玉頭戦は厚みがなくなるとだめ


上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手超速△7三銀型の展開で▲1七同香でと金を取った局面。ソフトの評価値+465で先手有利。

この局面の駒割りは後手の角得ですが、玉頭の厚みが先手の方がいいので先手が指しやすいです。

玉頭戦は駒の損得より厚みが重要で、厚みで盤上を制圧されるとだいたい駒得になっても勝てません。

厚みの駒が攻めにも受けにも利くことができて、働きが相当いいです。

後手は4一の金と4二の銀が壁の形で受けに利いていません。

また6二の馬も働きがいまひとつで後手としてはいいところがありません。

実戦は▲1三同香に△同香不成▲2九玉と進みましたが、局後の検討で△1三同香不成で△1三同香成ならどうなるかが気になりました。

△1三同香成は王手ではありませんが、▲1七同金なら先手玉が少し薄くなるのと▲1七同飛成なら龍が自陣の戻ることで後手は少しほっとするところがあります。

▲1七同香以下△同香成▲1四桂で、ソフトの評価値+1017で先手優勢。

この手順は△1七同香成には▲1四桂と詰めろをかける手です。

先手玉は2八の金が取られる形ですが▲同玉で先手玉は詰みません。

△2八成香は味消しみたいなところがありますので、後手は詰めろ逃れの手を指します。

▲1四桂に△3一金なら▲2二桂成△同金▲2三銀成△同玉▲2四香△同玉▲2二飛成で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順の△3一金には▲2二桂成~▲2三銀成~▲2四香がありました。

このような形は後手がぼろぼろと駒を取られて負けパターンです。

この手順の▲2三銀成に△4一玉と逃げても、▲2二飛成△1六桂▲3二銀成△5一玉▲4二成銀△6一玉▲5二成銀△7二玉▲6二成銀△8三玉▲7二角以下手数はかかりますが詰みです。

後手が2八の金を取らずに△1六桂と打つのが詰めろで、味消しの手を指さないとこのような筋がありますがこの場合は後手玉が詰んでしまうようです。

▲1四桂に△3一銀なら▲2二桂成△同銀▲2三銀成△同玉▲2四香で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順の△3一銀の受けにも▲2二桂成~▲2三銀成~▲2四香の筋がありました。

玉頭戦は玉を上部にひっぱり出して、先手は守り駒が攻め駒として機能することがよくあります。。

▲2四香に△3二玉は▲2二飛成で詰みなので△同玉とします。

▲2四香以下△同玉▲2二飛成△2三香▲1三銀△1四玉▲1五歩△同玉▲2六銀△1四玉▲1七金で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順の▲2二飛成に△2三歩なら▲1五銀△同玉▲1三龍△1四歩▲2六銀△1六玉▲1七金まで詰みです。

△2三香ならこの手順の▲2六銀に△同香と取れるので少しでも粘ろうとする手です。

ただし、後手玉に詰みがない状態でも▲1七金と香車を取れば先手勝勢です。

この将棋は後手に厚みがなくなり全くいいところはなかったのですが、△2八成香を決めずに将来△1六桂と打って詰めろにする手や、△2三香などの粘りの手は印象に残りました。

このような手は本局はだめですが、全く別の局面であれば生きることもあるので活用したいです。

玉頭戦は厚みがなくなるとだめなのが参考になった1局でした。