上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5七龍と銀を取った局面。ソフトの評価値+377で互角。
この局面は将来▲7三歩成と桂馬が取れる形ですが、それを入れても駒割りは飛銀と金桂の交換で先手が圧倒的に駒損です。
ただし、先手は穴熊で3枚囲っているのと7五に金がいるのでかなり手厚いです。
そのような意味もありややレアなケースですが、形勢は少し先手が指せているようです。
ここで貴重な先手の手番で、実戦は▲7三歩成△同銀▲8五桂でソフトの評価値+315で先手有利と進みこれも自然な手の流れですが、ソフトは▲7三歩成は後回しにしていました。
▲7三歩成では▲7六金がありました。
▲7六金△同角成▲7七銀打で、ソフトの評価値+528で先手有利。

この手順は、▲7六金と銀を取って△同角成に▲7七銀打と自陣を固めると同時に上部を手厚くする手です。
後手の7六の馬がいい位置ですが、▲7七銀打とすれば馬取りになるのが大きいです。
▲7七銀打ちとすることで後手の龍の利きを止めるのも大きいです。
3枚穴熊でも寄せるのは大変なのに、4枚穴熊にすれば嫌気がさします。
4枚穴熊にして後は切れないような攻めを続ければいいという感覚です。
▲7七銀打以下△7五馬▲7三歩成で、ソフトの評価値+535で先手有利。

この手順の△7五馬と逃げるのは攻め合いにするのはさすがに無理なので辛抱しましたが、そこで▲7三歩成が待望の一手です。
▲7三歩成以下△同金▲8五桂△同馬▲同歩△7五桂▲7一角△8二銀▲6二角成△7一金▲6三歩成△同金▲同馬引△同銀▲同馬△9二玉▲9五歩で、ソフトの評価値+833で先手優勢。
この手順は▲7三歩成に△同金▲8五桂の両取りの展開で、後手は△同馬▲同歩に△7五桂と打ちます。
△7五桂は▲7五角の王手龍取りを先受けした手で、敵の打ちたいところに打ての格言に沿った手です。
△7五桂は攻防の手で将来8七の地点に駒を打つ狙いもあります。
先手は▲7一角として△8二銀に▲6二角成と手厚く指すのがうまい手で、△7一金に▲6三歩成として駒得を図ります。
▲6三歩成に△同金▲同馬引△同銀▲同馬は角と金銀の2枚替えになるので先手が駒得になり、先手有利が拡大します。
後手の△9二玉は将来▲9五歩が玉頭を狙う端攻めになるので先受けですが、そこでも▲9五歩と味付けして先手優勢です。
穴熊の場合は、自陣が固いと攻めることに専念できるのが大きいです。
穴熊で相手が嫌がる指し方をするのが参考になった1局でした。