上図は、相掛かりからの進展で△9四香と歩を取った局面。ソフトの評価値-197で互角。
対局中は、先手が4歩損でしかも歩切れで後手の持ち駒に歩が4枚あり、8筋と9筋は後手の攻め駒が働いているので相当先手が悪いと思っていました。
ただし、評価値をみると後手にふれていますがほとんど互角なのが驚きでした。
次に△9七歩成からゆっくりした攻めがありますので、先手は忙しいです。
とりあえず先手は角が使えておらず狙われやすい駒なので、角を活用することを考えました。
実戦は△9四香以下▲6五桂△9七歩成▲5五角△8九飛成▲7三桂成△8七とで、ソフトの評価値-910で後手優勢。

この手順は典型的な先手の失敗例で、先手は角、後手は飛車を使った一直線な攻め合いで、この局面は後手優勢になっています。
先手の角と後手の飛車のどちらが働いているかは後手の飛車がが勝っています。
また先手玉は横の攻めに弱いので、龍とと金で攻められると厳しいです。
しかも飛車が2五の位置にあるので△2四香と飛車を責めながら間接的に先手玉を攻めるような形になります。
ぱっと見で、この局面の速度計算が後手が勝っているというのが気がつかないといけませんでした。
先手としては一直線のような攻め合いでなく、少し後手の攻めを遅らせるような手を選ぶべきでした。
▲6五桂では▲9六香がありました。
▲9六香△同香▲9五飛で、ソフトの評価値+40で互角。

この手順は▲9六香と歩を取って歩切れを解消する手ですが、△同香で先手の香損になります。
最後の▲9五飛が飛車を活用する手で先手は飛車が成れる形ですが、△8七香と打たれるとさらに先手は駒損になります。
この局面の形勢判断が互角だったのも最初は驚きでした。
しかし、この局面をよく見ると、先手玉は後手に飛車が成られないと意外と耐久性がある形です。
先手は駒が少ないですが、飛車が成った後に粘りにでると意外といい勝負のようです。
ここから先手は2通りの指し方があります。
1つは▲9五飛に△8七香▲9一飛成△3四歩▲9五龍△8八香成▲同銀△6四角▲6六香△9四歩▲同龍△1九角成▲8七銀△8四飛▲9六龍で、ソフトの評価値+4で互角。
この手順は先手が角損の展開から龍を受けに使って粘る展開で、普通は駒損が大きすぎるので勝負にならないのですが、まだ先手陣は耐久性があります。
やや例外的な局面ですが、大きな駒損だから不利とは限らないというパターンのようです。
もう1つは▲9五飛に△8七香▲9一飛成△3四歩▲3七桂△8八香成▲同銀△5二玉▲5六香△4二銀▲8七銀△8四飛▲9六龍で、ソフトの評価値+476で先手有利。
この手順は先手が角損から▲3七桂として▲5六香から5三の地点を狙う展開です。
盤上の駒を攻めの形に使って、攻め駒不足を少しでも解消するのが本筋のようです。
大きな駒損でも意外といい勝負だったのが参考になった1局でした。