上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△2四同角と歩を取った局面。ソフトの評価値+273で互角。
後手が高美濃ですが先手が7筋の歩を角で交換するやや珍しい展開です。
7筋の歩を交換することで1歩を持ち駒にすることができます。
ただし、7筋の歩は守りの歩でもありますので、将来△7五桂のような手があり一長一短です。
▲2四歩の突き捨てに△同角としたのですが、ここで先手がどのように手を繋げていくかという局面です。
実戦は△2四同角▲2四同飛△同歩▲2二角△4一飛▲5五歩△4三銀▲1一角成△3九飛で、ソフトの評価値+14で互角。

この手順は▲2四同飛として飛車と角の交換になります。
以下△同歩に▲2二角と打って△4一飛に▲5五歩から▲1一角成とします。
この瞬間は角香と飛車の交換で先手が少し駒得です。
ここで△3九飛と打った局面の形勢がはたしてどうかが気になります。
先手から飛車を切る展開なので少しでもポイントを上げたかったのですが、△3九飛と打たれた局面は互角とはいいながらも後手が持ち直した感じです。
この局面から先手は駒得を図るのは難しいのに対して、後手は△2九飛成から△1九龍として桂香を拾うことが可能です。
そうなると駒割りは角香と飛桂香で先手が少し駒損になります。
△3九飛の瞬間に何か先手から厳しい手があればいいですが、無理に動いいても反動がきつくなります。
▲2四同飛と飛車と角を交換する手は、この手順にすればやや先手よしのケースや元々先手が苦しい展開での勝負手で指すような手なので、互角の形勢から指すのは少しもったいなかったようです。
▲2四同飛では▲2二歩がありました。
▲2二歩△3三桂▲2一歩成△8五歩▲1一と△7四歩▲8四角で、ソフトの評価値+496で先手有利。

この手順は▲2二歩から後手の桂馬を攻める手です。
7筋の歩を交換した手が▲2二歩と攻めに使えるので、形勢はともかく先手としては狙いの展開です。
△3三桂と逃げられますが、▲2一歩成から▲1一とで香得になります。
その間に後手は△8五歩から△7四歩として先手の角を目標に指します。
先手の角は動ける範囲が狭いので取られそうな角ですが、△7四歩に▲8四角が盲点です。
▲8四角で▲9七角と逃げると△9五歩が厳しいので仕方ありませんが、▲8四角はうっかりしやすい狙いがありました。
▲8四角に△8三銀なら▲7三角成△同金▲3六桂で、ソフトの評価値+1083で先手優勢。
この手順は△8三銀で角が取られる形ですが、▲7三角成から▲3六桂で大駒が取り返せます。
▲8四角に△3五歩なら▲9三香△8三銀▲7三角成△同金▲9一香成で、ソフトの評価値+514で先手有利。
この手順は△3五歩として▲3六桂の筋を消したのですが▲9三香が継続手です。
以下△8三銀で角は取られますが▲7三角成から▲9一香成でどうかという展開です。
駒割りは角と桂香香の3枚替えで、金駒がないのでそんなに大きな駒得ではありませんが、これで先手も指せているようです。
このような展開は少ないので形勢判断が難しいのですが、このような展開もあると頭に入れておくと何かの時に役立つかもしれません。
歩を使って重たく香車と取りにいくのが参考になった1局でした。