形を変えて金取りに歩を打つ

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6三同金と成香を取った局面。ソフトの評価値-76で互角。

駒割りは角金と飛銀の交換でいい勝負のようです。

また玉の囲いの固さは、先手は金銀の3枚で守っていますが、後手が一段龍の形で歩を使って攻める筋が多いので先手玉は見た目ほど固くありません。

ここで先手の手番ですが、後手から△7四香と打たれる筋が気になります。

7五の角を事前に逃げれば△7四香と打つことはありませんが、中盤でぬるい手を指すと形勢を大きく損ねることがあります。

よって実戦は▲6四歩と金取りに打ちました。

実戦は▲6四歩△7三金▲6二金△7四香で、ソフトの評価値-642で後手有利。

この手順は▲6四歩に△7三金と逃げられるとまだ△7四香の筋が残っており、ここでも指し手の方針が分かりませんでした。

▲6二金と張り付いたのですが、△7四香と打たれるとやはり後手有利になりました。

この展開になると先手は攻め駒不足で形勢が悪いです。

△7四香には▲5七角と逃げて△7八香成▲同銀で、ソフトの評価値-689で後手有利と辛抱すべきでしたが、一段龍の形でこの受け方はなかなか浮かびません。

▲6四歩では▲6四桂がありました。ソフトの評価値-48で互角。

この手の▲6四桂は銀取りですが、ぱっと見でどの程度の厳しさがあるのかが分かりにくい手です。

▲6四桂に対して△8三銀と逃げる手と△7四香と攻め合いにでる手が気になります。

▲6四桂に△8三銀なら▲5二桂成△7一飛▲6四歩△7五飛▲7六歩で、ソフトの評価値-172で互角。

この手順は△8三銀と逃げるのは自然な手ですが、▲5二桂成がかなり指しにくいです。

6四の桂馬は7二の地点に利いているのですが、あえて後手玉に遠いところの▲5二桂成とするのは浮かびにくいです。

▲5二桂成は飛車取りですが、△7一飛と逃げた手が手順に角取りになっているので先手が失敗したかに見えますが、このタイミングで▲6四歩と金取りに打ちます。

やはりこのような将棋はどこかで▲6四歩と金取りに打つのが筋ですが、ちょっとした形の違いでどのタイミングで打つかが変わってくるようです。

▲6四歩に△7五飛と角を取りますが、そこで▲7六歩と飛車取りに歩を打ってどうかという展開になります。

▲7六歩と打った時に後手から寄せがあればそれまでですが、なければまだいい勝負のようです。

▲6四桂に△7四香なら▲7二桂成△同玉▲6四歩△7三金▲6三銀△同銀▲同歩成△同玉▲6四歩で、ソフトの評価値+50で互角。

この手順は△7四香に対して▲7二桂成と守りの銀を取るのは思ったより効果がある手で、以下△同玉に▲6四歩とやはり金取りに歩を打ちます。

さすがに後手は金駒を2枚も渡すわけにはいかないので△7三金と逃げますが、▲6三銀から攻めを継続すると後手玉の守りがかなり薄くなりますので、実戦的には後手はこの手順は選べない感じです。

そのような意味で▲6四桂は意外と厳しかったようです。

形を変えて金取りに歩を打つのが参考になった1局でした。