歩を使って戦線拡大をする


上図は、相居飛車からの進展で▲2四歩と突き捨てた局面。ソフトの評価値+462で先手有利。

先手が雁木から▲8八玉と入城したのに対して、後手が菊水矢倉で低い形で構えた展開です。

あまり見慣れない戦型になると争点がどこになるかが分かりにくいことがあります。

対局中はここで先手が手番なので少し指しやすいかと思っていましたが、具体的にどのようにするかがよく分かっていませんでした。

実戦は▲2四同飛△2三歩▲2九飛△6五歩で、ソフトの評価値+385で先手有利。

この手順の▲2四同飛が2筋の歩の交換なのでこれが自然かと思っていましたが、ややぬるい手だったかもしれません。

これから本格的に戦いが始まろうかという段階で2筋の歩を交換してじっと飛車を引くというのは、ここで相手に手番が回ってきます。

後手が△6五歩と突いたことでお互いに攻め合いになりこれでも先手が少し指しやすいみたいですが、できれば先手としては1手早く攻める形にすれば△6五歩とは突く展開にならなかったようです。

そのように考えると▲2四同飛と歩を取った手は自然なようでも少し甘かったようです

▲2四同飛では▲1五歩がありました。

▲1五歩△同歩▲4四歩△同銀▲5四歩で、ソフトの評価値+488で先手有利。

この手順は、2筋の歩を取らずに1筋の端歩を突き捨てて▲4四歩と取り込んで△同銀に▲5四歩と歩を伸ばす手です。

将棋の難しいところでどのように仕掛けるかというのがあるのですが、この変化手順も少しひねった感じです。

先手はすべて歩を使った手ですが、1筋から5筋まで戦線を拡大している感じです。

2筋の歩を突き捨てていると、将来▲2四飛と飛車を4段目に飛び出す手があります。

1筋の歩を突き捨てていると、将来▲1五香と香車を捨てて歩を補充する手があります。

最後の▲5四歩と歩を伸ばすのは、次に▲4五歩△同桂▲同銀という狙いがあります。

よって後手はもう少し受けに回ります。

▲5四歩に△同金なら▲4五歩△5三銀▲1五香△5五歩▲1二歩△5六歩▲1一歩成△5七歩成▲同金△6五桂▲同歩△5七角成▲5八香で、ソフトの評価値+370で先手有利。

この手順は△5四同金と受けに回った手に▲4五歩△5三銀と形を決めてから▲1五香と歩を補充する手です。

▲1五香に△同香は▲5五歩で後手の金と取られる形なので、▲1五香には△5五歩とします。

△5五歩に▲1二歩からの攻めが微妙なタイミングで、後手も桂馬と角が捌けて駒得ですが、先手もと金をを作って▲5八香と打った形はいい勝負のようです。

▲5四歩に△4五歩なら▲4六歩△同歩▲1五香△同香▲4五歩で、ソフトの評価値+689で先手有利。

この手順は、△4五歩と敵に打ちたいところに打てで手厚く受けに回ったのですが、▲4六歩△同歩とこじあけてから▲1五香と捨てて△同香に▲4五歩と攻めを継続する手です。

この展開も決して簡単ではありませんが、歩を使って攻めるという手筋で参考になります。

歩を使って戦線拡大をするのが参考になった1局でした。