安い駒を使って大駒の利きを止める


上図は、相居飛車で後手雁木から△7六飛と歩を取った局面。ソフトの評価値-78で互角。

後手が8六の飛車が△7六歩と横歩を取った形で、次に3六飛が狙いです。

△3六飛とされては先手は勝負所がなくなりますので、それを受ける手になります。

対局中は先手の2六の銀と1八の飛車の組み合わせが悪くがあまり冴えないと思っていましたが、まだこの局面は互角だったようです。

このような局面で変な手を指すと急におかしくなるのが将棋の難しいところです。

実戦は△7六飛以下▲5六角で以下変化手順で△3四歩▲2六銀△5五歩で、ソフトの評価値-1283で後手優勢。

この手順の▲5六角は△3六飛を消すと同時に▲8二歩を狙った手でまだ耐えていると思っていましたが△3四歩がありました。

浮いている銀に働きかける手で銀取りなので▲2六銀と引きますが、そこで△5五歩がありました。

△3四歩という手は先手からするとうっかりしやすい手で、3五の銀のままだと将来攻め駒として活用する機会があるかもしれませんが、▲2六銀となると遊び駒になります。

▲2六銀に△5五歩が継続手で、▲6五角なら△2六飛で銀をぼろっと取られます。

△5五歩には▲8七銀としますが、△7七飛成▲同金△5六歩で、ソフトの評価値-1337で後手優勢。

この手順は飛車と角桂の2枚替えで先手が駒損で勝てない形です。

形勢が互角だったのが数手で後手優勢になるので、このあたりは気をつけないといけなかったです。

なお▲5六角では▲6六角とすれば将来△5五歩が角取りにならず、△3六飛も防げるのでいいようにも思えますが△6六同飛▲同歩△3四歩▲2六銀△2七角で、ソフトの評価値-624で後手有利。

この手順はあっさりと△6六同飛とするのがいいようで、▲同歩に△3四歩が価値の高い手のようです。

▲2六銀と逃げた手に△2七角と飛車取りに打って後手有利のようです。

どちらの展開にしろ2六の銀の働きが悪すぎて全く形になっていません。

▲5六角では▲4六歩がありました。ソフトの評価値-91で互角。

この▲4六歩は気がつきにくい手で、安い駒で相手の飛車と角の利きを止める手です。

3五に銀がいるおかげでこの手があるのですが、読みが入ってないと指せないです。

具体的には2六の銀のまま飛車で取られても、先手の持ち駒に角があれば▲1五角の切り返しがあると知っていないと指せないです。

▲4六歩に△3四歩なら▲2六銀△4六飛▲4七歩△2六飛▲1五角で、ソフトの評価値-70で互角。

この手順は銀を取られても▲1五角の王手飛車で切り返す手ですが、水面下でこの手がありました。

厳密には△2六飛で△3六飛があり後手がいいようですが、△3四歩には▲8七銀とするのがいいようです。

▲8七銀に△7七飛成▲同金△3五歩なら飛車と銀桂の交換の2枚替えですが、これは先手も飛車をもって▲8二歩のような手もあるので先手も戦えます。

よって△3四歩▲8七銀△7四飛▲2六銀で、ソフトの評価値-28で互角。

このような形になると後手の飛車と角の働きが一時的に落ちついたので、先手も2六の銀と1八の飛車の立て直しができそうです。

安い駒を使って大駒の利きを止めるのが参考になった1局でした。