反省の多い将棋

上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲3二銀と打った局面。ソフトの評価値-104で互角。

将棋の早指しで相手の考えていない手に全く反応できなかったというのがありますが、本局もそんな感じで悲観的になりすぎるのはよくないというパターンです。

あきらめが良すぎるといえばそれまでですが、苦しくてももう少し粘ってみるというのは将棋で結構大事なことかと思った本局です。

将棋が強いかどうかは結局は中終盤の力が大きいので、そこを強くしないと棋力の向上は難しいようで反省の多い1局でした。

先手玉には△5八銀の詰めろがかかっているので、先手はその筋だけは消さないといけません。

▲3二銀と打った手には△同金と取るか、玉が逃げるかのどちらかですが、実戦は△同金▲同歩成△同玉▲3三銀と進みソフトの評価値+833で先手優勢。

対局中は▲3三銀には△4一玉と逃げるしかないのですが、▲6六金や▲2四銀不成で詰めろを消されて▲7三角成などの筋で後手が全くだめかと思ってしまいました。

この展開はちょっとひどいなと思って投了したのですが、ここからはどのくらい悪い局面だったかの検討です。

▲3二銀△同金▲同歩成△同玉▲3三銀△4一玉で、ソフトの評価値+1161で先手優勢。

この手順は▲3三銀に△4一玉と進んだ展開で、ここで先手の手番ですがまだ△5八銀の詰めろが残っています。

先手の方が優勢みたいですが、意外と落とし穴は多いようです。

△4一玉に▲6六金△同歩▲7三角成なら△6八銀で、ソフトの評価値-99994で後手勝勢。

この手順は▲6六金と桂馬を取って△同歩に▲7三角成とすれば飛車取りと▲3二金の詰めろですが、ここで△6八銀がありました。

△6八銀からは▲同金なら△同角成▲同玉△6七金以下詰みで、△6八銀に▲5八玉も△5七角成以下詰みです。

対局中は▲6六金△同歩▲7三角成で後手だめと思った局面が、△6八銀以下詰みだったのは気がつきませんでした。

ここが反省点の1つで、1日数問は詰将棋を解いているなら数手先のこととはいえ、この手は見えないといけませんでした。

△4一玉▲2四銀不成なら△5八銀▲6八玉△6七銀成▲同玉△5八銀▲6八玉△8六飛で、ソフトの評価値+1914で先手優勢。

この手順は▲2四銀不成として角を取って詰めろを消す手で、後手としては大駒がなくなってはどうしょうもないと思っていました。

▲2四銀不成以下指すなら△5八銀からの手順で、最後の△8六飛でどうかという展開です。

このような局面でもぱっと見で後手が足らないかと思うのですが、危険な筋が見えていないのが反省点の2つ目です。

△8六飛に▲7三角成なら△6七金▲同金△8八飛成▲5七玉△6七銀成▲同玉△5七金▲同玉△5八龍まで詰みです。

この手順はうまくいきすぎですが、先手のトン死の例で△6七銀成には▲4七玉と逃げて△4六金▲同馬△同歩▲3六玉で、ソフトの評価値+655で先手有利。

やはり思ったよりかなり難しい形勢だったようです。

随分前の大会で。詰まされたわけでもない苦しい中盤戦でこれ以上の見込みがないと思って投了したことがあったのですが、後で観戦者から「あの局面で投げるのは投げっぷりが良すぎますよ」と言われたのを思い出しました。

やはり簡単には性格や癖は変わらないようです。

反省の多い将棋だったのが参考になった1局でした。

意外な形の受け方で捌きに対抗する

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5五歩と突いた局面。ソフトの評価値+216で互角。

先手が穴熊を目指したら、後手が四間飛車の△4四銀型の急戦で仕掛けた展開です。

後手の狙いは分かりやすく、飛車と角と銀を捌きにいく展開です。

先手は角道が止まっているのと、飛車先の歩が伸びていないのでやや駒組みが遅れています。

対局中はやや先手が作戦負けかと思っていましたが、この局面が互角だったのは意外でした。

実戦は△5五歩以下▲6七金△6四歩で、ソフトの評価値+127で互角。

この手順は▲6七金はあまりいい手ではないと思っていましたが、△5六歩には▲同銀として5六の銀に紐をつける手です。

後手は△6四歩と一手ためて次に△5六歩▲同銀△5五歩を狙います。

△5六歩に取れる形を作らないとまずいので、実戦は△6四歩に▲6八銀としましたが以下△5六歩▲同金△5五銀▲同金△同角▲3七銀で、ソフトの評価値-468で後手有利。

さすがにこの展開は金と銀の交換の上、△5五角に▲3七銀と受けるようでは後手有利です。

やはり先手は受け方がどこかまずかったようです。

▲6七金では▲5五同歩がありました。

▲5五同歩△同銀▲5六歩△4六歩▲4八飛で、ソフトの評価値+113で互角。

この手順はこの戦型ではあまり見ない受け方です。

普通は、後手の銀が5段目に出て△4六歩とされるのは振り飛車に捌かれて先手が失敗というイメージですが、この局面では5八に金がいるのが少し形が違います。

△4六歩に▲4八飛と回って受けるのは全く浮かびませんでした。

▲4八飛と回らず▲4六同歩が自然ですが、△同銀▲同銀△同飛▲4七銀△4二飛▲4六歩で、ソフトの評価値-132で互角。

この手順は銀交換の後に▲4七銀と打たされる形で、以下△4二飛▲4六歩で先手は持ち駒なしに対して後手は銀と歩が2枚あって捌けた形なので、気持ち的には後手まずまずです。

ただし後手有利にまではなっていないのが将棋の難しいところです。

変化手順の△4六歩に▲4八飛も際どい受け方ですが、△4七歩成▲同金△4六歩▲3七金と辛抱します。

普通の対抗形ではこのような受け方はないのですが、将棋はちょっと形が違えば全く別の指し方があるという典型です。

▲3七金以下△2四角▲5八金で、ソフトの評価値+53で互角。

ここから先はこのような手もあるという典型ですが、後手は△2四角として▲5五歩と先手が銀を取れば△4七歩成▲同飛△同飛成▲同金△4九飛を狙います。

よってそれを受ける▲5八金で、穴熊を囲う守り駒が4筋と5筋の受けに使う展開で指しにくいですが、形にとらわれずに指すというのも形勢を悪くしないために大事なのかもしれません。

意外な形の受け方で捌きに対抗するのが参考になった1局でした。

攻めを継続する手を選ぶ

上図は、先後逆で△8五桂と跳ねた手に▲8七金寄と7七の金が逃げた局面。ソフトの評価値-600で後手有利。

駒割りは桂馬と香車の交換でいい勝負ですが、後手が攻め込んでいるので少し後手が指せているようです。

ただし次に▲6七歩とされると香車が取られる形なので、後手は攻めを継続しなければいけません。

実戦は▲8七金寄以下△1九香成▲6七歩△同香成▲同銀△2九成香で、ソフトの評価値+429で先手有利。

この手順の△1九香成は、対局中に攻めの継続手が見えなかったので仕方なく指したのですが、▲6七歩から香車を取られて逆転したようです。

△2九成香とすれば駒の損得は回復しますが、ここで先手の手番になったのが大きいようで、この手順は後手としては失敗でした。

△1九香成では△5五銀がありました。ソフトの評価値-603で後手有利。

この手の△5五銀は攻めを継続する手でただの銀ですが、▲5五同銀とすれば△6七香成▲3八飛△5七角成で、ソフトの評価値-2048で後手勝勢。

この手順は後手の理想形ですが、6七の成香と5七の馬と8五の桂馬と8一の飛車がいて持ち駒に銀があれば、攻めが途切れる心配がほとんどなくなった展開です。

よって先手は別の受け方をします。

△5五銀以下▲8二歩△同飛▲7三角△5六銀▲同銀△8三飛で、ソフトの評価値-584で後手有利。

この手順は▲8二歩と打って△同飛に▲7三角と両取りに打つ手です。

飛車が逃げると▲5五角成と銀がただで取られるので△5六銀としますが、▲同銀に△8三飛は逆に角取りに逃げる手が大事なようです。

△8三飛と先手を取ることで、簡単に先手に手番を渡さないという意味です。

後手としてまずいのは、先手に手厚く馬を作られて守りを固められたり、8五の桂馬を無条件で取られるような展開です。

8五の桂馬は飛車で守るという感じです。

△8三飛以下▲9一角成△4九銀▲7八飛△5七角成▲5九香△6八香成▲5六香△7八成香▲同玉△2八飛▲6八歩△5八銀成で、ソフトの評価値-721で後手有利。

この手順の▲9一角成はやや馬がそっぽにいきますが、香車を取ることで▲8五金△同飛▲8六香として飛車を取りにいく狙いがあります。

後手としてはその展開の前に攻めを拡大したいですが、△4九銀と下から銀を打つのが盲点で先手は飛車が横に逃げるなら▲7八飛しかありあせん。

そこで△5七角成して次の△5六馬が狙いになります。

以下▲5九香と取った香車を打って粘りますが、△6八香成から飛車を取って攻めを継続します。

このように攻めを継続する手を選ぶというのは簡単でないのですが、少し有利な局面でできるだけ本筋の手を指せるかが自分の課題の1つのようです。

攻めを継続する手を選ぶというのが参考になった1局でした。

対右玉で矢倉に囲ってじっくり指す

上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲4八玉と上がった局面。ソフトの評価値-36で互角。

先手が右玉にした展開ですが、後手がここからどのような駒組みを目指すかという局面です。

ここは後手も手が広いところですが、実戦はやや古い指し方をしました。

実戦は、△4三金左▲5六歩△3二玉で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は、先手の右玉に△4三金左から△3二玉としてやや変則的な構えですが、後手の指し手だけだと△2二銀~△3三桂~△8一飛~△1二香~△1一飛と地下鉄飛車にして△1五歩と1筋を逆襲する狙いです。

この展開も簡単ではありませんが、右玉側にも対策があるのか最近はあまりこの進行は見ません。

手数がかかるため、その間に先手はまた玉を6筋から8筋に移動すると、1筋を逆襲する展開にはなりにくいということだと思います。

△4三金左では△3一玉がありました。

△3一玉▲3八玉△5四銀▲4八金△2二玉で、ソフトの評価値-75で互角。

この手順は、後手は△2二玉と矢倉囲いに入城する展開です。

実戦の手順より後手玉はしっかりした囲いで、玉の囲いだけで言えば△4二金右や△4三銀や△1二香から△1一玉の穴熊を目指すなどの含みがあります。

△2二玉以下▲5六歩△6二金▲6六銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛で、ソフトの評価値-86で互角。

この手順は先手は7七の銀を▲6六銀と活用する手で、この戦型だとよく見られる形です。

後手は△6二金型にして先手の角の打ち込みスペースを消してから8筋の歩の交換をします。

対右玉で自分が毎回うっかりしやすいのは、飛車先の歩の交換をなぜか考えていないということです。

飛車先の歩の交換は自然なのですが、以前似たような局面で飛車先の歩を交換して逆用されてひどい目にあったというのが頭の中にあるからだと思っています。

将棋はちょっと形が違うとまったく指し方が違うということがありますが、飛車先の歩を交換した瞬間に先手からの角の打ち込みがあるかは常に気になる筋です。

本局ではありませんが、▲7一角とか▲5一角とか▲4一角とか▲6四角とか▲9七角とかで、飛車が浮いてやや不安定なときに技がかかりやすいです。

角の打ち込みがなければ▲8七歩△8一飛と穏やかな展開になります。

△8一飛に▲5五銀なら、△同銀▲同歩△6五桂▲6六歩△3五歩で、ソフトの評価値-157で互角。

この手順の▲5五銀はソフトの候補手にはない手ですがこの戦型ならたまに出る手で、銀交換をして▲6三銀△同金▲7二角のような狙いです。

銀交換をして後手は△6五桂と跳ねるのが盲点で、このような手も自分はうっかりしやすいです。

△6五桂に▲6三銀なら△同金▲7二角△9三角▲6八金△5七銀▲同金右△同桂成▲同金△同角成▲4八銀△8七飛成▲5七銀△6二金で、ソフトの評価値-2242で後手勝勢。

この手順はうまくいきすぎですが、△6五桂の▲6三銀の筋はさすがに無理で、△同金▲7二角に△9三角が盲点で、5七の地点に狙いを定めれば後手が指せそうです。

ただしこの後手の手順は、早指しの実戦では簡単には浮かびません。

よって△6五桂に▲6六歩なら△3五歩で、▲同歩なら△3六歩▲同銀△5六角が狙いです。

対右玉で矢倉に囲ってじっくり指すのが参考になった1局でした。

飛車を狙って指す

上図は、先後逆で▲7七桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+26で互角。

横歩取り青野流からの進展で、後手が△2六歩と打った手に▲3八銀から進んだ局面です。

▲7七桂と進むと角交換はしづらい形になり、先手だけでいうと2枚の桂馬が5三の地点に殺到すると後手としては少しまずい形になります。

後手の5三の地点はどうしても弱いので、それをどのような形で受けつつ指すかが難しいです。

また後手は△2六歩と打っており、この歩が働く展開になればいいですが、代償もなく取られるような展開になると後手は少しずつ苦しくなります。

実戦は△4四角▲2八歩△7二金▲3七銀△6二銀▲6八銀で、ソフトの評価値+92で互角。

この手順は△4四角は5三の地点を補強した手で、それに対して先手は▲2八歩と受けて△2七歩成▲同銀△2八歩のような手を消してきました。

以下お互いに金と銀を動かしてやや落ち着いた展開です。

対局中はあまり後手にとっていい展開ではないと思っていましたが、局面が少しゆっくりして後手から動くにくくなった感じがします。

先手の▲3七銀と▲6八銀で駒が安定してきたという感じで、後手としては2六の歩が活きる展開になりにくいです。

△4四角では△7四歩がありました。

△7四歩▲8五飛△4四角▲2五飛△2二銀で、ソフトの評価値-147で互角。

この手順の△7四歩は先手の飛車の可動範囲を狭くするのと、将来△7三桂と跳ねる狙いです。

ただし△7四歩は後手の飛車の可動範囲も狭くなるので、少し指しづらい手かもしれません。

先手は▲8五飛とした手に△4四角が興味深いです。

△4四角は含みの多い手で、5三の地点を補強しつつ▲3五飛を防いでいます。

また、将来△3三桂のように桂馬を活用することが可能になるのと、4四の角で2六の歩を守っているというのもあります。

先手も▲2六飛とできない形は、飛車の動ける範囲が狭いです。

△2二銀以下▲6八銀△3三桂▲2四飛△4二玉で、ソフトの評価値-129で互角。

この手順は▲6八銀に△3三桂と跳ねて先手の飛車を取りにいく手で、▲2四飛に△4二玉と寄ります。

△4二玉は▲4四飛△同歩▲6五角の両取りを受けた手です。

次に後手から△2三銀とすれば▲4四飛△同歩と進んで、飛車と角の交換になりますが後手もまずまずのようです。

後手に飛車が入れば△2七歩成▲同銀△2八飛のような手もありそうです。

また余裕があれば、1筋の歩を伸ばして端攻めというのもありそうです。

これらの指し方は先手の飛車を狙った指し方ですが、狙いをもって指すのは狙いがない指し方よりはるかによさそうです。

ただし形勢は互角というのが将棋の難しいところです。

飛車を狙って指すのが参考になった1局でした。

横歩取りで角と桂馬をうまく使う

上図は、後手横歩取り△8四飛型からの進展で▲8二飛と打った局面。ソフトの評価値-619で後手有利。

対局中は、先手の8七の金がやや浮いた形なので、ここで後手に何かうまい手があれば有利になりそうな気がしていましたが、この局面がすでに後手有利だったのは気がつきませんでした。

実戦は、3三の桂馬を活用して2枚の桂馬で先手玉を攻めたいと思い△3七歩としました。

実戦は▲8二飛以下△3七歩▲同銀△8八角成▲同金△3三桂で、ソフトの評価値+217で互角。

この手順は△3七歩と味付けしてからら角交換をして△3三桂と跳ねたのですが、あまり効果のない指し方だったようです。

▲3七銀型は△4五桂と跳ねたら一時的に銀取りにはなりますが、▲4六銀と上がると桂取りの催促をされて忙しくなります。

そのときに後手からうまい手があればいいですが、なければ△3七歩からの指し方がまずいということです。

また後手の△5二玉型に先手の飛車が2段目にあると▲7一角とする攻めの方がうるさいようで、いつでも先手から▲6二角成△同金▲7一銀といった千日手模様のような指し方も選択できそうです。

後手としては飛車を先着されているので、受けに神経を使います。

△3七歩では△6五桂がありました。

▲8二飛以下△6五桂▲3四歩△8八角成▲同金△6四角で、ソフトの評価値-446で後手有利。

この手順の△6五桂は単騎の桂馬の跳ねですが、これで手になるのかが気になります。

△6五桂に▲6六歩と桂馬を取りにくる手が気になりますが、△5五角▲8一飛成△5七桂成▲同玉△2八角成で、ソフトの評価値-1286で後手優勢。

この手順は△5五角と出れば飛車取りになるのが大きく、▲8一飛成には△5七桂成と桂馬を捨ててから△2八角成が大きいです。

△5七桂成とすれば先手から5筋に歩を使えるので後手も神経をつかいますが、先手玉が3段玉になると不安定です。

よって△6五桂には▲3四歩と突いて以下角交換になるのですが、以下△6四角が攻防の角でうまい手です。

△6四角以下▲8一飛成△2八角成▲8四角△1九馬で、ソフトの評価値-776で後手有利。

この手順は▲8一飛成に△2八角成が大きい手ですが、▲8四角も後手にとって嫌な手です。

いつでも▲6二角成とされる手があり、△6二同玉なら先手の龍に近い形で危険ですし、△6二同金も▲4一銀のような手があります。

また3四に歩があるため、3三からの脱出ができないのも気になります。

▲8四角には△9一角成と香車を補充して、遠くから馬を守りに利かせるのが大きいようです。

△9一角成に▲3七桂なら△6一香で、ソフトの評価値-789で後手有利。

この手順は▲3七桂として馬の利きを止めたのですが、△6一香と取った香車を下段に打って受ける形で、これで後手が少し指せているようです。

横歩取りは角と桂馬をうまく組み合わせて使うのが大事なようで、本局でいえば△6五桂と跳ねて△6四角と打つような形です。

横歩取りで角と桂馬をうまく使うのが参考になった1局でした。

受けるべきところは受ける

上図は、相掛かりからの進展で▲6四馬と銀を取った手に△同玉とした局面。ソフトの評価値-151で互角。

駒割りは、角香と銀の交換で先手が少し駒損ですが、後手玉が4段玉でやや不安定なのでいい勝負のようです。

先手の狙い筋として▲5三銀と打つ手がありますが、現状は後手から次に△7八香成と金を取る手があります。

このような局面で攻めるか受けるかというときに、だいたい自分は攻めに出ることが多いです。

▲5三銀と打っても少し戦力が足らないような気はしていましたが、簡単には棋風というか癖は変わりません。

実戦は、▲5三銀△同金▲同歩成△7八香成▲6三桂成△7五玉▲2五飛△3五桂で、ソフトの評価値-1206で後手優勢。

この手順は▲5三銀から金を取って攻める手ですが、後手も△7八香成と金を取ります。

△7八香成としても先手玉に即詰みはないので、▲6三桂成から▲2五飛としましたが、△3五桂の捨て合いが気がつきませんでした。

この△3五桂は今度は何気なく先手玉に詰めろになっていて、▲8七銀とすると△6九角▲4八玉△4七角成▲3九玉△4八銀▲2八玉△3九角▲同金△同銀不成▲1七玉△2七金▲同飛△同桂成▲同玉△2九飛▲1七玉△2八飛成までで詰みです。

△3五桂に▲同歩とすれば先手玉の詰めろは消えますが、△8八成香とすれば後手玉の入玉の抑えの駒がなくなるので先手は勝てません。

実戦は△3五桂に▲7六歩として以下入玉だけは防ぎましたが、戦力が少なく先手が足らないようです。

やはりぼろっと△7八香成と金を取られるという手だけは、受けないといけなかったようです。

▲5三銀では▲7五歩がありました。ソフトの評価値-224で互角。

この手の▲7五歩は金取りを受ける手ですが、単に受けるのでなく▲7五歩と叩く手です。

金取りを受けるだけなら▲7七歩はありますが、この場合は△5三歩とされて▲5三銀の攻め味がなくなります。

中盤から終盤にかけてはただ受けるのでなく、できるだけ色々な手の可能性を残して指すのが大事なようです。

▲7五歩以下△同香▲7六歩△同香▲7七歩△8九角▲7九金△9八角成▲5三銀△同金▲同歩成△同玉▲8九金打で、ソフトの評価値-137で互角。

この手順は先手は歩は多く損しますが香車を取りにいく手で、少しでも駒損を回復して局面を複雑にする手です。

後手は△8九角からもたれる指し方ですが、▲5三銀から後手玉を薄くして▲8九金打として馬を取りにいきます。

たしかにこのような手順を見ると先手は辛抱して粘り強く指して、後手から見たら分かりやすい局面にしないということが大事みたいです。

後手の馬を金駒で取れる形というのはややうますぎですが、先手玉も5筋の玉頭はやや手薄なので結構難しそうです。

受けるべきところは受けるというのが参考になった1局でした。

寄せの大駒を切るタイミング

上図は、角換わりからの進展で▲6三歩と王手に歩を打った手に△7二玉と逃げた局面。ソフトの評価値+1576で先手優勢。

駒割りは金と桂馬の交換で先手が駒得で、後手玉が薄く先手が攻めているので先手が指せているようです。

ここからどうやって後手玉に迫るかという局面ですが、ここでは色々な手がありそうです。

実戦は△7二玉以下▲4四飛△同銀▲2一角成△同飛で、ソフトの評価値+973で先手優勢。

この手順は大駒2枚を切って形を決める展開ですが、この攻めで手が続くならこの指し方もありそうですが、大駒を渡すというのは自玉にも後々響いてきますので、ややリスクの高い指し方です。

本来大駒を切るというのは、寄せの最終段階で大駒を切ることで以下相手玉が即詰みというのが理想です。

実戦の手順だと5五の銀に持ち駒の金と銀と桂馬の攻めでやや細いので、もう少し手厚い展開にしたいです。

先手は2枚の大駒を慌てて切る必要がなければ、もう少し確実な手で後手玉に迫った方がリスクが少ないです。

▲4四飛では▲6四銀がありました。ソフトの評価値+1517で先手優勢。

この手順は▲6四銀と出る手ですが、次に▲7三金からの詰めろになっています。

▲6四銀以下△6六香▲7九玉△8二角▲6二歩成で、ソフトの評価値+6605で先手勝勢。

この手順は△6六香と打つ手で、歩の合駒ができないので一瞬玉をどこに移動するか迷いますが、▲7九玉が冷静なようです。

▲7九玉に△8二角が遠くから銀取りでかつ▲7三金に△同角を用意して少し先手もはっとしますが、そこで▲6二歩成がうまいです。

▲6二歩成に△同玉なら▲4四飛△同銀▲6三銀打△5一玉▲5二金で詰みです。

よって▲6二歩成に△8三玉と逃げても▲4四飛△同銀▲7二銀△8四玉▲8三金△8五玉▲7七桂△7六玉▲6五銀で詰みです。

この▲6四銀という手は見た目以上に厳しいようで、▲6二歩成とする手や4四の銀が質駒なのでいつでもいいタイミングで▲4四飛とすることが可能です。

▲6四銀△6六香▲7九玉△8三飛▲2六飛で、ソフトの評価値+1720で先手優勢。

この手順は△6六香から△8三飛と受ける展開ですが、そこで▲2六飛と逃げるのが平凡ながら確実のようです。

▲2六飛では、▲4四飛や▲2三飛成や▲2三角成や▲2一角成など厳しく指す手もありそうですが、後手玉の寄せがまだはっきりしない段階では慌てて攻めにいくと反動がきつくなる可能性があります。

こういうのは頭の中では分かっているつもりでも、実戦は寄り筋が見えたら少しでも早く寄せにいきたいという気持ちもあり、このあたりが自分の中では意外と難しいです。

ぎりぎりまで確実な手でためる指し方をして、確実になったら寄せにいくというのが間違いが少ないみたいです。

寄せの大駒を切るタイミングが参考になった1局でした。

苦しい局面で手待ちをして辛抱する

上図は、相早繰銀からの進展で△8五桂と跳ねた局面。ソフトの評価値-223で互角。

この局面は後手は持ち駒に歩を3枚持っているのに対して、先手は歩切れです。

また玉の安定度も後手の方が勝っています。

そのような意味で対局中はだいぶ先手が悪いのかと思っていましたが、この局面が互角だったのは意外でした。

ただし互角といっても評価値的には後手が指しやすいので、先手はどうやって互角を維持して粘るかという感じです。

先手はあまり指したい手がないのですが、いい手待ちもなさそうなので仕方なく動いていきました。

実戦は△8五桂以下▲7七桂△同桂成▲同角△5四桂▲5六桂△7六歩▲8六角△6六桂▲4四桂△同歩で、ソフトの評価値-543で後手有利。

この手順は▲7七桂として桂馬の交換を目指す手です。

桂馬を持つと△5四桂とか▲5六桂の両取りが目につき、これで互角だったら▲7七桂はまずまずだったのですが、△4四歩と桂馬を取った局面は▲6六歩とすれば駒の損得はなくても後手有利のようです。

捌き合いになるとどうしても先手の4八の玉の囲いの薄さが目立って、強い戦いができません。

この手順しか粘る手がないのであれば仕方ありませんが、▲7七桂はソフトの候補手に上がっていませんでした。

少し苦しい局面で動いていくか辛抱するかの判断は難しいです。

▲7七桂では▲4五桂がありました。

▲4五桂△6二金▲3七金△5二玉▲3八金で、ソフトの評価値-279で互角。

この手順は指摘されてもなかなか浮かびません。

▲4五桂と跳ねると3七の地点があくので、玉の懐が広くなるとう意味はありますが、▲4五桂と跳ねても相手の駒に当たらず、桂馬はバックできませんので形が決まってしまいます。

後手の△6二金から△5二玉は手待ちですが、この手順を見る限りでは後手から動いて手を作るのは難しいとソフトは考えているみたいです、

先手は▲3七金から▲3八金としてこれも手待ちで、駒が前に進んでいません。

昔の感覚だったら先手の指し手は覇気がないような手という感じですが、自ら動いて悪くなるよりは辛抱するとう感覚のようです。

実際に後手が▲3八金の局面から有利にしようとすると意外と大変なようです。

▲3八金以下△7八歩▲7七桂△同桂成▲同金△8五桂▲5六桂△7七桂成▲6四桂△同歩▲同角で、ソフトの評価値-148で互角。

この手順は△7八歩として次に△7九歩成を狙った手です。

先手は▲7七桂と跳ねて受けるしかありませが、△7八歩と打たせていることで7筋の後手の攻めが重いという意味があります。

以下桂馬の交換から△8五桂とすれば金取りになりますが、先手も▲5六桂と銀の両取りに打ちます。

△7七桂成に▲6四桂△同歩▲同角と進めば、先手の角も働いてきて将来4五の桂馬も攻めに役立ちそうです。

また先手の右玉も後手の攻め駒から遠くなっています。

このような手順を見ると、ちょっとした形の違いで形勢や局面の印象が大きく変わってきます。

局面が苦しいときに無理気味でも動くのか、じり貧覚悟でも辛抱するのかの判断は難しいですが、結局は自分の指し手と相手の指し手を考えて決めるしかなさそうです。

苦しい局面で手待ちをして辛抱するのが参考になった1局でした。

対右玉には自分から無理に動かない

上図は、先後逆で相居飛車の進展で▲5五歩と突いた局面。ソフトの評価値-15で互角。

先手は右玉に対して後手は△4三金左とする少し古い指し方で、将来1筋からの地下鉄飛車が狙いです。

自分は対右玉に対しては指し方がまずいせいかあまり勝ったことがなく、特に大会では勝った記憶がありません。

勝った記憶がないというよりも、内容が悪すぎて形にもなっていないというのが記憶に残っています。

本局の指し方にもそのような傾向がありました。

この▲5六歩に対しても直ぐに△5四歩と反応してしまいました。

実戦は▲5六歩以下△5四歩▲同歩△同銀▲6六銀△6五歩▲5七銀△6四角で、ソフトの評価値+46で互角。

この手順は5筋の位を取ってきたら△5四歩とする手です。

将棋は位を取ってきたらその瞬間は少し駒が浮いているので、その歩に動いていくという感覚です。

位を確保される前に動くということですが、相手が右玉の場合は少し勝手が違うようです。

本局でいえば△5四銀という形は7三に桂馬が跳ねているので、桂頭が少し弱い形です。

どこかで▲7五歩のような桂頭を狙う手もあるので△6四角と自陣角を打って受けたのですが、この手の組み合わせがどうだったかと思っています。

最近の将棋は自陣角を打って手を広げるというのが多いですが、対右玉に△6四角と自陣角を打っても桂頭を守る意外にあまり狙いがありません。

またどうしても角は接近戦に弱いので、相手の銀に狙われやすいです。

後手としては自分から動いて自分から少し動きにくい形になったという典型です。

形勢は互角のようですが、6四の角が使いづらいのでやや不本意な序盤です。

△5四歩では△4二金引がありました。

△4二金引▲3八玉△2二玉▲4八金△3二金で、ソフトの評価値-34で互角。

この手順は△4二金引として自陣の駒を組み替える手です。

数手前に△4三金左としたのに△4二金引とするのは全く浮びませんでしたが、以下後手は矢倉に組み替える展開です。

ここまでの手順で大事なのは、後手からは局面を動かさないとことみたいです。

じっと玉の整備をして、相手の駒組みを見るという心の余裕を持つのが大事かもしれません。

特に矢倉で△2二玉と囲った形は、先手の攻め駒に近いという見方もありますが、守りとしてはしっかりしています。

自分の場合は振り返ってみると何か手を作って動こうとする意識が強すぎて、変な駒組みになって気がついたら作戦負けというパターンだったような気がしますので、このようにゆっくり指すというのが新鮮に感じます。

△3二金に▲6六銀なら、△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛で、ソフトの評価値-132で互角。

△3二金に▲6六歩なら、△8一飛▲6八銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛▲6七銀で、ソフトの評価値-17で互角。

この手順は両方とも8筋の歩を交換して飛車を下段に下げる手ですが、後手はリスクの少ない手を指して駒組みを進める感じです。

以後手詰まりになって千日手模様になっても、無理に手を作って動くというのはやめた方がいいという感覚で、最悪千日手になっても仕方ないということです。

後手だけの指し手でいえば、△3一玉と△2二玉の繰り返しや、△8二飛と△8一飛の繰り返しです。

対右玉には自分から無理に動かないのが参考になった1局でした。