上図は、先後逆で相居飛車の力戦形からの進展で▲7六歩と突いた局面。ソフトの評価値-199で互角。
先手が早い段階から袖飛車の▲3八飛として、以下3筋を交換するあまり見かけないような局面になりました。
序盤は似たような局面をたくさん見ていると、あまり指し手の意味が分かってなくても強い人と似たような指し手をすることはある程度可能ですが、初見で見るような局面は早指しで対応するのは大変です。
局面の急所がどこなのかの判断と、それに対応する指し手の2つを考えないといけないからです。
本局で言えば▲7六歩と突いた局面は角交換すれば、先手から▲5三桂成のような手があります。
また後手からは角交換すれば△4四角のような筋で、局面をリードできそうな感じもします。
また△3五角と飛車を取る手も有力そうでその後の指し手も気になります。
そのような意味で色々と考えたい局面ですが、実際の対局ではほとんど直感になります。
実戦は▲7六歩以下△8八角成▲同金△4四角▲5五角で、ソフトの評価値-141で互角。

この手順は角交換をしてから△4四角とするのは両取りの角ですが、▲5五角と切り返してきました。
△4四角に先手の飛車が逃げたら△8八角成があるので、先手は角を合わせるのが自然な指し手です。
実戦は▲5五角以下△同角▲同銀△3四歩▲同飛△3三歩▲3六飛で、ソフトの評価値+272で互角。
この手順は再度角交換をして△3四歩から△3三歩と先手を取って受けたのですが、歩を2枚も使って受けた形でいまひとつだったようです。
先手を取ったのは▲5三桂成の受け方がよく分からないから飛車取りの歩を打つ間に考えようという意味ですが、後手は歩切れになって嫌な形です。
△8八角成では△3五角がありました。
△3五角▲同銀△3三歩で、ソフトの評価値-222で互角。

この手順は△3五角と飛車と角の交換をしてから△3三歩と受ける手です。
△3三歩は▲1一角成を受けるので仕方ありませんが、▲5三桂成が気になります。
△3三歩以下▲5三桂成△5二歩▲6三成桂△7六銀▲7四歩△8七銀成▲7三歩成△同桂▲同成桂△8五飛で、ソフトの評価値-578で後手有利。
この手順は▲5三桂成を許す展開で後手玉も少し危険になります。
先手から歩を使った攻めは直接的にはありませんんが、△7六銀と歩を取ると7筋の歩が切れて▲7四歩のような手が生じます。
▲7四歩に△同歩なら▲5五角のような手がうるさいので、△8七銀成と後手も踏み込むような展開です。
このような手順を見ているとやはり将棋は安全に勝とうというのは難しく、どこかで踏み込んで1手違いになるような気持ちで指さないといけないようです。
なお飛車を取るなら最初の局面で取った方がいいようです。
実戦の▲5五角に対して△3五角と飛車を取るのは▲同銀で5五の角が攻防に利いています。
具体的には△2九飛と打つと▲3八角で飛車が取られてしまいます。
このあたりもちょっとした違いですが、局面の進行に大きく影響しそうです。
どこかで踏み込んで指すのが参考になった1局でした。