端に攻め駒を増やして寄せる


上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6五桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+1209で先手優勢。

駒割りは角香と銀の交換で先手が駒得で、9筋を詰めているので先手が指せているようです。

ただし後手も△6五桂と跳ねて次に△5七桂左成から迫ってくる手があるので、先手はどのように対応するかという場面です。

先手は大駒3枚が相手玉の守り駒を睨んでいますが、まだ決めにいくのは少し早いようなのでこのあたりの指し方が少し難しいです。

実戦は△6五桂以下▲5二角成△3二歩▲2一龍△6一銀打で、ソフトの評価値+933で先手優勢。

この手順は▲5二角成と馬を作って次は▲6二馬の狙いですが、後手も粘る手順で最後の△6一銀打に決めにいくのかが少し悩みます。

大駒に金駒を打たれてはじかれる形で、大駒を切るか逃げるか迷うというのはよくあります。

手順に金駒を打たれて相手玉の周辺が固くなりますが、攻め駒は少なくなるので一長一短です。

ただし対局中はそれが得か損かの判断は短い時間だとほとんど直感になります。

そのような意味で▲5二角成はソフトの候補手の1つでしたが、やや忙しい展開になる手ともいえます。

▲5二角成では▲9九香がありました。

▲9九香△5七桂左成▲同金△同桂成▲8五桂△8四銀で、ソフトの評価値+2254で先手勝勢。

この手順はやや不思議な進行で、まずは▲9九香と9筋の攻め駒を増やします。

後手は受けが難しい形なので△5七桂左成としたときに▲同金△同桂成に▲8五桂が面白い手です。

先手の狙いは9筋ですが、そのために数の攻めで9三の地点に多くの攻め駒を増やします。

後手は数の攻めには数の受けということで、△8四銀と打って9三の地点を補強します。

一見先手は持ち駒に歩しかないので攻めを継続するのは難しいのかと思っていましたが。先手には質駒を取る手がありました。

△8四銀以下▲6二龍△同金引▲同角成△同金▲9三銀で、ソフトの評価値+99994で先手勝勢。

この手順は△8四銀に▲6二龍とする手で、一見無謀のようでも△同金引に▲同角成が継続手です。

後手に飛車を角を渡して大丈夫かと思っていたのですが、△同金に▲9三銀がありました。

▲9三銀と打って詰み形です。

▲9三銀以下△同歩▲同歩成△同香▲同香成△同銀▲同香成△7一玉▲8二銀まで詰みです。

この形は、4三の角が△6一玉からの逃げ道を防いでいるのが大きいです。

最後の局面図のよくある数の攻めで。9三の地点はどちらの枚数が上回っているかというのが、瞬時に分かりにくい場合があります。

頭の中で取って取って取ってとして読みを入れてももいいのですが、どちらの枚数が多く利いているかを数える方法もあります。

▲9三銀と打った局面は9三の地点に利いている先手の駒は、9三銀と9四歩と9八香と9九香と8五桂の5枚です。

後手の方は、9二歩と9一香と8四銀と8二玉の4枚です。

よって先手は5枚で後手は4枚なので先手の方が1枚多く、後手は守り駒がなくなると9三の地点に先手の攻め駒がくれば後手玉は逃げるしかありません。

なお攻め駒と守り駒が同数の場合は、最後に△9三同玉という形になります。

このあたりは、駒の利きが多くなれば枚数を数えた方が早いように思います。

端に攻め駒を増やして寄せるのが参考になった1局でした。