自陣に飛車を打たれたときの指し方


上図は、後手横歩取り△2三歩型からの進展で△2九飛と打った局面。ソフトの評価値-109で互角。

後手の横歩取り△2三歩型に先手は飛車と金の交換する展開で、昭和の一時期流行った形です。

最近のプロの先生の将棋ではほとんど見ることはありませんが、横歩取り△2三歩型で△2五角と打った時には▲3二飛成でなく▲3六飛の方が多いイメージです。

飛車と金を交換する形は、先手が駒が前進するとどうしても相手に飛車を打たれる展開になりやすいです。

先手玉はそんなに守りが強くない状態で、後手は2九の飛車と1二の角と持ち駒の銀で先手玉を攻める形で、△1九飛成や△8九飛成など駒を補充する筋もあります。

これらを見ると後手の攻めは相当厳しく感じます。

それに対して先手の攻めは、角金銀と歩が数枚で直接的に後手玉を攻めるというのは難しそうです。

先手は次の指し手が難しいです。

実戦は▲3九金打△1九飛成▲2七角だったのですがそこで変化手順で△2八銀なら、ソフトの評価値-424で後手有利。

この手順は▲3九金打とはじいて、△1九飛成に▲2七角が▲6三角成と▲2八銀で龍を取る狙いで先手がうまく切り返したと思っていたのですが、△2八銀という手がありました。

△2八銀は▲2八銀を防ぐと同時に▲2八同金上なら△8九龍で、ソフトの評価値-499で後手有利。

△8九龍に▲7九金が気になりますが、△6七角成▲同玉△7九龍があります。

△2八銀は難しい手なので簡単には指せませんが、このような手があることを知ったのは今後似たような筋で役立ちそうです。

▲3九金打はソフトの候補手になかった手なので、あまりいい手ではなかったようです。

▲3九金打では▲6六角がありました。ソフトの評価値-293で互角。

この手順は▲6六角と打って次に▲3三角成が狙いですが、ぱっと見はそんなに厳しそうな手には見えません。

▲3三角に対して後手は色々な手がありそうです。

▲6六角に△4九飛成なら▲3三角成△4二銀▲4八金打で、ソフトの評価値+1006で先手優勢。

この手順は△4九飛成▲3三角成に△4二銀とはじいて、馬取りと△3八龍の狙いが後手がうまくやったようでも▲4八金打と受ける手があり、後手は持ち駒の銀を使ったので△5九銀と打てずに後手失敗です。

▲6六角に△8九飛成なら▲7九金打△9九龍▲3三角成△4二銀▲1一馬で、ソフトの評価値+1399で先手優勢。

この手順は△8九飛成には▲7九金打とすれば意外と先手玉はしっかりしており、△9九龍には▲3三角成~▲1一馬で先手優勢です。

やはり後手は▲3三角成を受ける必要があるようです。

▲6六角に△3二飛なら▲3九金打△1九飛成▲3四歩△同角▲2一銀で、ソフトの評価値-70で互角。

この手順は△3二飛と持ち駒の銀は温存して受けに回る手で、これに対しては▲3九金打と受けて△1九飛成に▲3四歩~▲2一銀が鋭いです。

▲2一銀に△3一飛なら▲3二歩△2一飛▲3三角成が王手角取りという狙いです。

まだ形勢は互角ですが、後手の持ち駒に銀がある場合は受けるというのが興味深いです。

▲3三角に△4二玉なら▲3四銀△3二銀▲2三歩で、ソフトの評価値+1022で先手優勢。

この手順は△4二玉と玉で受けるのは先手の攻め駒に近い意味があり、▲3四銀~▲2三歩で先手優勢のようです。

ソフトは▲3三角に△4二銀を推奨していました。

▲3三角△4二銀▲3四歩△同角▲3五銀で、ソフトの評価値+99で互角。

この手順は△4二銀と打つ手で、後手は銀を使った攻めがなくなったので先手は少しほっとします。

△4二銀には▲3四歩の突き捨てから▲3五銀と打つのが筋のようです。

3筋の歩を切ると▲3四歩や▲3九歩のような使い方ができ幅が広がります。

この局面もまだ互角なのでこれからですが、▲3五銀以下△3六歩▲3四銀△3七歩成▲同金△7四桂で、ソフトの評価値-20で互角。

先手は自陣に飛車を打たれた形で、バランスをとって指すのは結構難しいです。

自陣に飛車を打たれたときの指し方が参考になった1局でした。