上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6七銀と打った局面。ソフトの評価値-606で後手有利。
相穴熊からの進展で△6七銀と打って張り付いた形です。
駒割りは銀と桂馬の交換ですが、後手の攻め駒が働いており先手の穴熊は攻め込まれています。
先手からは▲5二龍と金を取れる形ですが、この手はそんなに厳しい手ではありません。
先手の穴熊でこのような形で攻められることはよくあるのですが、形勢はすでに悪くどのように粘るかという場面です。
実戦は▲5二龍△7八銀成▲同金△同龍▲7九銀打△8八龍▲同銀△7八金で、ソフトの評価値-1023で後手優勢。

この手順の▲5二龍は仕方なく指したという感じで、これで寄せられたら仕方ないという感覚です。
後手は△7八銀成から先手の金駒を取って穴熊を薄くする展開で、最後の△7八金で典型的な穴熊に張り付いて攻める形です。
△7八金は先手玉の詰めろではありませんが、後手玉にもうまい詰めろがかからないので先手が苦しいです。
実戦は△7八金▲7九金△8八金▲同金△7九銀▲7八金打△8八銀成▲同金△7九銀で、ソフトの評価値-1423で後手優勢。
この手順は先手の守りの金をなくすような攻め方で、守りに金がいないと先手玉は弱体化します。
▲5二龍では▲5八歩がありました。
▲5八歩△同龍▲6九角で、ソフトの評価値-911で後手優勢。

この手順の▲5八歩は大駒は近づけて受けよの格言に沿った手で、△同龍とさせることで▲6九角が先手になります。
本来、角という駒は受け駒より攻めに使うことで持ち味がでるのですが、そのような形勢ではありません。
評価値は後手優勢で先手としては後手に2手くらい間違ってもらって互角という感じですが、あまり見慣れないような局面にして少しでも局面の急所が分かりにくいようにするしかないようです。
後手がぬるい手を指してくれば将来的に▲5二龍を間に合わせるという受け方です。
▲6九角以下△7八銀成▲同角△6七金▲6九銀△7八金▲同銀△6二金寄▲8六桂で、ソフトの評価値-1046で後手優勢。
この手順は駒の繰り替えで穴熊戦ではよく見られる手順ですが、先手はできるだけ穴熊の守り駒は多くして玉が直接攻められる形にさせないようにします。
後手は逆に先手玉が見えるような攻め方をしたいのですが、無理攻めをして攻めが頓挫するのはまずいので一度は受けに回ることになります。
最後の▲8六桂を打っても将棋は先手が苦しいのですが、一応穴熊3枚の金駒で守っているのでこれで辛抱して指すという感じです。
相穴熊は形勢の差がついたら優勢な方の玉が見えづらいので逆転はしづらい戦型ですが、あまり見慣れない形にして指して少しでも相手を迷わせるというのが大事なようです。
あまり見慣れない受け方で指すのが参考になった1局でした。