盤上の駒を活かして手厚く攻める

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲4五同歩と歩を取った局面。ソフトの評価値-711で後手有利。

駒割りは飛香と銀桂で後手が少し駒損ですが、後手は穴熊で3六の歩と5六の歩が攻めの拠点となっており、先手の美濃囲いに食いつく形になので後手が少し指せているようです。

ここは後手の手が広いところです。

後手は穴熊が少し形が崩れているのと、2四の角がまだ働いていないのでうまく攻めないと反動がきついので要注意です。

実戦は△3七銀▲同角△同歩成▲同金で、ソフトの評価値-519で後手有利。

この手順の△3七銀は先手の守り駒を少なくするための打ち込みで、厳しく攻めるならこのような手になるのですが、ソフトの候補手には上がっていませんでした。

候補に上がっていないということはやや攻めが単調か攻めが細いようで、この攻め方では5六の歩と5五の銀がいまひとつ働いていません。

△3七銀では△4六銀打がありました。ソフトの評価値-581で後手有利。

この△4六銀打は王手でなく金を狙う銀打ちですが、どうもこちらの方が本筋のようです。

後手は5五の銀と5六の歩が攻めの拠点としていあるので、できるだけこれらの駒も活躍できるような攻め方がよかったです。

攻めが細いときはできるだけたくさんの駒で手を繋げる感じです。

△4六銀打に▲8一飛なら△4七銀成▲同銀△3七金▲同角△同歩成▲同玉△5七歩成で、ソフトの評価値-1595で後手優勢。

この手順の▲8一飛はやや甘い手ですが、後手は金を取ってから金を打ち込んでと金ができれば理想的な展開で大成功です。

玉と直接攻めるより、守りの金を攻めることで相手玉を弱体化させることができます。

△4六銀打以下▲3六金△5七歩成▲5二飛△4八と▲同飛△3五銀で、ソフトの評価値-1302で後手優勢。

この手順の▲3六金は3筋の攻めの拠点の歩を処理します。

後手は△4六銀と打った効果で△5七歩成とと金を作ることができます。

先手は△5七歩成に受けてのきりがないので▲5二飛と攻め合いにきました。

▲5二飛は5三の成香にひもをつけるのと、どこかで▲4三成香△同金とする形になれば後手玉に詰み筋が発生しやすいです。

後手は△4八とと角をまる得して大成功ですが、▲4八同飛と遊んでいる飛車を活用して粘る形です。

最後の局面の△3五銀も味がいい手です。

△3五銀に▲同金なら△同角▲4三成香△3六桂▲3七玉△4六金▲同飛△2八角▲3六玉△4六角成▲2五玉△2四歩▲3四玉△2二桂まで詰みです。

この手順は後手の理想で▲4三成香に△同金なら▲1二銀で詰みですが、△3六桂以下即詰みになります。

▲4三成香で△3六桂を防ぐ意味で▲3七歩と打っても今度は△1六桂と端から王手をする筋があり、以下▲同香△1七角打▲1八玉△2八金で詰みとなります。

やはり守りの金がいなくなった玉はだいぶ寄せやすい形になります。

盤上の駒を活かして手厚く攻めるのが参考になった1局でした。