少し駒損でも踏み込んで指してみる


上図は、相早繰銀からの進展で△8五角と7六の角が引いた局面。ソフトの評価値-189で互角。

相早繰銀から△7六角と打って8七の地点を狙ったのに対して、先手が▲8六角と打って受けた形で、後手がそこで△8五角と引いて次に△7四角を歩を取る狙いです。

後手の細かい角の使い方が参考になり、先手は角を打たされた形ですが評価値は互角のようです。

お互いの銀が見合う形で動きづらい局面で先手の指し方が難しいです。

実戦は、△8五角以下▲5八玉△7四角▲3八金△4二玉▲3七桂△5二金▲2九飛△7二飛で、ソフトの評価値-149で互角。

この手順は先手は自陣の整備ということで、バランス重視の構えにしました。

一方、後手は△7四角と1歩を得してから玉を整備して△7二飛とする展開です。

後手は持ち駒に歩が3枚あるのに対して先手は歩切れです。

しかも△7二飛と回った形はいつでも△7八飛成とする狙いがあるので、先手は少し受けづらいです。

形勢は互角のようですが、先手は7筋を受ける歩がないので少し神経を使います。

またこの局面は先手からも動きづらいのであまり有効な手がありません。

局面が落ち着いても有効な手がないと少しつらいです。

▲5八玉では▲6四角がありました。

▲6四角△同歩▲7三銀で、ソフトの評価値-127で互角。

この手順は取られそうな7四の歩があるうちに▲6四角から▲7三銀と打ち込む展開です。

▲6四角とするのは角と銀の交換になるので先手が少し駒損ですが、さらに▲7三銀と打つので少し考えにくいです。

先手は持ち駒と7四の歩だけで手を作っているという感じで、攻めというよりもたれて相手の攻め駒を責めるという指し方です。

手の作り方としてはかなり重たいのですが、後手の対応が気になります。

▲7三銀に△同桂なら▲同歩成△8一飛▲5五銀左△3三銀▲7四桂△7一銀▲7七桂△7六角▲6四銀で、ソフトの評価値+144で互角。

この手順は△7三同桂に▲同歩成でと金ができますので、先手も少しやる気がでます。

角と桂馬の交換で駒損が大きいのですが、と金があるのと後手玉は2筋が壁になっています。

先手は▲5五銀左とぶつけて銀が入れば▲8二銀が狙いです。

以下後手は△3三銀や△7一銀など辛抱しますが、先手は銀や桂馬を活用していい勝負のようです。

▲7三銀に△8三飛なら▲6四銀成△7二歩▲8六歩△6三歩▲6五成銀△7六角▲7七金△6五角▲同銀で、ソフトの評価値+266で互角。

この手順は後手はと金を作らせない選択で、△8三飛から△7二歩で先手に手がないようでも▲8六歩から後手の角を攻める手がありました。

後手の角は動ける範囲が狭く接近戦に弱いため、再度、角と銀の交換で駒の損得はなくなりいい勝負のようです。

2つの展開を見るとどちらの指し手も狙いがあり、互角とはいえ指し手に躍動感があります。

少し駒損でも踏み込んで指してみるのが参考になった1局でした。