上図は、先後逆で角換わり腰掛銀からの進展で▲6八玉と寄った局面。ソフトの評価値-52で互角。
お互いに手待ちのような手を指したことでこのような局面になりました。
先手の▲6八玉▲4七銀型は守りの形であれば理想形なので、後手としてはここで手待ちをして先手に何か指させるというのもあったのですが、さすがに何度も手待ちをしても仕方ないと思い△6五桂と跳ねました。
実戦は▲6八玉以下△6五桂▲8八銀△7五歩▲同歩△8六歩▲同歩△同飛▲8七銀△8二飛▲8六歩で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は△6五桂と跳ねる手で、先手は銀が逃げるなら▲6六銀か▲8八銀ですが、▲6六銀としても6五の桂馬を歩で取れる形にならないので、後手としては少し安心します。
よって▲8八銀として次に▲6六歩から桂馬を取りにいく狙いです。
▲8八銀に△7五歩は手筋で▲7五同歩とされれば後手は1歩損ですが、7筋の歩を切れば将来△7七歩が生じたり、また7六に空間をあけることで将来△7六桂と打ったり△7六飛と回ることができます。
先手も△7五歩に▲6六歩と桂馬を取りにいく手はありますが、△7六歩▲6五歩△同歩で、ソフトの評価値-176で互角。
この手順は先手は桂得になりますが、8八の銀の壁銀が7六に後手の歩があるため活用しにくいです。
よって先手は▲7五同歩としたのですが、ここで後手が△8六歩から歩の交換をしたのが少し平凡すぎたようです。
普通は飛車先の歩の交換は、攻める方が持ち駒に歩を補充することができるのが大きいのですが、この場合は先手の8八の銀が▲8七銀とすることで形がほぐれるという意味があります。
銀冠に組むと駒の連結がよくなって上部が手厚くなるので、後手の攻めに対応しやすいです。
△7五歩▲同歩まではいいとして、△8六歩では△4五歩がありました。
最初の局面から▲6八玉以下△6五桂▲8八銀△7五歩▲同歩△4五歩▲同歩△5五銀で、ソフトの評価値-6で互角。

この手順は△4五歩と突き捨て▲同歩に△5五銀とする手です。
部分的な攻め筋としてこの戦型ではたまに見かける手です。
4筋を突き捨ててからの△5五銀は▲6六歩に△同銀を用意した手ですが、△5五銀に▲5六歩の銀取りは△1三角の王手があります。
以下▲5八玉は△4六銀でこれは後手の攻めが繋がります。
4筋の歩を突き捨てずに△5五銀と出ても▲5六歩で銀が取られる形です。
また△1三角と打つには△1四歩と突いていないと打てないので、このあたりは形が少し違えば成立しないことがあり要注意です。
△5五銀以下▲7七桂△9二角で、ソフトの評価値-53で互角。
この手順は先手は▲7七桂として形をほぐしにきたのですが、後手は△9二角と打って▲6五桂なら△同角として、△4七角成▲同金△3八銀の筋と△7六桂を狙う形です。
よって先手は▲6五桂とせず別の手を指すことになりますが、この方が実戦よりよかったようです。
角換わり腰掛銀の仕掛けが参考になった1局でした。