横歩取りの玉の薄い将棋の踏み込み

上図は、先後逆で横歩取り青野流からの進展で▲6六歩と突いた局面。ソフトの評価値-459で後手有利。

自分が後手番で指す横歩取り青野流では、序盤の早い段階で△2六歩と垂らす展開でこの局面に似たような形によくなります。

▲6六歩は将来▲2三歩△同金とする形が、▲6七角で飛車と金の両取りになるような含みで、うまくいけば技がかかりやすくなります。

▲6六歩とこのタイミングでついてこられたのは初めてで、最初は△1九角成と先に香車を取って駒得になるのでありがたいと思っていました。

ただし、△1九角成に▲2四飛とされたときの対応が分からず、2筋の歩を切っていれば△2三歩と打てると思って△2七歩成としました。

実戦は△2七歩成▲同銀△1九角成▲2三歩△同金▲8四飛△8三歩だったのですが、以下変化手順で▲8九飛△4五桂ならソフトの評価値-567で後手有利。

この手順は2筋の歩を成り捨てて△1九角成とする手で、先手は▲2三歩と垂らしてきました。

△2三同金に▲8四飛が、▲8一飛成と▲6七角と▲2四歩の狙いがあります。

後手は飛車取りに△8三歩と打ちましたが、確信をもって打ったのでなくとりあえず先手を取って受けたいと思いました。

△8三歩に▲同飛成なら△8二香があるので何とかなると思っていましたが、▲8九飛と引いたときは△4五桂と跳ねて▲6七角の両取りを消すような手があったようです。

多分△4五桂は実戦でも指せなかった気がします。

△4五桂以下▲6七角なら△7五飛▲7六歩△5五飛▲6八銀△2九馬▲3八金△同馬▲同銀△5四桂で、ソフトの評価値-923で後手優勢。

この手順は後手は△4五桂の後に△2九馬と桂馬を補充して、取った桂馬を△5四桂と打って攻め駒の増やして攻めるという手厚い指し方です。

横歩取りは華々しいのですが、形勢がよくなったら今度は手厚く指すこともありそのあたりの緩急ある指し方が参考になります。

△2七歩成はソフトの候補手の1つだったのですが、ソフトは△1九角成を推奨していました。

△2七歩成では△1九角成がありました。

△1九角成▲2四飛△2三香で、ソフトの評価値-390で後手有利。

この手順の△2三香ですが、取ったばかりの香車を打つのは全く見えていませんでした。

最近自分は頭の中で考えることと盤面が合っていないことが多く、ちょっとした駒の配置が違ったりして読み抜けというか全く成立しないようなことを考えていることが多いです。

特に詰将棋など十数手などの中手数を頭で考える場合はひどいです。

本局の変化手順の△2三香は受けるならこれが自然ですが、持ち駒に香車が入ったということが頭から抜けているので、このあたりは気をつけないといけないなと思いながらも対策が難しいなと思っています。

短時間では難しいですが、盤上だけでなく駒台も敵陣と自陣の両方をしっかり見ないといけないようです。

△2三香に▲8四飛なら△2七歩成▲同銀△同香成▲8一飛成△2九馬で、ソフトの評価値-526で後手有利。

この手順は△2三香と打った手が△2七歩成から銀と取る形になるのが大きく、先手も▲8一飛成で桂馬を取れますが後手が桂香得で少し指せているようです。

なお△2三香では△7四飛がソフトの推奨手でした。

△7四飛▲同飛△同歩▲2三歩△2七歩成▲2二歩成△同金▲同と△3八と▲3二と△4九と▲4二と△同玉で、ソフトの評価値-1354で後手優勢。

この手順は飛車交換から▲2三歩と垂らして以下駒の取り合いで、このようなリスクのある展開でも後手が指せているようです。

△7四飛▲2二と△2四飛▲3二と△2七歩成▲4一角△6二玉▲4二と△3八と▲8三銀△5一香で、ソフトの評価値-2001で後手勝勢。

この手順は先手は飛車を見捨ててと金を活用する手で、▲8三銀で次に▲5二金からの詰めろになりましたが、△5一香と下段に香車を打って受ける手があり後手勝勢です。

これらの手順も簡単そうで結構難しく、実戦の短い将棋で指すのは大変です。

横歩取りの玉の薄い将棋の踏み込みが参考になった1局でした。