△2八歩▲同飛△2七歩▲同飛△3六角のようなイメージです。

また歩を節約して△2七歩と垂らすだけでも効果がありそうです。

△3四歩に対して先手は色々な手がありそうです。

△3四歩に▲2二角成なら△同金▲3四歩△2七歩▲4五桂△4四銀▲5七銀△3二金で、ソフトの評価値-131で互角。

この手順は▲2二角成~▲3四歩と取り込む手で、後手は△2七歩と垂らします。

△2七歩に▲同飛は△3六角の狙いがありますので先手は▲4五桂~▲5七銀としましたが、△3二金と形を整えていい勝負のようです。

△3四歩に▲4七金なら△8八角成▲同金△3五歩▲7七角△3八角▲2八飛△4七角成▲同玉△2七歩▲3八飛△4四銀で、ソフトの評価値-882で後手優勢。

この手順は△3四歩に▲4七金として玉のコビンを先受けした形です。

▲4七金には△3五歩と歩を補充するのが意外と価値が高く、▲7七角には△3八角~△4七角成が盲点です。

角と金の交換ですが、先手は飛車が攻めに使えず玉の守りは薄いので後手が指せているようです。

△3四歩に▲7七桂なら△6六歩▲2三銀成△6七歩成▲同玉△2三金▲同飛成△6六歩▲5七玉△4四角▲4五金△6七銀で、ソフトの評価値-84で互角。

この手順は▲7七桂と跳ねて角交換を拒否する手で、後手は角が捌けないのが難点です。

後手は△6六歩と戦いの争点を求める手に▲2三銀成からの攻め合いで、これはいい勝負のようです。

どの展開も実戦よりはるかによかったです。

ぎりぎりのタイミングで角交換を狙うのが参考になった1局でした。