上図は、先後逆で相居飛車力戦形からの終盤で△8七歩に▲同金とした局面。ソフトの評価値-1181で後手優勢。
駒割りは飛車と金桂香の3枚替えですが、後手の大駒が先手陣に迫っておりここで後手の手番なので後手優勢です。
後手優勢とはいいながらもゆっくりした展開になると先手の駒得がいきてくる可能性があるので、このあたりで寄せにいきたいです。
対局中は後手がいいとは思っていましたが、決め手が見えずにもつれる展開になりました。
実戦は▲8七同金以下△6七銀▲同銀△同飛成▲5七金で、ソフトの評価値-581で後手有利。
この手順は6七の地点で銀交換になって龍を作る展開ですが。▲5七金とはじかれると金が守り駒になるのと、いつでも△4七馬と金を取る手がなくなるのでだいぶ損をしたようです。
優勢な局面はいい手を指せばさらに形勢がよくなり勝勢に近づくので、このような局面で候補手にない手を指して形勢を損ねるのはもったいないです。
▲8七同金には2通りの手がありました。
1つは△6七銀で以下▲同銀△4七馬▲7八銀△1九飛成▲7九角△6九金で、ソフトの評価値-1643で後手優勢。

この手順の△6七銀は候補にあった手で実戦もそのように指せたのですが、▲同銀に△4七馬と金を取る手がありました。
先手は▲7八銀と飛車取りに銀を守りに固める手ですが、△1九飛成と香車を取ります。
以下▲7九角と逃げればそこで△6九金が俗手の金打ちです。
金を使って相手の角を取りに行く手で、角を手持ちにすると攻めの幅が大きくなります。
△6九金以下▲2四角△同歩▲6八銀打△6六香▲6七香△4六角で、ソフトの評価値-3419で後手勝勢。
この手順は先手は駒を埋めて粘りにでたのですが、後手は急いで攻める必要なないので、△6六香や△4六角のような確実に駒を取って寄せにいく手が間に合って後手勝勢です
もう1つは△6六歩がありました。
△6六歩に▲6八香なら△4七馬▲同銀△7八銀で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順は△6六歩と歩の裏側に歩を垂らす手で、歩を攻めの戦力に使います。
次に△6七歩成がありますので▲6八香と数の攻めで受けたのですが、そこで△4七馬から△7八銀が鋭いです。
△4七馬で△6七銀とすれば駒得は図れそうですが、相手玉を寄せにいくのにまだ手数がかかります。
△7八銀はただの銀ですが、▲同玉なら△7九金以下詰みです。
持ち駒に銀がなくて金なら△7八金▲同玉△7九金以下詰みです。
玉の腹から銀を打つのはよくある筋ですが、6九の飛車でなく馬の形が多いです。
△7八銀と打てば必至で先手玉に受けはありません。
なお△7八銀で△7九銀と王手をするのは▲7八玉で、ソフトの評価値-112で互角になるので要注意です。
最終盤で確実に寄せるのが参考になった1局でした。