少しいい局面でも粘り強く指す

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5三銀と4二の銀が上がった局面。ソフトの評価値+507で先手有利。

お互いに玉形が固く飛車が成り込んだ形ですが、角と銀の交換でやや先手が駒得なのとここで先手の手番なので先手が少し指せているようです。

2二の龍が8二の玉を間接的に睨んでいるおり、持ち駒に角があるのでここは先手のチャンスのようです。

実戦は△5三銀に▲4三角としたのですが、△6二金上なら▲1一龍△2九龍でソフトの評価値+197で互角。

この手順は▲4三角は後手の守りの金を狙った手ですがあまりいい手ではなかったようで、△6二金上の受けがありました。

普通はその後の▲1一龍で香車を取られてさらに玉の下段が寒い状態なので後手はあまりいい気持ちはしないのですが、この場合は△2九龍と桂馬を取り返して以下△2一歩のような底歩で受けが利く形なので互角だったようです。

最初の局面は後手の龍がいまひとつ働いていないので、できればこのままの状態で先手は手を作っていきたいです。

▲4三角では▲9五歩がありました。

▲9五歩△同歩▲9三歩で、ソフトの評価値+383で先手有利。

この手順は後手は9筋がやや薄いので端から手をつける展開です。

対抗形でよくあるのは居飛車側の持ち駒に桂馬や歩がたくさんあれば、端から攻めるというのがあります。

横から攻めると手数がかかるので端から攻めるということです。

ただし、本局の場合は持ち駒の歩が少ないのでこのタイミングで9筋から手を作るのは見えていませんでした。

後手は8一の桂馬が7三に跳ねているので9筋が薄いのですが、ここからの先手の攻め方が気になります。

▲9三歩以下△同香▲6六角△8四銀▲4一角で、ソフトの評価値+477で先手有利。

この手順は▲9三歩と垂らす手に△同香とした後の継続手に▲6六角がありました。

▲6六角は△6五歩なら▲9一角△同玉▲9三角成△9二銀▲9五香のような狙いで、この攻めは後手玉の玉頭なので厳しいです。

端から攻めると玉の周辺にいる金駒は受けに役立っていないこともあり、意外と早く寄り筋になることが多いです。

よって▲6六角に後手は△8四銀と打って辛抱したのですが、そこで▲4一角が手の流れのようです。

後手は銀を打って端の補強をしたのですが、持ち駒の戦力が少なくなったので今度は▲4一角と後手の守りの金を攻める形です。

次は▲6三角成がありますので後手は△6二銀引と受けます。

▲4一角以下△6二銀引▲6三角成△同銀右▲5三金△5二角▲同金△同銀▲4四角△9六歩▲1七角打△4九龍▲9六香で、ソフトの評価値+544で先手有利。

この手順はちょっと勘違いしやすいのですが、先手が攻めている形とはいえ後手も粘りが利くので少しの差で先手有利という形勢判断のようです。

後手玉を寄せにいくのは早すぎますし、まだそこまでの戦力がそろっていないのでどうしても地味な展開になっています。

こういったところを攻める手だけでなく、受ける手も辛抱強く指すのが大事なようです。

自分の場合は、これが簡単にできないところが指し手が単調になる原因かと思っています。

少しいい局面でも粘り強く指すのが参考になった1局でした。