上図は、先後逆で相居飛車の矢倉対左美濃から進展で▲3五歩と突いた局面。ソフトの評価値+54で互角。
先手が玉の守りに手数をかけずに右の銀からの急戦形です。
本来は後手が左美濃の組んだ場合は自分から動いていきたいのですが、左美濃に組むまでに手数がかかるのでその間に先手が動いてきた形です。
後手が攻め込まれる形で、後手は飛車先の歩や8一の桂馬の活用が遅れているので攻め合いの形にはなりません。
先手が攻めの手を見せてくれば、後手も同じように攻めの手を見せれば早い段階で後手が受け身になることはなかったのですが、これでも形勢は互角のようです。
ソフトがないころだと、一方的に攻められる展開は後手が受け身になってあまり気分はよくないのでつい形勢も悲観的に考えてしまいかちですが、ソフトがあると人間の感覚とは少し違うというのがよくあります。
実戦は▲3五歩以下△4三銀引▲3八飛△3五歩▲同銀△3四歩▲同銀△同銀▲同飛△2八銀で、ソフトの評価値+195で互角。

この手順は▲3五歩に△4三銀と引く形で、5四の銀は攻めに使いたかったのですが先手が早く動いてきたので後手の角頭を守るために指しました。
以下先手は▲3八飛と数の攻めで後手は3筋の受けが遅れています。
先手から▲3五銀と銀が5段目に進出して次に▲3四歩と押さえられては後手がまずいので、1歩損になりますが△3四歩と打って銀交換をしてから△2八銀と打つ展開です。
部分的な手の流れはよく見ることがあるのですが、どちらが得をしているかはよく分かっていませんでした。
△2八銀と打てばどちらかの桂か香は取れる形ですが、銀の働きが悪いので一長一短です。
後手の角頭を一方的に攻められるということはなくなりましたが、これで互角のようです。
実戦の進行もそこまで悪くはなかったようですが、ソフトは△4三銀で△4五歩を推奨していました。
△4五歩▲3七銀△3五歩▲同角△4三金で、ソフトの評価値+67で互角。

この手順は▲3五歩には△4五歩と歩越し銀には歩て突き返す展開です。
△4五歩に▲3四歩は、△7七角成▲同桂△4六歩で2枚替えになるので先手がまずいです。
よって△4五歩には▲3七銀と引いて△3五歩▲同角に△4三金と進みます。
△4三金は角頭を守った手ですが、それでもこの局面から▲3四歩と叩くのが気になります。
▲3四歩に△同金は▲5三角成があるので後手は△3四同金とはできません。
△4三金以下▲3四歩△2二角▲3六銀△7四歩▲3七桂△5二金で、ソフトの評価値-1で互角。
この手順は、▲3四歩以下先手は玉に手をかけずに▲3六銀から▲3七桂と進めてきた展開です。
本局の先手の構えは普通は居玉を避けて戦うというのが自然ですが、後手も受け損なったら大きく形勢が離されるので慎重にならざるを得ません。
なお△7四歩はどこかで8一の桂馬の活用もありますが、局面によっては△7五歩▲同歩△7六歩のような叩きの歩を見せています。
後手は△2二角とか最後の△5二金などあまりいい形ではありませんが、これでも形勢は互角のようです。
受けに手数をかけてもいい勝負だったのが参考になった1局でした。