飛車を狙って指す

上図は、先後逆で▲7七桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+26で互角。

横歩取り青野流からの進展で、後手が△2六歩と打った手に▲3八銀から進んだ局面です。

▲7七桂と進むと角交換はしづらい形になり、先手だけでいうと2枚の桂馬が5三の地点に殺到すると後手としては少しまずい形になります。

後手の5三の地点はどうしても弱いので、それをどのような形で受けつつ指すかが難しいです。

また後手は△2六歩と打っており、この歩が働く展開になればいいですが、代償もなく取られるような展開になると後手は少しずつ苦しくなります。

実戦は△4四角▲2八歩△7二金▲3七銀△6二銀▲6八銀で、ソフトの評価値+92で互角。

この手順は△4四角は5三の地点を補強した手で、それに対して先手は▲2八歩と受けて△2七歩成▲同銀△2八歩のような手を消してきました。

以下お互いに金と銀を動かしてやや落ち着いた展開です。

対局中はあまり後手にとっていい展開ではないと思っていましたが、局面が少しゆっくりして後手から動くにくくなった感じがします。

先手の▲3七銀と▲6八銀で駒が安定してきたという感じで、後手としては2六の歩が活きる展開になりにくいです。

△4四角では△7四歩がありました。

△7四歩▲8五飛△4四角▲2五飛△2二銀で、ソフトの評価値-147で互角。

この手順の△7四歩は先手の飛車の可動範囲を狭くするのと、将来△7三桂と跳ねる狙いです。

ただし△7四歩は後手の飛車の可動範囲も狭くなるので、少し指しづらい手かもしれません。

先手は▲8五飛とした手に△4四角が興味深いです。

△4四角は含みの多い手で、5三の地点を補強しつつ▲3五飛を防いでいます。

また、将来△3三桂のように桂馬を活用することが可能になるのと、4四の角で2六の歩を守っているというのもあります。

先手も▲2六飛とできない形は、飛車の動ける範囲が狭いです。

△2二銀以下▲6八銀△3三桂▲2四飛△4二玉で、ソフトの評価値-129で互角。

この手順は▲6八銀に△3三桂と跳ねて先手の飛車を取りにいく手で、▲2四飛に△4二玉と寄ります。

△4二玉は▲4四飛△同歩▲6五角の両取りを受けた手です。

次に後手から△2三銀とすれば▲4四飛△同歩と進んで、飛車と角の交換になりますが後手もまずまずのようです。

後手に飛車が入れば△2七歩成▲同銀△2八飛のような手もありそうです。

また余裕があれば、1筋の歩を伸ばして端攻めというのもありそうです。

これらの指し方は先手の飛車を狙った指し方ですが、狙いをもって指すのは狙いがない指し方よりはるかによさそうです。

ただし形勢は互角というのが将棋の難しいところです。

飛車を狙って指すのが参考になった1局でした。