上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△7三桂とした変化手順の局面。ソフトの評価値+157で互角。
以前この局面から▲6八銀と引く手を調べました。
今回は△7三桂に別の指し方です。
この局面は実戦からかなり外れた展開なので調べてもあまり意味がないのかもしれませんが、妙に頭の片隅で気になっていたのでこの機会に調べることにしました。
あまり見ない展開なのですが、たまに出る形で少しでも知っておいた方がいいと思ったからです。
序盤の形は方針が全く分からず千日手模様の手を指すより、少しでも知っておくと局面打開につながることもあります。
その第一歩がその局面の狙い筋を知ることです。
△7三桂以下▲5七角△8二飛▲6八金△8二飛▲7八玉で、ソフトの評価値+60で互角。

この手順の興味深いのは、先手は▲6八金~▲7八玉と組み替えることです。
矢倉を自ら崩して▲7八玉型にしました。
この形は1手損角換わりの後手玉の構えにたまに出ます。
なぜ自ら矢倉を崩すのかを考えてみたのですが、▲8八玉型にすると△8五桂と跳ねられたときに▲6八銀か▲8六銀とした場合に玉のコビンがあきます。
また▲7九玉型で戦うこともありそうですが、相居飛車の将棋で1段玉は相手に飛車を渡すといきなり王手が飛んでくるケースがあります。
また▲6八玉型にするのはどこかで△6六歩のような手が生じて相手の攻め駒に近くなります。
▲7八玉型が2段目に上がることで相手の攻め駒に近くなるのですが、場合によっては▲6九玉~▲5八玉のようなルートがあります。
また▲7八玉型は▲8八玉型と違って、本来の角の位置での王手がかからないようにしています。
1つ升目がずれることで、玉は筋違いの角のラインになります。
どれも一長一短で▲7八玉にすればベストという訳にはいきませんが、定型から少しずれるので見慣れない形になりここからの方針が気になります。
▲7八玉以下△4二金右▲5八金左△2二玉▲3五歩△同歩▲同角△9五歩▲同歩△8五桂▲8六銀△9七歩▲5七角で、ソフトの評価値+297で互角。

この手順は後手は玉の整備に手をかけました。
先手は3筋の歩を交換する形に対して、後手は9筋から動いてきました。
後手の角と桂馬と香車の攻めに先手は銀と桂馬と香車で守る形です。
先手陣は7七の銀がいなくなると左辺が薄いため玉の守りが不安です。
そのため慎重な受けが必要ですが、後手が△9七歩と垂らした手には▲5七角が冷静な手のようです。
▲5七角は将来の△3四香を事前に受けるのと、▲3四歩~▲3五歩の攻めを見た手です。
先手は4七の銀と4八の金が3七の桂馬を守っており、6四に角がいても意外としっかりしています。
▲5七角以下△9五香▲同銀△9八歩成▲同香△9七歩▲同桂△同桂成▲同香△同角成▲3四歩△同銀▲3五歩で、ソフトの評価値+855で先手優勢。
この手順は後手はさらに動いてきた展開ですが、先手は自然に対応して、▲3四歩~▲3五歩で優勢のようです。
これらの手順はやや後手は無理筋ですが、受け方を知っておくと役に立ちそうです。
見慣れない駒組みからの指し方が参考になった1局でした。