上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲7六歩と打った局面。ソフトの評価値-381で後手有利。
後で局面の検討すると、形勢が有利だったのが全く気がつかないということがあるのですが、本局もそんな将棋です。
検討して分かったのはこの局面は後手が1歩得になってます。
持ち時間の長い将棋だったら歩の数を数えることはあるのですが、本局は早指しだったのでその余裕はほとんどありませんでした。
先手は▲7六歩と打ったのは△7五銀と出る手を防いだのですが、そのため先手は歩切れになってしかも8筋に歩がありません。
先手は86の地点を角と銀で守っていますが、普通は8六には歩がいる形なので、ここは後手のチャンスだったようです。
実戦は△7三桂でソフトの評価値-294で互角。
この△7三桂は悪手ということはなかったようですが、チャンスを逃がした感じです。
先手の守りがやや不安定なので、ここは後手は踏み込んで攻めるべきでした。
△7三桂では△5五銀がありました。
△5五銀に▲6七銀なら△8六歩▲同銀△8五歩で、ソフトの評価値-447で後手有利。

この手順の△5五銀は短期決戦で駒をぶつける手で、後手としてはできるだけ早く戦いを起こしたいということです。
先手は▲6七銀と引いて銀交換をさけたのですが、そこで△8六歩から△8五歩がありました。
あまり見ない筋ですが、先手は8筋に歩がいないのと後手の歩の枚数と盤面の駒の配置で成立しているようです。
△8五歩以下▲9五銀△同香▲同角△9四飛▲9六香△7五歩▲5一角成△同金▲9四香△6六銀▲同銀△同角▲8二飛△6二銀で、ソフトの評価値-615で後手有利。
この手順は△8五歩に▲9五銀と出て以下銀と香の交換になるのですが、△9四飛に▲9六香が次に▲5一角成からの飛車のす抜きをみた手です。
後手は勢い△7五歩から動いていきますが▲5一角成△同金▲9四香として今度は飛車と角の交換になります。
駒の損得などの手の流れが大きいのですが、後手から動いていってそれなりに手が作れているので後手が少し指せているようです。
△5五銀に▲6七金右なら△5六銀▲同歩△8五銀で、ソフトの評価値-465で後手有利。

この手順は銀交換をしてから△8五銀と打つ手で、先手は歩切れのため▲8六歩と打って銀を追い返すことができません。
次に△8六歩と打たれたら激痛なので、先手は敵の打ちたいところに打ての▲8六銀打とします。
△8五銀以下▲8六銀打△同銀▲同銀△8五歩▲9五銀△同香▲同角△9四飛▲6八角△7五歩▲同歩△8六歩で、ソフトの評価値-356で後手有利。
この手順は前の局面図と同じように△8六歩から△8五歩と叩く手で、以下銀と香の交換に持ち込みます。
以下△9四飛に▲6八角と引いたのですが、△7五歩と7筋の歩を突き捨てて▲同歩に△8六歩と伸ばして後手が少し指せているようです。
△8六歩に▲同角なら△8五銀と打って攻めの拠点を作る感じです。
2つの例は両方ともあまり見ない筋ですが、相手が歩切れの場合には使えそうです。
歩の守りのないところを攻めるのが参考になった1局でした。