上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲2四同飛とした局面。ソフトの評価値+55で互角。
相掛かりで飛車先の歩の交換をするのはよくある形ですが、片方の飛車の利きが通っていて角交換になる形は技がかかりやすくなります。
正確に対応すれば互角のケースが多いのですが、ちょっとした形の違いで受けが利かなくなったりとか受け損なうと大きく形勢が悪くなります。
そのためそのような条件でないときに飛車先の歩を交換するのが無難ですが、将棋は無難な手ばかりを選択すると意外と手が伸びないこともあるのでそのあたりが難しいところです。
実戦は△2三歩▲2五飛で、ソフトの評価値+61で互角。
この手順はソフトの候補手にある普通の手ですが、形勢も互角でまだこれからの戦いになります。
ここではあまり見慣れない面白い指し方が2通りあったようです。
1つは、△2三歩では△8八角成▲同銀△2三歩▲2五飛△3三桂▲6六角△2五桂▲8四角△5五角で、ソフトの評価値-60で互角。

この手順は角交換をしてから△2三歩と打つ形で、手の流れからすると少し浮かびにくいです。
角交換をするとする側が1手損になるので普通はためらうことが多いです。
銀で攻められたときに受けやすくするために角交換をするというのはよくあるのですが、そうでないケースだと普通は1手損が大きくなります。
本局の変化手順は角交換をして△2三歩と打ちますが、先手は飛車の逃げ方が少し悩みます。
▲2八飛には△5五角、▲2六飛には△4四角が少し気になります。
後手が角交換をすると▲8八銀型になるのでこのような筋が生じます。
▲2七飛は直接的に角で狙われることはありませんが、一時的に位置が少し悪いので違和感があります。
よって▲2五飛としましたが、そこで△3三桂と跳ねます。
△3三桂に先手はまた飛車の逃げ場所が迷うので、▲6六角と先着します。
▲6六角は飛車取りですが、後手からの△4四角や△5五角のラインを消す意味もあります。
▲6六角以下は飛車を取り合う展開ですが、▲8四角に△5五角がよくある筋です。
横歩取りなどで、先手が▲3八銀型の場合に斜めのラインを狙う△5五角のようなイメージです
△5五角は直接的な狙いは△1九角成ですが、先手からの▲8二歩△9三桂▲8一歩成△同銀に▲7三角成を防ぐ意味もありそうです。
△5五角以下▲7七桂△1九角成▲6五桂△7二銀▲5三桂不成△7一金で、ソフトの評価値-142で互角。
この手順は、△1九角成を受けるのは難しいので▲7七桂からの桂馬の活用でいい勝負のようで、5三の地点を受けないというのが参考になります。
もう1つは、△2三歩では△8八角成▲同銀△3三角▲2一飛成△8八角成▲7五角で、ソフトの評価値+41で互角。

この手順は角交換から△3三角と打ちこむ手で、以下飛車と角が成り込みます。
△8八角成に△9三歩型の場合には▲9五角のような手があるのですが、その筋はありません。
△8八角成には▲7五角が急所のようです。
▲7五角に△8五飛なら▲8六歩△8九馬▲8五歩△7八馬▲5三角成で、ソフトの評価値+523で先手有利。
この手順の△8九馬で△7五飛なら▲8八金△7六飛▲7七金で、ソフトの評価値+483で先手有利。
これらの手順は後手の指し手が止まると先手有利のようです。
▲7五角に△8二飛なら▲8三歩△同飛▲8四歩△同飛▲同角△7八馬▲2四桂△4一金▲3二桂成△同銀▲1一龍で、ソフトの評価値+492で先手有利。
この手順の▲2四桂に△4一金の受けはよくでる手ですが、先手が少し指せているようです。
▲7五角に△2二馬なら▲3二龍△6九銀▲同玉△8九飛成▲7九金打△7八龍▲同金△3二馬で、ソフトの評価値+16で互角。
この手順の▲7五角に△2二馬がソフトの推奨手で、これで互角のようです。
これらの手順を見ると角交換から△3三角は有力だったようです。
乱戦にするなら歩を打つ前に考えるのが参考になった1局でした。

















