意外な手順で有利を拡大する


上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲9八歩と打った局面。ソフトの評価値-560で後手有利。

後手は矢倉に組みましたが、先手の3五の金や後手の1五の角などあまりない形です。

先手が歩切れに対して後手は持ち駒に6歩あるのも珍しい形で、ここまでは後手が有利のようです。

ただし次に▲1六歩とすれば角が取られる形なので、ここから後手がどのようにして形勢を拡大するかという場面です。

対局中はとりあえず角を渡すのはもったいないと思い、手を稼ぐ意味で△3六歩としました。、

実戦は△3六歩▲同金△7五銀▲同銀△同飛▲6五歩で、ソフトの評価値-495で後手有利。

この手順は△3六歩▲同金とさせることで、次の▲1六歩には△2四角を用意しました。

▲3六同金に遊んでいる6三の銀を活用する△7五銀で、銀交換をした手に▲6五歩と突いて角で飛車取りとして受ける展開です。

飛車をどこに引くかという形ですが、▲6五歩には一番下の△7一飛がよかったようです。

なお実戦は▲6五歩に△7六飛▲6七銀打△7四飛▲7五歩△9四飛で、ソフトの評価値-294で互角。

この手順の△7四飛と引いたのは▲6四歩と取られたら将来▲6三歩成がうるさいと思ったので△6四同飛と取れる形にしたのですが、このあたりの指し手は急所を外れていたようです。

それと最初の局面から攻めの銀と守りの銀を交換するのは自然な手順だと思ったのですが、本局の場合は先手が歩切れだったので意外な手順がありました。

最初の局面の△3六歩では△6三銀がありました。

△6三銀▲1六歩△3六歩▲同金△2四角で、ソフトの評価値-717で互角。

この手順は△6三銀と攻めの銀を引いて次に△7六飛を狙う手です。

普通は△6三銀と引く手は考えないのですが、先手は歩切れで▲7五歩と打つことができません。

また△6三銀に▲6七銀左と受ければ△7六歩が厳しく、▲6七銀右と受ければ△7五歩が厳しいです。

よって先手はいい形で受けるのが難しいため▲1六歩と角取りで催促してきたのですが、そこで△3六歩▲同金を入れてから△2四角がうまいです。

先手の5七の角と7六の銀が浮いているので、後手が1本取ったようです。

また先手は5六の銀と3六の金も浮いているので、いかにも技がかかりそうな形です。

△2四角以下▲同角△同歩▲7五歩△3九角▲5八飛△6六角成▲6七銀左△7六馬▲同銀△4七銀で、ソフトの評価値-1007で後手有利。

この手順は△2四角以下角交換になって▲7五歩と受けたのですが△3九角が意外と厳しく、▲5八飛に△6六角成が大きいです。

△6六角成に▲6七銀左で一見手がないようでも△7六馬から△4七銀と飛車と金の両取りで後手が駒得になります。

これらはうまくいきすぎですが、ばらばらな陣形というのは技がかかりやすいので角交換の大駒の交換は有効です。

意外な手順で有利を拡大するのが参考になった1局でした。