上図は、後手四間飛車に先手居飛車穴熊からの進展で△6五歩と突いた局面。ソフトの評価値+281で互角。
先手の居飛車穴熊に後手がミレミアムにした展開で、令和になってからよく指される形の1つです。
先手は7筋の歩を交換して1歩を持ち駒にする形で、穴熊の守りの歩を盤上からなくすのは守りが弱くなるのですが、1歩をもってそれを攻めに使うつもりでした。
将棋ソフトで後から棋譜を検討するのを繰り返していると、このような局面は何となく先手が指しやすくうまくいけば先手有利になりそうな気はしていました。
その考えは大筋間違っていなかったようですが、歩を使う場所が違うことで読み筋が全然違っていました。
実戦は▲2四歩△同歩▲3五歩で、ソフトの評価値+184で互角。

この手順は先手は右側から動く手で、▲3五歩に△同歩なら▲3四歩△4四角▲2四飛△2二歩のような狙いです。ソフトの評価値+193で互角。
このような展開になれば飛車が働いているので先手まずまずかと思っていたのですが、評価値は先手が指しやすいものの先手有利まではなっていませんでした、
このようなところが難しく、大駒の飛車がそこそこ働けば指しやすいという感覚は自然なのですがその後の指し方が難しいと手が伸びないようです。
昭和の古い感覚としては対抗形では先手は▲2四歩の突き捨て、後手なら△8六歩の突き捨てを入れて将来の▲2四飛や△8六飛の活用を図る準備をしておくのが自然だったと思うのですが、令和ではこの指し方は少なくなっている感じです。
▲2四歩では▲7四歩がありました。
▲7四歩△8五桂▲7六金△7七歩▲6八金で、ソフトの評価値+322で先手有利。

この手順はなかなか指せない手の連続です。
▲7四歩は△同金なら▲5三角成がありますのでありそうな手ですが、△8五桂に▲7六金がまず浮かびません。
玉の守りの金を4段目に上がると守りが弱くなるという先入観ですが、相手の攻め駒を責めるという発想のようです。
戦いの場所は左側の方が居飛車の方の戦力が多いので有利になりやすいようです。
▲7六金に桂馬を取られる前に△7七歩と叩くのは自然ですが、これに▲6八金と逃げるのがこれもなかなか指せません。
7七の歩が残ると攻めの拠点の歩が残ってめんどうくさいという感覚ですが、このあたりを読んで相手に有効な手がないと判断すれば桂馬の交換を避けることになりそうです。
この後は▲8五金と桂馬を取ってから▲7七金とするのが先手の理想ですが、それまでに後手は動いてきます。
▲6八金以下△8四歩▲同角△7四金▲5一角成△4六歩▲同歩△6六歩▲7三歩で、ソフトの評価値+657で先手有利。
この手順は▲6八金に△8四歩と桂馬を守って▲同角に△7四金とすれば角取りになるという受けですが▲5一角成と踏み込みます。
△4六歩の突き捨てから△6六歩と取り込んで先手も嫌な形ですが、▲7三歩と叩いて先手が少し指せているようです。
最後の▲7三歩は△同金引なら▲8五金、▲7三金に△同金上なら▲7五歩のような感じです。
先手陣も少しばらばらで後手の歩が伸びて危ない形ですが、後手も守りが薄いので勝負の形になっているようです。
対抗形で左側で戦いを起こすのが参考になった1局でした。