上図は後手四間飛車から端棒銀にした展開で△3三桂とした局面。ソフトの評価値+190で互角。
△3三桂で後手の1五の角は狭くなりましたが、△2六角とするスペースがありますので簡単には取られません。
実戦は▲1六歩△2六角▲4六歩△同歩▲同角で、ソフトの評価値-72で互角。

この▲1六歩~▲4六歩の組み合わせは今見てもあまりよくなかったです。
後手はどこかで△2六角としたいところなのに先手からわざわざ▲1六歩とする手は、あまり意味がなかったです。
さらに4筋の歩を交換して▲4六同角とするのが不安定だったようです。
▲4六同角の形は後手の4一の飛車が間接的に睨んでいるため、先手の角が逆に負担になりやすいです。
4六の角と3八飛の組み合わせがいまひとつです。
△3三桂は直接的な狙いがある手ではないので、先手はゆっくり指す手があったようです。
▲1六歩では▲8六歩がありました
▲8六歩△2六角▲8七金△9一飛▲7八銀で、ソフトの評価値+237で互角。

この先手の手順は金冠を目指す手です。
冠囲いでは銀冠が一般的ですが、この場合は金冠に組む方が手数が短くなります。
後手は序盤の△8四銀型を活かすために9筋に駒を集めてきました。
本来端棒銀は対穴熊に9筋を攻める戦法ですが、先手は穴熊を目指さずに結果的に金冠になりました。
金冠だと穴熊と違って後手の9筋の端攻めに対して幅広く対応できそうです。
▲7八銀に△9五歩なら▲同歩△同銀▲7五歩△8六銀▲9二香成△8七銀成▲同銀△9二飛▲7四歩△8五桂▲9八香で、ソフトの評価値+520で先手有利。
この手順は後手が9筋から攻めて△9五同銀には▲7五歩が急所のようです。
後手の桂頭を狙う手で、部分的に後手は受ける形がありません。
後手は△8六銀と捌いてきますが、▲9二香成~▲8七銀とします。
△9二飛と手を戻したときに▲7四歩△8五桂と攻め合いの展開です。
お互いに玉の近くに攻め駒がいるので油断はできませんが、正確に受ければ先手が指せそうです。
▲7八銀に△4四角に▲7七角なら△9五歩▲同歩△同銀▲7五歩△8六銀▲9二香成△7七銀成▲同桂△9二飛で、ソフトの評価値+179で互角。
この手順の△4四角は角を好位置に引く手で、▲7七角は次に▲5五歩のような含みです。
ただし▲7七角には△9五歩の端攻めがあり、▲同歩△同銀▲7五歩には△8六銀が角取りになります。
これは▲7七角が逆に利用されたような形で、先手としては角を渡すのは互角でも面白くないかもしれません。
▲7八銀に△4四角に▲5五歩なら△同歩▲2八飛で、ソフトの評価値+274で互角。
この手順の▲5五歩は相手の角の利きを止める手で、△同歩に▲2八飛が少し浮かびにくいです。
後手が9筋の端攻めをしてこなければ▲2四歩から飛車を捌く狙いです。
▲2八飛に△2一飛だと2筋は受かりますが、端攻めの味がなくなります。
▲2八飛に△9五歩なら▲2四歩△9六歩▲2三歩成△9七歩成▲同桂△9六歩▲3三と△9七歩成▲同香△9六歩▲同香△同香▲4三と△9八香成▲7九玉で、ソフトの評価値+410で先手有利。
この手順は▲2八飛に△9五歩ですが、そこで▲2四歩とするのが驚きました。
自玉もそれなりに怖い形になるのですが、飛車先を突破するという狙いで▲9五同歩という先入観以外の手を考えるというのが勉強になります。
端棒銀に金冠で対抗するのが参考になった1局でした。

















