踏み込んで1手勝ちを目指す

上図は、角換わりからの進展で△6六歩と歩を取った局面。ソフトの評価値+1375で先手優勢。

対局中は△6六歩と取り込んだ手がどの程度厳しいのか分かっていませんでした。

次に△6七歩成▲同金右△9九角成とされると少しうるさいと思って▲7七銀と引いたのですが、これはあまりよくなかったようです。

▲7七銀に変化手順で△6四角打で、ソフトの評価値+779で先手有利。

この手順は▲7七銀と手堅く受けて自玉を安全にしたつもりだったのですが、△6四角打と自陣に角を打つ手がありました。

△6四角打は△4二金のような受けを含みにしており、△1九角成から粘りにでる手です。

6四の地点に駒を埋めれば▲6四歩のような叩きの歩が打てません。

また6四の角がいなければ▲4二金とか▲4一銀の手がありますが、6四に角がいると▲4二金には△同金、▲4一銀には△4二金があります。

後手の8一の飛車と6四の角の絶妙な配置で、先手も直ぐに厳しい手が指せないようです。

▲7七銀と△6四角打の手の交換はだいぶ後手が得をしたようです。

まだ先手有利のようですが、1手甘い手を指すと形勢が少しもつれてくるという典型的な例です。

手堅く指したつもりでも相手の手の方の価値が高いと形勢が縮まってくるので、将棋は難しいです。

▲7七銀では▲4一銀がありました。

▲4一銀△6七桂▲8八玉△5九桂成で、ソフトの評価値+1512で先手優勢。

この手順は▲4一銀と攻め合いにでる手で、後手は部分的な受けがありません。

▲4一銀に△6一角のような手では手数が伸びるかもしれませんが、先手に怖いところがなくなります。

後手は△6七桂と打つのが盲点で、▲8八玉に△5九桂成と勝負手を放ちます。

後手の次の狙いは△6七歩成で、△5九桂成に▲同金としても△6七歩成があります。

この局面が興味深いのは、最初の局面図で▲7七銀と引いて安全に指したつもりよりも、△5九桂成としてぱっと見先手玉が危険になったと思った形の方が先手の評価値が高いことです。

△5九桂成に先手の手番というのが大きいようです。

△5九桂成以下▲5二銀成△同銀▲7二金△同玉▲5二龍△6二銀▲6三銀△8三玉▲6二龍△6七歩成▲9八玉で、ソフトの評価値+5000で先手勝勢。

この手順は▲5二銀成~▲7二金で決めにいく手で、一間龍の形にするのが急所のようです。

▲5二龍に△6二歩と打てないのがつらく、△6二銀と金駒を使いますが▲6三銀~▲6二龍で寄せにいきます。

△6七歩成の開き王手には▲9八玉としましたが、指し手の精度でいえば▲9七玉の方がよかったようです。

▲9八玉に△9三玉として▲7四銀成に△8八金としても▲9七玉で先手玉は詰みませんが、△8七金▲同金△8八角打から王手で追い回す手があって少し怖い形でした。

▲9八玉以下△9三玉▲7四銀成に△8八金▲9七玉△8七金▲同金△8八角打▲同金△同角成▲同玉△8六飛▲8七歩△同飛成▲同玉△7八銀▲8六玉△8五歩▲7五玉△6五金▲同龍△同桂▲8三金まで詰みです。

この手順も結果的に6二の龍がいたので先手玉は詰まなかったのですが、△8八金のような筋があるので▲9八玉では▲9七玉の方が安全でした。

これらの将棋を見ても分かるように、優勢な局面でもどこかで踏み込んで指して最後は1手違いになるようです。

簡単ではありませんが、このあたりの見極めをうまくできるようにしたいです。

踏み込んで1手勝ちを目指すのが参考になった1局でした。