上図は、横歩取りからの進展で▲2八歩と受けた局面。ソフトの評価値-615で後手有利。
▲2八歩はどこかで△2七歩成に▲同歩とすることで、▲同銀のような離れ駒ができるのを防いだ手だったですが、ここで貴重な手番が後手に回ってきました。
先手の8七の金が浮いているので何か手がありそうですが、対局中はこれといった手が浮かびませんでした。
実戦は▲2八歩以下△7三桂で、ソフトの評価値-221で互角。
この手は△7三桂として遊んでいる桂馬を活用する手ですが、ややぬるい感じでここではもう少し厳しい手がありました。
△7三桂では△8六歩がありました。ソフトの評価値-530で後手有利。

この△8六歩は金頭に歩を打つ手ですが、先手としては▲8六同金とするのは金が4段目に浮いて離れ駒になるので取りにくいです。
△8六歩に▲同金なら△8八角成▲同銀△5五角▲7八玉△2八角成で、ソフトの評価値-1209で後手優勢。
この手順は△8六歩に▲同金としたのですが、角交換から△5五角と打つと8八の銀も一瞬離れ駒になるので、この展開は後手が指しやすいです。
先手は△8六歩に対して別の受け方を考えます。
△8六歩以下▲3三角成△同銀▲8八金△8七歩成▲同金△5五角▲8五飛△2八角成▲8一飛成△2七歩成で、ソフトの評価値-716で後手有利。

この手順は▲3三角成と先手から角交換をして△同銀に▲8八金と受けるのが面白い手です。
8八の角がいなくなったので▲8八金と引くことができます。
後手は△8七歩成として▲同金に△5五角とすれば技がかかったようですが、そこで▲8五飛が切り返しの手です。
自分の場合は、この▲8五飛のような手をうっかりしやすいです。
ここで後手が△2八角成とする手が興味深いです。
普通は△9九角成とすれば先に香得になって、しかも馬が先手玉に近づくので攻め味が増すのですが先手も▲8一飛成と進み、どちらが先に攻め切るかという手の流れになりそうです。
△2八角成は後手陣にも受けが効く形にして、先手が▲8一飛成と先に桂得になっても△2七歩成がきついということだと思います。
△2七歩成~△3八と~△4九とが間に合うという感覚です。
このような指し回しは結構懐が深く、必ずしも最短距離で攻めればいいということではないみたいです。
おそらく自分なら△9九角成としそうな感じで、しっかり考えないと△2八角成は指せないです。
後手は攻め合いはリスクがありますが、馬は遠くから受けに効かせてゆっくりした手が間に合う展開にした方がいいということだと思います。
金頭に歩を叩く△8六歩が参考になった1局でした。