上部を手厚くして指す

上図は、角換わりからの進展で△3五歩と突いた局面。ソフトの評価値+317で先手有利。

△3五歩はどこかであるかと思っていましたが、実戦的に嫌な筋で先手玉が4八にいるので玉のコビンを攻められる形になるとうるさいです。

先手陣は1段飛車のバランス型で、後手の持ち駒に角があるのでどこかで受け損なうと崩壊してしまう可能性があり神経を使います。

対局中は先手が少し指しづらいのかと思っていましたが、この局面が先手有利だったのは意外でした。

実戦は△3五歩以下▲8三銀△5二飛▲7四銀成△3六歩▲同銀△6二金で、ソフトの評価値+175で互角。

この手順は▲8三銀と飛車取りで後手の飛車の働きを抑える手です。

先手としては後手の飛車が直通していると、将来△5四角や△6五角で8七の地点が狙われやすいです。

後手に飛車を成られるのは先手玉が薄いのでできれば避けたいです。

そのような意味で▲8三銀と打ったのですが、以下の進行で7四の成銀と3六の銀と5六の角がややまとまりのない形です。

後手の飛車を一時的に止めたとはいえ、先手陣はまとめづらいです。

また7四の成銀はいまひとつ働いていませんし、3六の銀も浮いており狙われやすいです。

形勢は互角のようですが、先手は指しこなすのが少し大変です。

▲8三銀では▲3五同歩がありました。

▲3五同歩に△5四角なら▲4五銀△8七角成▲8三銀で、ソフトの評価値+1073で先手優勢。

この手順の▲3五同歩は堂々とした手ですが、△5四角に▲4五銀がありました。

上部を手厚くする手で、将来▲3四歩のような攻め味もあります。

△8七角成は狙いの手ですが、この場合は▲8三銀がありました。

5六の角が8三の地点に利いているので飛車を抑えて▲8七金が狙いです。

この▲8三銀では▲8三歩も見えるのですが、△7二飛▲8七金△7八飛成があります。

これでも先手有利のようですが、飛車を成らせるのはできれば避けたいので▲8三銀が手厚いようです。

▲3五同歩に△5四角は少し無理のようです。

▲3五同歩に△5五金なら▲7四角△7二金▲6六銀△7三金▲9六角で、ソフトの評価値+381で先手有利。

この手順の△5五金も嫌な手で、▲7四角に△7二金とします。

▲6六銀は中央で働いている5五の金に働きかける手で、盤上から金を消したい意向です。

以下△7三金に▲9六角でどうかという形です。

先手は自陣角の筋違い角なので活用しづらいですが、これで1局のようです。

上部を手厚くして指すのが参考になった1局でした。

力をためる手を指してバランスをとる

上図は、角換わりからの進展で△2二歩と打った局面。ソフトの評価値+396で先手有利。

ここまでの展開で後手の早繰銀に先手が2筋に継ぎ歩をする形で、以下8筋で銀交換から▲2四歩△2二歩とおさまりました。

よくありそうな局面ですが、ここからの先手の方針が難しいと思っていました。

この局面で驚いたのは評価値が先手有利になっていたのですが、対局時はむしろ先手の方が指しづらいのかと思っていました。

△3九銀の割打ちの銀が残っているとか、△3五歩のような先手の桂頭を狙う筋があり▲同歩なら△3六歩▲同銀に△5四角とか△6五角のような狙いです。

先手陣は守りが薄いので、後手に手を作られるとふりほどくのが大変です。

また先手から攻めるのも少しタイミングが早いようで、逆に反動がきつくなりそうです。

このような意味で先手は力をためるような手が必要だったようですが、対局時は後手からの攻めが気になって▲5六角としました。

▲5六角以下変化手順で△5五金▲7四角△7二金で、ソフトの評価値+171で互角。

この手順は▲5六角と打ってどこかで▲8三銀のような飛車取りを含みにした手ですが、△5五金と打つ手がありました。

変化手順の手で中段に打つ金なので指しにくいですが、大駒は接近戦に弱いので▲7四角に△7二金として角が狭く使いづらいです。

あまり▲5六角はぱっとしなかったようです。

▲5六角では▲7七桂がありました。

▲7七桂に△5二金▲7四歩に△3五歩なら▲同歩△3六歩▲同銀△2八金▲同飛△6九角▲4五角△7八角成▲2三銀で、ソフトの評価値+988で先手優勢。

この手順の▲7七桂ですが、桂頭は将来狙われそうなので全く考えていませんでした。

8九にいた桂馬が後手玉を攻める展開になれば理想的です。

後手は5三の地点が薄いので△5二金としましたが、▲7四歩と垂れ歩を打つのがいいようです。

先手は歩切れになるのですぐに▲7三歩成△同桂▲7四歩のような手はできませんが、いつでも含みとしてありそうです。

後手は△3五歩から暴れてくる展開で、途中の△2八金が浮かびにくいです。

先手の飛車を2段目にすることで△6九角の両取りを目指します。

△6九角に▲4五角の受けが見えづらい手で、金駒を自陣に打つのでなく中段に角を打っています。

▲4五角は△7八角成とされると△6七馬を消しているのと、▲2三銀と打った手が厳しいようです。

2筋を抑えた形に▲2三銀と金駒を打ってがりがり攻める手で、少し筋は重たいのですが先手は飛車と角がよく利いているようです。

この手順の後手の△3五歩で△7六歩なら▲6五桂△8五飛▲6六銀△7七金▲7三歩成で、ソフトの評価値+1080で先手優勢。

この手順の△7六歩は▲6五桂と跳ねてお手伝いのようですが、△8五飛と桂取りに浮いた手が▲7三歩成がやや甘くなります。

先手は▲6六銀と桂馬を守る手で▲5六銀が見えたのですが、△7七歩成▲同金△7五飛で後手に飛車を活用されます。

▲6六銀と打って△7五飛を消しているのがうまいです。

△7七金もそれなりにうるさい攻めですが、この▲7三歩成とするのが見えづらいです。

先手は7八の金は渡してもいいようで、何気に▲7三歩成は厳しいようです。

▲7三歩成に△7八金なら▲6三と△同金▲9六角△8三飛▲7二銀のようなイメージです。

指摘されればなるほどですが、少しでも取り入れたいです。

力をためる手を指してバランスをとるのが参考になった1局でした。

後手の早繰銀に対する受け方

上図は、角換わりからの進展で▲2九飛とした変化手順の局面。ソフトの評価値+145で互角。

実戦から少しかけ離れた局面ですが、知っておいた方がいいと思って調べました。

先手は1歩損ですが3四に攻めの拠点の歩があるのと、2二の銀が壁銀なのが主張です。

ここで後手の手番ですが5段目に銀を進出しているので、後手から動いてくる2つの手が気になります。

1つは▲2九飛に△8六歩です。

▲2九飛以下△8六歩▲同銀△同銀▲同歩△同飛▲4五桂で、ソフトの評価値+784で先手有利。

この手順は後手から△8六歩と動いた形です。

先手の対応で興味深いのは▲8六同銀と形を決める手で、▲8六同歩もありますが△7六歩と打たれる可能性もあります。

▲8六同銀とすることで後手の手を限定する意味があるようです。

銀交換をして△8六同飛に先手は▲4五桂と跳ねる手がありました。

この局面で驚いたのは▲4五桂でかなり先手に形勢が傾いていることです。

▲4五桂は5三の地点を狙っており、後手の飛車の位置が一時的に悪いため▲7五角のような狙いがあります。

先手は特に攻めておらず数手前に▲3五歩のジャブを入れた位ですが、相手の手を利用して気がついたら有利になっていたという展開です。

自分はつい有利になるためには自ら動いて攻めることで有利になるという認識で将棋を指していたのですが、相手の攻めの手が少し無理筋ならその手に受けの手で対応すれば有利になるようです。

相手の手を利用するという指し方を覚えてないといけないようです。

もう1つは▲2九飛に△7六歩です。

▲2九飛△7六歩▲6六銀で、ソフトの評価値+149で互角。

この手順は△7六歩と銀取りに歩を打つ手ですが、▲8八銀と▲6八銀と▲6六銀が考えられます。

自分は▲8八銀かと思っていたのですが、あまりいい手ではないようです。

1筋や9筋の端歩の突き合いをした後に先手の方針が難しいようです。

また▲6八銀と引く手は8七の地点が弱いのと、この後の指し方が難しいようです。

これらより消去法で▲6六銀がソフトの推奨手でした。

▲6六銀は相手の攻めの銀に対して守りの銀なので、昔の感覚で言えば駒の交換は攻めの方が得をするという認識ですが、この場合は少し違うようです。

先手はバランス型のの駒組みなので、7七の銀は守りだけの銀ではなさそうです。

この感覚がないと▲6六銀は浮かばないようです。

▲6六銀に△8六歩なら▲7五銀△8七歩成▲8三歩△7二飛▲8七金△7五飛▲8六金△7二飛▲5五角△6四銀▲同角△同歩▲6三銀で、ソフトの評価値+449で先手有利。

この手順は後手が少し無理っぽいようですが、▲8三歩に△同飛なら▲7四角△8二飛▲8三銀の要領です。

△7二飛~△7五飛には▲8六金~▲5五角で先手が少し指せているようです。

▲6六銀に△同銀▲同歩△8六歩▲同歩△7七歩成▲同桂△7六歩▲6五桂△7七銀▲7九金で、ソフトの評価値+706で先手有利。

この手順は後手が攻め込んできましたが、先手は受け流すような指し方で▲7九金と引いた形が意外としっかりしています。

▲7九金に△6六銀成なら▲5五角、△6六銀不成なら▲4五桂のような感じです。

▲6六銀に△6四銀なら▲1六歩△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛▲1五歩△5二玉▲5六歩で、ソフトの評価値+177で互角。

この手順は後手は銀交換をせず△6四銀と立て直す手で、以下じっくりした展開になるようです。

先手も無理に手を作るのでなく、1筋を突いたりとか▲5六歩と突いて駒組みをするようです。

後手の早繰銀に対する受け方が参考になった1局でした。

3筋の歩を突き捨てから2筋の交換

上図は、角換わりからの進展で△7五同銀と歩を取った局面。ソフトの評価値+92で互角。

角換わりは一般的に先手が指しやすいイメージがあっても、後手の方に作戦を決めるケースが多く先手はそれに対応することになりやすいです。

後手番の方の研究している展開になりやすく、先手番で角換わりを選択すると色々な戦型の対応を知っていないと指しづらいです。

何となく棋譜を見るのと実際に自分が考えて指すのは全くイメージが違っていることが多く、気がついたら指しにくい形になっていたということが多いです。

出てきそうな形を事前に研究していればいいのですが、自分が指していない将棋はあまり身が入らず実際の対局での検討がほとんどです。

局面の△7五同銀に実戦は▲2四歩と突きましたが、この手はよく見かける手でソフトの推奨手でした。

ただしソフトの候補手として▲3五歩もあったので、この機会に調べてみます。

推奨手でない手を調べてもあまり意味がないのかもしれませんが、▲3五歩を指しても後手有利にはならないようです。

△7五同銀以下▲3五歩△同歩▲2四歩△同歩▲3四歩で、ソフトの評価値+145で互角。

この手順は3筋の歩を突き捨てて▲2四歩とします。

3筋の歩を突き捨てると△3五同歩と後手の歩が伸びる形で、後手の持ち駒に桂馬が入れば△3六桂のような手があります。

また▲4八金▲2八飛型では、後手の持ち駒に銀が入ると△3九銀のような手があります。

先手陣はバランス型で薄いので、1つでも穴ができると直ぐに突破されてしまいます。

ただし、先手も攻め味がないと受けばかりでは面白みがありません。

3筋を突き捨てるのはリスクが高いのですが、後手もこの形はあまり想定していないケースもありそうです。

△2四同歩に▲3四歩と打てるのが3筋の歩を突き捨てた効果です。

▲3四歩に△同銀は▲5五角があるので、△4四銀とするか△2二銀のどちらかです。

▲3四歩に△4四銀なら▲2四飛△2三歩▲2九飛で、ソフトの評価値+127で互角。

この手順は先手は▲2九飛と1段飛車に引く形で、2筋の歩を取って引くので手の流れはいいです。

▲2九飛に△8六歩なら▲同歩△同銀▲同銀△同飛▲4五歩△5五銀▲8七歩△7六飛▲7七歩△7五飛▲5六歩で、ソフトの評価値+431で先手有利。

この手順はうまくいきすぎですが、先手は1段飛車にしているので8筋で銀交換になっても直ぐに▲8七歩と受ける必要はありません。

それが1段飛車のいいところで、▲4五歩と銀取りに突くのがいいようです。

△5五銀と浮き駒にさせて以下飛車を追ってから▲5六歩の銀取りで先手が指せているようです。

△4四銀から8筋の銀の交換は少し無理みたいなので、後手は銀交換を目指さずに指すようです。

▲3四歩に△2二銀なら▲2四飛△2三歩▲2九飛で、ソフトの評価値+131で互角。

この手順は△2二銀と引かせてから▲2四飛~▲2九飛とします。

先手は1歩損ですが、後手が壁銀になったのと3四の歩の拠点ができた形です。

ここから後手が動くのか自重するのかで展開が違ってきますので、また別の機会に調べます。

3筋の歩を突き捨てから2筋の交換が参考になった1局でした。

歩を使って攻めの拠点を作る

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△8二同玉と銀を取った局面。ソフトの評価値+788で先手有利。

先手玉は穴熊で王手がかからないので心強い形です。

攻めに専念すればいいのですが、どのように攻めを継続するかという局面です。

実戦は△8二同玉以下▲6七金△同龍▲6六桂△5六馬▲7三歩△同玉▲8一龍で、ソフトの評価値+923で先手優勢。

この手順は後手のと金を払って▲6六桂と攻めの拠点の桂馬を打つ手で、以下先手は▲8一龍と桂馬を補充して優勢になりました。

▲6六桂はソフトの候補手にもあった手で、まずまずの手だったようです。

なお△5六馬▲7三歩に指しづらいですが△同金とされると、実戦的にはまだ大変だったようです。

このあたりまでは珍しく自分の棋力以上にうまく指せている感じです。

なお最初の局面図で有力な手が2通りありました。

1つは△8二同玉に▲6一銀です。

△8二同玉▲6一銀に△7七となら▲7二銀成△同玉▲7七桂△2九龍▲7九歩で、ソフトの評価値+1141で先手優勢。

この手順は▲6一銀と相手の守りの金を攻める手で、△7七とで角を取られますが▲7二銀成~▲7七桂ですっきりします。

△2九龍に▲7九歩と底歩で受けて先手が指せているようです。

7七の桂馬が攻めにも役立ちそうです。

△8二同玉▲6一銀に△7一金なら▲4四角△6二香▲5二銀成△7八と▲7一龍△同玉▲6二角成△8二玉▲7二金△8三玉▲7五桂△同馬▲7三金打△同桂▲同金△9三玉▲7一馬まで詰みです。

この手順はうまくいきすぎですが、△7一金と引いたときに▲4四角とした手が▲7一角成の厳しい狙いがあります。

△6二香は甘い受けですが▲5二銀成が次に▲7一龍で厳しく、▲5二銀成がぬるいようでも狙いのある手でした。

もう1つは△8二同玉に▲6七金△同龍▲7五歩です。

△8二同玉に▲6七金△同龍▲7五歩で、ソフトの評価値+915で先手優勢。

この手順は実戦と同じ▲6七金ですが、△同龍に▲7五歩が浮かびにくいです。

▲7五歩に馬が逃げるのは7五の歩が攻めの拠点として残るので、▲7四桂や▲7四銀の筋が生じます。

よって▲7五歩に△同馬とします。

▲7五歩△同馬▲7六銀打△同馬▲7四桂で、ソフトの評価値+1411で先手優勢。

この手順は△7五同馬に▲7六銀打として馬と龍の両取りをする手がありました。

△同馬の瞬間に▲7四桂とする手が盲点で、▲7六同銀だと△同龍で▲7四桂は△同龍とされてしまいます。

ちょっとしたタイミングの違いで▲7四桂と打てるのが大きく、△7三玉なら▲7六銀△同龍▲8一龍が生じます。

なお▲7六銀打に△7七龍なら▲同桂△6四馬▲5一飛△7一歩▲6二金△7三金打▲7一飛成で、ソフトの評価値+2731で先手勝勢。

この手順も何気ないようですが、先手はうまく駒を活用しています。

歩を使って攻めの拠点を作るのが参考になった1局でした。

入玉模様に指して勝勢にもっていく

上図は、相居飛車の力戦型からの進展で△4九飛成と金を取った局面。ソフトの評価値+487で先手有利。

この局面はまだ大変ですが、ここで先手の手番なので少し指せているのかと思っていました。

このような先手の玉の薄い局面は流れ弾があたることもあるので、慎重にしないとやり損なうことがあります。

玉が薄い局面はやや悲観的に局面を見ることが多くなり、あまり形勢判断が正確にできません。

この局面で先手有利となっていますが、いまひとつ理解できていません。

後手は金駒3枚で囲っているのに対して、先手陣は金と銀がばらばらで裸玉に近い形です。

実戦は▲2三桂△5九龍▲5八歩で以下変化手順で△5三香▲6六玉△2二金で、ソフトの評価値-63で互角。

この手順の▲2三桂は安い駒で相手の守りの金を狙う手で、攻めるならこれしかないかと思っていましたがソフトの候補手にも入ってなかったです。

部分的には悪くない手かと思っていましたが、後手は△5九龍▲5八歩に変化手順で△5三香がありました。

5筋に玉がいるので△5三香は浮かびやすい手ですが、▲6六玉のタイミングで△2二金が浮かびにくいです。

さすがに金と桂馬の交換は避けるということで、6六に玉がいるので▲2二同馬とすることができません。

この展開になると9九の馬が攻めの活用が難しく守りのみになりそうで、攻めの迫力が半減している形です。

後手は△5八龍や△3九龍など指したい手があるのでそれまでに先手がうまい攻め筋があればいいですが、後手陣もそれなりにしっかりしています。

△4九飛成の局面では有力な手が2つありました。

1つは△4九飛成に▲3三桂です。

△4九飛成▲3三桂△で、ソフトの評価値+326で先手有利。

この▲3三桂は仮に推奨手でも指しにくい手で、相手の持ち駒に桂馬が入るといつでも桂馬で王手をする筋があります。

そのような先入観があるので読みが入ってないと指せないです。

▲3三桂に△同銀なら▲同馬△5九龍▲5八歩△5三香▲6六玉△2二銀▲3四馬△3三歩▲4五馬△4四金▲2七馬△3九龍▲6一銀で、ソフトの評価値+502で先手有利。

この手順は▲3三桂に△同銀▲同馬から後手が攻める手で、以下△2二銀と自陣に金駒を埋めます。

金駒を埋められると後手玉は簡単に寄りませんが、その分攻めの戦力が劣るので後手の攻めが少し細くなります。

先手は無理やりに攻めを継続させるのでなく、後手陣の駒の体力を計算するのも大事みたいです。

▲3三桂に△3二玉なら▲4一銀△同金▲2一角△2三玉▲4一桂成で、ソフトの評価値+988で先手優勢。

この手順は▲4一銀~▲2一角が入ると先手の攻めが継続できているようです。

もう1つは△4九飛成に▲1一馬です。

△4九飛成▲1一馬△5九龍▲6六玉△6四香▲7七玉で、ソフトの評価値+965で先手優勢。

この手順の▲1一馬は、ぬるいような手にも見えますのでかなり指しにくいです。

香車を補充したのと敵陣に馬が入ったということは分かるのですが、後手は△5九龍~△6四香と王手ラッシュできます。

△6四香に▲7七玉とした形がまだ先手玉は不安定にも見えるのですが、この局面は先手有利になったようです。

先手玉の近くには金駒1枚ですが、遠くから龍と馬が利いておりこれが意外と連携がいいようです。

また先手は8筋から入玉する含みもあり、先手は8筋に龍が利いているのも大きいです。

▲7七玉以下△2二歩▲4八銀打△5八龍▲5九香△6七香成▲同金△7八金▲6六玉△6五銀▲7五玉△6七龍▲5二香成△同玉▲8四玉で、ソフトの評価値+2707で先手勝勢。

この手順で興味深いのは先手勝勢といっても相手玉を寄せるのでなく、自玉を4段目から入玉できる形を目指しています。

自玉を入玉模様で安全な形にするというのは評価値的にもかなり価値が高いようで、将棋は攻めるだけでなく受けの手を指しても評価値は上がるようです。

このような指し方が終盤でできると手の見え方が少し幅広くなるようです。

入玉模様に指して勝勢にもっていくのが参考になった1局でした。

4筋への玉の早逃げ

上図は、相居飛車の力戦型からの進展で△5六歩と打った局面。ソフトの評価値+669で先手有利。

後手の横歩取らせに先手が横歩を取らずに▲5八玉としたため、激しい展開となりました。

この戦形は事前に研究していたのですが、相手の方もほとんどノータイムで指してこられたので少し驚きました。

あまり見ない形に誘導したつもりだったのですが、相手の方も知っているのか決断がよく気がついたらこちらの方が時間を使っていました。

1年位前の大会でも別の相手の方に全く違う将棋の見慣れない形に誘導したつもりだったのですが、相手の方も知っていたようでほとんどノータイムでこられたこともありました。

大会に参加される方は、日頃から将棋に接していると改めて思いました。

実戦は△5六歩以下▲8一飛成△5七歩成▲同玉△6九飛▲4四馬△5一歩▲9九馬△4九飛成で、ソフトの評価値+487で先手有利。

この手順の△5六歩は先手が▲5八玉型なのでありそうな手で、▲同歩なら安全なのですが利かされと思い▲8一飛成と踏み込みました。

この戦形は玉が薄くても踏み込んで指さないといけないみたいな感覚だったので、3段玉になって危険でも▲8一飛成と攻め合いの形を優先しました。

△5七歩成▲同玉△6九飛は▲4四馬とすると開き王手で9九の馬が抜かれるので指さないのかと思っていましたが、踏み込んで指されてこれも驚きました。

▲4四馬をうっかりでなく読み筋だったようで、△5一歩と底歩で打てる形がしっかりしているとの判断のようです。

以下▲9九馬△4九飛成でひと段落で先手の手番になりましたが、先手有利といえバランスがとれていたようです。

この局面が先手の手番なのと9九の馬が攻防に利いているのでなんとかなるかと思っていましたが、先手玉が薄く4九に龍がいるのでまだ大変みたいです。

対局中は▲8一飛成と踏み込んで指す1手だと思っていたのですが、▲8一飛成はソフトの候補手にも上がっていませんでした。

▲8一飛成では先手に2通りの有力な手がありました。

1つは△5六歩に▲2三桂です。

▲2三桂△2二金▲8一飛成△5一香▲1一桂成△5七歩成▲同玉△6九飛▲4八玉で、ソフトの評価値+424で先手有利。

この手順は▲2三桂と打つ手でよくある安い駒で相手の守り駒の金を攻める手です。

桂馬と金の交換は金の方が得することが多いので△2二金としますが、▲8一飛成に△5一香と香車で先受けするのが興味深いです。

△5七歩成~△5一歩もありそうですが、後からでも歩を使えるように△5一香としています。

先手の▲1一桂成は香車を補充する手ですが、そっぽに桂馬が成るので感覚的に少し指しにくいところはあります。

しかし香車を補充するのはそれなりに価値が高いようです。

後手の△5七歩成~△6九飛は狙い筋ですが、▲4八玉として4九の金を守る受け方で先手が少し指せているようです。

もう1つは△5六歩に▲6一馬です。

△5六歩に▲6一馬△5七歩成▲同玉△5一歩で、ソフトの評価値+533で先手有利。

この手順の▲6一馬は5二の金を目標にする手ですが、あまり見えていませんでした。

▲6一馬なら▲6一銀の方がいいのかと思っていましたが、△5一金と引かれると銀の活用が少し難しいようです。

5二に歩が打てるなら攻めが継続できるのですが、この瞬間は2歩になるので打てません。

よって▲6一馬で5二金を狙う形に△5七歩成~△5一歩と辛抱します。

△5一歩では△5一香として次に△6二金の開き王手みたいな狙いの手もありますが、▲4八玉と早逃げされると5二の金を守る5一の香車が負担になりそうです。

△5一歩以下▲4八玉△6九飛▲5三歩△同銀▲4五桂△8九飛成▲同飛成△同馬▲5三桂成△5六桂▲3八玉△5三金▲6二銀で、ソフトの評価値+829で先手優勢。

この手順は先手は3段玉では危険なので▲4八玉と引いて辛抱します。

▲5八玉だと△5四香のような筋があるので4筋への早逃げです。

△6九飛は▲4八玉ととがめた手ですが、▲5三歩~▲4五桂が攻めの継続手です。

後手も△8九飛成と桂馬を入手してから△5六桂と迫る形で▲3八玉と逃げますが、まだ後手の持ち駒に金駒が少ないので先手玉に即詰みはありません。

最後の▲6二銀で次に▲5一馬の狙いで先手が指せているようです。

4筋への玉の早逃げが参考になった1局でした。

将棋は最後まで油断できない

上図は、後手雁木模様に先手▲3七銀型からの進展で▲5九玉とした局面。ソフトの評価値+1929で先手優勢。

△6六飛と王手をした手に6八の玉が▲5九玉と引いた形です。

対局中は先手玉が残っているかと思っていましたが、このような局面からでもひっくり返されたことが何度もあるので油断はできません。

実戦は▲5九玉以下△3六桂▲6三成銀で、ソフトの評価値+5103で先手勝勢。

この手順の△3六桂は4八の地点を抑えた手ですが、運よく先手玉は詰めろになっていませんでした。

△3六桂に▲6三成銀が自分としては珍しくソフトの候補手と一致した手でした。

▲6三成銀に△8三玉なら▲7二成銀で、ソフトの評価値+99994で先手勝勢。

この手順は▲7二成銀以下△6三角▲同龍△同飛▲8二桂成△8四玉▲8五金まで詰みです。

また△6三同飛なら▲8四銀△同玉▲6三龍で、ソフトの評価値+5499で先手勝勢。

このように指せば、後手玉が詰めろで先手玉は詰まないので先手勝勢です。

しかし△6三同飛には▲6四銀△同玉▲5四金とか▲6五歩を考えていたので、だいぶ甘かったようです。

一番最悪な手順は△6三同飛以下▲6四銀△同玉▲6五歩△7五玉▲6三龍△7七角で、ソフトの評価値-99980で後手勝勢。

この手順は全く予想外の展開ですが、▲6五歩~▲6三龍で先手必勝かと思っていたらなんと先手玉に即詰みがありました。

この形が先手玉が以下詰みというのは驚いたのですが、3六の桂馬がよく効いているのと6三の龍が6五の歩があるので陰になっているのと、6五に歩があるため▲6八歩とできません。

これらの条件が重なると先手玉が詰み筋に入るようです。

数手前に後手が△3六桂と打った手はソフトの候補手に上がってなかったのですが、このような狙いもあったようです。

△7七角に▲5八玉なら△6八金▲同銀△同角成▲同玉△7七歩成▲同玉△7六銀▲6八玉△6七銀打▲7九玉△7八銀打▲8八玉△8七銀上成まで詰みです。

また別の詰まし方で▲5八玉に△6七銀▲同玉△6六角成からでも以下詰みです。

△7七角に▲6八金なら△同角成▲同銀△6九金▲同玉△7八銀▲同玉△7七銀▲同銀△同歩成▲同玉△7六歩で、ソフトの評価値-99992で後手勝勢。

△7六歩に▲6八玉なら△7七銀▲6七玉△6六歩▲5六玉△4五金まで詰みです。

△7六歩に▲6七玉なら△6六歩▲7八玉△7七金▲8九玉△7八銀▲9八玉△8七金まで詰みです。

これらの手順は後手は△6九金~△7八銀と2枚の金駒を捨てて寄せる形なのでこの2手は難しいのですが、後は並べ詰みだったようです。

また△6六歩や△4五金のような手も、ぴったりと決まっているようです。

今振り返ると最初の局面図からの△3六桂▲6三成銀に相手の方は、△同飛なら▲8四銀△同玉▲6三龍でだめと思って△8三玉としたと思いますが、自分は△6三同飛に▲8四銀は見えてなかったので水面下では結構危なかったようです。

将棋は最後まで油断できないのが参考になった1局でした。

桂馬で形を決めずに攻める

上図は、後手雁木模様に先手▲3七銀型からの進展で△6二玉とした局面。ソフトの評価値+3210で先手勝勢。

対局中はうまく攻めれば攻めの手を繋げることができそうという認識はあったのですが、この局面で何も考えずに次の手を指しました。

実戦は△6二玉以下▲7四桂△7三玉▲3二角成△同飛▲4三龍で、ソフトの評価値+1703で先手優勢。

この手順は▲7四桂と王手をする手で、ここに桂馬を打てばなんとかなるだろういう安易な気持ちで指したのですがいまひとつだったようです。

桂馬で王手をするのは気持ちがいいのですが、△7三玉と上がった形は先手玉の攻めから少し遠ざかりました。

▲8二銀と打つ筋は残っているのですが、7四に桂馬があると駒が少し重複している感じで攻めにくい形です。

後手玉が6二の玉の形のままで先手が攻めた方が、龍や4二の銀に近いので攻めの効率がよかったようです。

慌てて桂馬を打つのでなく、少し考えてから指し手を決めた方がよかったです。

▲7四桂では▲3二角成がありました。

▲3二角成△同飛▲4三龍で、ソフトの評価値+2381で先手勝勢。

この手順は桂馬を打たずに▲3二角成△同飛▲4三龍と攻める手です。

実戦と似たような形ですが、7四に桂馬があるかないかの違いです。

自分がこの将棋でよくないのは、相手の陣地ばかりを見ていて自陣をほとんど見ていないということです。

特に相手の飛車の縦の利きを全く考えておらず、実戦は数手後に△3六飛とされて少し慌てた感じです。

△3六飛は次に△6六飛のような狙いでこの筋も見えておらず、結果的に自玉が詰み筋になることはなかったのですがそこそこ危ない形になりました。

気持ちに余裕がないのか盤面全体が見えていませんでした。

変化手順の▲4三龍に後手が手があるかどうかです。

なお▲4三龍の局面は後手玉に詰めろはかかっていません。

▲4三龍以下△7七角▲5八玉△5九金▲同金△同角成▲同玉△3九飛成▲5八玉で、ソフトの評価値+7760で先手勝勢。

この手順は後手は△5九金から飛車を成りこむ手で、先手玉に迫る形です。

△3九飛成に▲5八玉で先手玉に詰みはありません。

▲5八玉以下△7九龍▲7三銀△同玉▲7四金△6二玉▲5三銀成△7一玉▲6二角△同金▲同成銀△同玉▲6三龍△7一玉▲7二金まで詰みです。

この手順は△7九龍に▲7三銀から詰ます手ですが、▲7四桂と打っても詰みです。

▲7三銀から詰ますのは7四の地点に金駒を打って詰ます攻め方で、7五の歩の拠点をいかしています。

▲7四桂と打って詰ますより、7四の地点に金駒で抑えて攻めた方が考えやすいです。

▲7三銀と1枚金駒を捨てることになるので難易度は上がりますが、それ以降は並べ詰みです。

相手の攻めを見切って、駒がたくさん入れば寄せるという指し方です

桂馬で形を決めずに攻めるのが参考になった1局でした。

▲4六銀型をいかした指し方

上図は、後手雁木模様に先手▲3七銀型からの進展で▲4六銀とした変化手順の局面。ソフトの評価値+401で先手有利。

実戦は3七の銀を▲2六銀としたのですがソフトは▲4六銀を推奨していました。

▲4六銀は銀取りですが、△4五歩と反発する筋が気になります。

△4五歩に対抗できる手段を考えてないと▲4六銀は指せません。

▲4六銀に△4五歩なら▲3四飛△4六歩で、ソフトの評価値+468で先手有利。

この手順は△4五歩とすることで角と銀がすべて捌ける展開です。

△4六歩と銀を取った局面がポイントで、ここで正着が指せるかが大事です。

次に△4七歩成とされると、先手玉の近くにと金ができて先手陣も少し危険になります。

そのため自分だったら▲4六同歩を選択していたと思いますが以下△3二金で、ソフトの評価値+433で先手有利。

安全に指すならこの手順になりこれでも先手有利のようですが、ソフトは▲4六同歩で▲3三飛成を推奨していました。

△4六歩以下▲3三飛成△4七歩成▲7四桂△1二飛▲4四龍△8七歩▲同銀△8八角▲1五角で、ソフトの評価値+1412で先手優勢。

この手順は後手が少し甘いところもありますが、△4七歩成には▲7四桂が厳しいようです。

△1二飛に▲4四歩は見えにくい手ですが、△5五角の筋を消すとか▲4三歩成の狙いがあります。

最後の▲1五角は次に▲5三龍の両王手が狙いですが、7四の桂馬が攻めによく効いています。

▲4六銀に△4三銀なら▲3四歩△2二角▲2四歩△3二金▲2三歩成△同金▲3五銀△2四歩▲2五歩で、ソフトの評価値+569で先手有利。

この手順は△4三銀には▲3四歩~▲2四歩がうまい攻めで、これで手になっているようです。

後手は△3二金と受けに回りますが、▲3五銀~▲2五歩の局面は先手が指せているようです。

▲2五歩以下△4五歩▲2四歩△7七角成▲同銀△2二金▲2八飛△7六歩▲6六銀で、ソフトの評価値+1102で先手優勢。

この手順は▲2四歩に角交換から△2二金と辛抱する手で、以下▲2八飛が継続手になります。

次は▲2三歩成が狙いですが、△7六歩には▲6六銀がありました。

▲6六銀は△5五角の筋を消すと同時に、△8六飛なら▲9五角の王手飛車があります。

このような何気ないところですが、受け方が見えてないとこのように指せないのでこのあたりも直ぐに浮かぶようにしたいです。

最初の局面図では▲2六銀の印象が強ければそれしか浮かばない形ですが、▲4六銀と柔軟に指せるようになれば幅が広がるようです。

▲4六銀型をいかした指し方が参考になった1局でした。