桂頭を守る3段玉はやや不安定

上図は、後手△3三金戦法からの進展で△3三銀としたした局面。ソフトの評価値-90で互角。

先手は5八の玉を▲4七玉~▲5八玉と千日手模様の手を指した形です。

今後の方針を決めることができなかったので、仕方なくできるだけ形を崩さない手を選択したつもりでした。

ただしこの局面で再度▲4七玉はあまりよくなかったようで、ここでは後手に有力な手が2つありました。

1つは▲4七玉に△4四銀です。ソフトの評価値-179で互角。

この△4四銀は金駒を前進する手です。

先手は3七の桂頭が狙われやすい形なので▲4七玉型で守っているのですが、いつでも後手から△3五歩のような攻め味が嫌な形です。

また3段玉は相手の持ち駒に角があると狙われやすく、ちょっと駒の配置が変わるといきなり王手のような筋がとんできます。

そのため本来なら2段玉で構えるのが自然だったようです。

△4四銀は▲4五歩で銀を追われる手が気になります。

▲4五歩は銀取りなので一時的に先手は気持ちがいいのですが、4六の地点に空間があくのでやや不安定です。

そのため▲4六角と埋める手が考えられます。

△4四銀に▲4五歩△5三銀▲4六角△3三桂で、ソフトの評価値-179で互角。

この後手の△4四銀~△5三銀は銀の組み替えで、△3三桂と跳ねる狙いのようです。

△3三桂に▲3五歩なら△4四歩で、ソフトの評価値-431で後手有利。

△3三桂に▲1五歩なら△同歩▲1三歩△1六歩▲同香△1七歩▲2八飛△6九角で、ソフトの評価値-2083で後手勝勢。

どちらの手順も先手玉の近くで戦いを起こす手ですが、反動がきつく後手が指せています。

自陣角を打っても簡単に攻める形にならないので、指し方が難しいです。

もう1つは▲4七玉に△1五歩がありました。

△1五歩▲同歩△3五歩▲同歩△3六歩▲4五桂△4四銀で、ソフトの評価値-24で互角。

この展開は後手が1筋と3筋の歩を突き捨てて△3六歩と打ってきました。

△3六歩に▲同玉なら△1五香▲同香△1八角の王手飛車があります。

よって▲4五桂と跳ねて銀取りですが△4四銀でどうかという形です。

これは実戦の展開で後手から動いてきましたが、相手の方から動いてくるのを軽視していました。

相手の方はこの戦型が得意のようで、以前も似たような将棋を指したことがありました。

元々相手の方は自分から攻めることが少なく受けに回っ手厚く指す印象があったのでこの展開はやや意外だったのですが、ソフトの候補手にもあった手の流れなので指し慣れているようです。

このような戦いになると先手玉が相手の金駒に近いのと、3六に攻めの拠点の歩が残って2九に飛車がいる形で玉と飛車が接近している形なので、色々と指し手に制限が出そうです

形勢は互角のようですが、▲4七玉型があまり活きず面白くなさそうな展開です。

最初の局面図で▲4七玉では▲6五歩があったようですが、機会をみて調べてみます。

桂頭を守る3段玉はやや不安定なのが参考になった1局でした。

角を打った直後に金と交換する

上図は、後手△3三金戦法からの進展で△5二玉とした局面。ソフトの評価値+158で互角。

4二の玉が△5二玉とした形です

角換わりからの進展で似たような局面はたくさんあると思いますが、いざ実際に盤の前で考えると意外と考えがまとまりません。

方針が決まらないと指し手も決められませんので、大会の切れ負け将棋などでこのように状況になるとかなりつらいです。

実戦は▲4七玉△3二金▲5八玉で、ソフトの評価値-109で互角。

この先手の手順は最悪千日手でも仕方ないという指し方で、本来なら先手番の角換わりなので打開したいです。

全く感触のいい指し手でなく評価値も後手に少し傾きました。

後手の△3二金と定位置に引く形は価値が高いので、やはり先手が少し損をしたようです。

ただし、無理に打開して形勢を損ねても意味がないので仕方ないです。

序盤の形に明るくないのは、最近棋譜並べが少し足りていないのかもしれません。

棋譜並べはあまり自分が指さないような戦型でもこのような手があったなと思い出せば、考える判断材料が増えることになります。

▲4七玉では▲2六角がありました。

▲2六角△3二金▲6九飛△3三銀で、ソフトの評価値+421で先手有利。

この手順の▲2六角は部分的にはありそうな手です。

それに対して後手の△3二金は自然な手で、将来▲4五桂の金当たりを防いでいます。

△3二金に▲6九飛が継続手で、この手は知らないと指せないかもしれません。

先手玉は中住まいで▲6九飛は玉と飛車が接近する形なので、部分的にはあまりいい形えはありません。

昔の将棋の感覚だと玉と飛車は反対側にあるのが自然で、戦いは攻め駒の飛車の方からすることが多いです。

令和の時代になってからは玉と飛車が接近する形や、玉の守り駒から仕掛けるといった手が増えたような気がします。

攻め駒と守り駒という概念が薄れてきた感じで、指しこなすのはかなり難易度が高いです。

玉の近くで戦いが起きると流れ弾が飛んでくることが多くなりかちなので、やり損なうと反動がきつくなります。

そのあたりを指しこなす感覚が必要になってきます。

▲6九飛に△3三銀も駒組みを変える自然な手ですが、次の手が先手の狙いでした。

△3三銀以下▲6二角成△同玉▲6五歩で、ソフトの評価値+262で互角。

この▲6二角成はあっさりと角と金を交換する手です。

このような展開はプロの先生の棋譜でもあまり見ることがないので、表面上に出ない狙いの手のようです。

将棋が強くなれば相手の狙いを消すような駒組みをすることが多くなり、なかなか分かりやすい攻めという形になりません。

今回の後手の△3二金と△3三銀の組み合わせは部分的には自然ですが、盤面全体を見るとやや甘い可能性があったようです。

先手は▲6二角成と自ら金を交換するのが盲点で、相手玉の近くの金がいなくなるとかなり薄い印象です。

△同玉に▲6五歩と合わせる手が継続手です。

▲6五歩以下△同歩▲同桂△6四歩▲5三金△7二玉▲7三桂成△同玉▲6五歩で、ソフトの評価値+698で先手有利。

この手順は後手はまともに受ける手でぎりぎりのところでしのぐ受け方ですが、守りがかなり薄いので実戦的には先手が指せそうです。

本局の変化手順はやや直線的な手の流れですが、このような手があると知っていれば今後の指し方の選択肢が広がりそうです。

角を打った直後に金と交換するのが参考になった1局でした。

飛車と玉の位置に目をつける

上図は、後手△3三金戦法からの進展で△8六同飛と歩を取った局面。ソフトの評価値+505で先手有利。

後手が角換わりの△3三金戦法からの進展で、6筋を位を取った手に先手が6筋から反発しました。

その後8筋の歩を交換してきた形です。

角交換の△3三金戦法は指す人が少ないのですが、後手番だとが事前に研究しやすい形で自分の土俵に引っ張り込める可能性があります。

また先手はどうしてもこの戦型に対しての準備が少なくなり、△3三銀型と△3三金型ではかなり違う戦型という印象です。

この対局を局後に調べてみると、この局面がすでに先手有利だったのは驚きました。

有利というのはソフトの推奨手を指せばという前提になります。

このようなときはできるだけ最初は自分で考えて、その後ソフトの読み筋を確認するようにしています。

有利というのは、それだけで急所をとらえた手になることが多いです。

そのような感じで局面を見ると意外とあっさりいい手が浮かぶことがあります。

相手の玉と飛車の位置関係に気がつけばその筋が見えてきます。

▲8七歩では▲6五歩がありました。ソフトの評価値+456で先手有利。

この▲6五歩は△同歩なら▲9七角が狙いの手になります。

▲6四角は6三に銀がいるので無効ですが、▲9七角は準王手飛車になります。

このような何気ないところで筋のいい手が浮かぶようになればいいのですが、実戦は▲8七歩△8一飛で、ソフトの評価値+37で互角。

このようなところが盤面全体が見えてなくやや甘いです。

▲6五歩は次に▲6四歩として△同銀なら▲9七角、▲6四歩に△5二銀としても▲9七角~▲6三歩成の筋があります。

▲6五歩に△5二玉とすれば王手飛車のラインは消えますが、▲6四歩△7二銀▲7七桂△8七角▲同金△同飛成▲4五桂△8六歩▲3三桂成△同銀▲8八歩△9六龍▲2四歩△同歩▲2二歩△同銀▲6五桂△8五桂▲4五銀で、ソフトの評価値+1466で先手優勢。

この戦形の特徴的なところは先手は飛車を成らせても有利になっていることがあり、先手玉は右側が少し広いようです。

飛車を成らせないように安全に指すのもありそうですが、飛車を成らせる展開もあると頭の中に入れていれば指し手の選択が広がるようです。

▲6五歩以下△同桂▲同銀右△8一飛▲5六銀△8六歩で、ソフトの評価値+475で先手有利。

この手順は後手が桂損で冴えないようですが、ソフトの推奨手でした。

とりあえず桂損で局面をおさめて粘りに出るという指し方のようです。

この手順でうっかりしやすいのが▲同銀右とする手で、これを▲同銀直とすると△8三飛で6五の銀が助かりません。

よって▲同銀右として△8一飛に▲5六銀と引きます。

△8六歩と垂らして次に△8七歩成を狙ったときに指し方が気になります。

△8六歩以下▲8二歩△同飛▲7一角△7二飛▲6二角成△同飛▲4五桂△5二銀▲3三桂成△同銀▲7三金で、ソフトの評価値+683で先手有利。

この手順は▲8二歩~▲7一角として以下角と金の交換を目指す手です。

後手は守りの金がいなくなるとかなり薄くなります。

また飛車の8筋からの攻めが一時的になくなったのも大きいです。

スピード感のある攻め方ではありませんが、確実にポイントをあげるような指し方のようです。

なお▲8二歩では▲8八歩もソフトの候補手に上がっており、以下△3二金▲7七桂でソフトの評価値+464で先手有利。

▲8二歩がうまくいかなかったら、▲8八歩もありそうです。

飛車と玉の位置に目をつけるのが参考になった1局でした。

9筋を明け渡す受け方

上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△3三角と打った局面。ソフトの評価値+149で互角。

この将棋は序盤からあまり相手に手が見えておらず、気がついたら指しづらい局面になっていたという感じです。

この局面もいい感触はなかったのですが、評価値は互角だったのがやや意外でした。

△3三角もいかにも筋といった手でソフトの候補手にも上がっていましたが、ソフトは△6六歩を推奨していました。

△6六歩▲同歩△5六桂▲同金△3七角で、ソフトの評価値-133で互角。

この手順は後手は曲線的な手の流れで、先手陣を直接攻めるのでなく飛車をいじめて手厚く指す方針です。

△6六歩の突き捨ては、▲同歩△5六桂に▲同歩なら△3九角の狙いの手だと思いますが難しい手です。

曲線的な指し方は特に切れ負け将棋などであれば、手数が伸びてどちらに転んでもおかしくないようなところもあるので選択しにくいところはあります。

そのような意味で△3三角は、先手陣を直接狙う方針が分かりやすい手です。

実戦は△3三角以下▲7七桂△同桂成▲同銀に変化手順で△7五歩で、ソフトの評価値-384で後手有利。

この手順は▲7七桂と跳ねて正面から受ける指し方ですが、いまひとつセンスがなかったようです。

後手は桂馬の交換から△7五歩と突く手がありました。

後手は飛車と角と桂馬と歩で攻めており、持ち駒に桂馬があって5六の銀が質駒になっています。

後手の攻めはかなりきついようで以下▲4六桂△7六歩▲3四桂△1二玉で、ソフトの評価値-728で後手有利。

先手は桂馬が入れば▲4六桂は狙い筋ですが、後手の△7六歩の攻めの方が少し早いようで先手が苦しそうです。

相手に角を成りこませないように受けるのは自然の発想ですが、素直に受けると相手の攻めの方が早くなることがありこのあたりの見極めが難しいです。

▲7七桂では▲9七桂がありました。ソフトの評価値+143で互角。

この手順は▲9七桂と桂馬を反対側に使う手です。

後手に9筋を明け渡す形ですが、△同桂成なら▲同香で取られそうな香車が逃げられます。

▲9七桂以下△9九角成▲8五桂△5六桂▲同歩△7五歩▲8八銀△9八馬▲3五歩で、ソフトの評価値+233で互角。

この手順は後手の立場になると9九の香車は取れたのですが8五の桂馬は取られる展開なので、攻めの感触としては少し微妙です。

△5六桂と銀を補充して△7五歩は飛車を働かす手ですが、この瞬間は先手にとってもチャンスです。

▲8八銀と自陣に埋めるのが手堅く△同馬なら▲同金で先手の玉が少し遠いです。

よって△9八馬としましたが次に▲3五歩がなかなか浮かばないです。

▲3五歩では▲2六桂がぱっと見で浮かびます。

▲2六桂△2五銀▲4六桂△4五銀▲5五角△4四香▲9一角成△2六銀▲同飛△9七桂で、ソフトの評価値-570で後手有利。

この手順は先手は▲2六桂~▲4六桂として3四の地点を狙う手ですが、後手も△2五銀~△4五銀と受けて簡単ではなさそうです。

▲5五角~▲9一角成は部分的には感触のいい手ですが、△2六銀~△9七桂が意外な桂馬の使い方でこれで後手が指しやすいようです。

先手は何気に▲2六同飛と浮き飛車になった形が悪く指しづらくなりました。

▲3五歩はどの程度厳しいのかが分かりづらい手ですが、△同歩なら▲3四桂があります。

▲3五歩以下△3一玉▲4六桂△4五銀▲3四桂△同銀▲同歩△4六香▲同金△3七銀▲2九飛△4六銀成▲8九銀で、ソフトの評価値+518で先手有利。

この手順は△3一玉の早逃げにこのタイミングで▲4六桂と打つのが盲点です。

▲3五歩と突いたことで△4五銀には▲3四桂と跳ねることができます。

ただし△同銀▲同歩の瞬間が少し怖い形で△4六香~△3七銀は嫌な筋ですが、先手は▲8九銀と埋める形で少し指せているようです。

△4六香では△9七桂▲同銀△同馬▲8八銀△9六馬▲6三角で、ソフトの評価値+362で先手有利。

どちらの指し方も難易度は高いですが、少しでもこのような感覚を身につけたいです。

9筋を明け渡す受け方が参考になった1局でした。