上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△7二玉とした局面。ソフトの評価値+2682で先手勝勢。
先手が▲7一角と打った手に8二の玉が△7二玉と逃げた形です。
実戦は▲5三角引成で、ソフトの評価値+1138で先手優勢。
この▲5三角引成は▲7一馬の詰めろですが、△同金▲同角成△6二銀と打たれると▲6四馬△同金で飛車で飛車が取れてもまだ後手は粘りが利きそうです。
評価値がだいぶ下がっておりあまりいい指し手ではなさそうです。
評価値が先手勝勢ならうまくいけば寄せきれる形なので、できるだけ最善をつくしたいです。
▲5三角成では▲5二銀がありました。
▲5二銀△6五金で、ソフトの評価値+1984で先手優勢。

この手順の▲5二銀は守りの金を攻める形で、盤上に攻め駒を増やす手です。
盤上は角2枚と銀の計3枚なので攻めとしてはぎりぎりです。
ただし、次の▲6三銀成の狙いに対して後手玉は受けるスペースがなく狭いです。
よって△6五金とすることで▲6三銀成に△同玉で上部に玉が脱出する形で、後手は玉は寄せにくい形を目指します。
それでも後手が苦しいのですが、ここから先手がどのように寄せるかが気になります。
先手勝勢から先手優勢になってますが、先手勝勢に近い形の優勢なのでまずまずかと思います。
△6五金以下▲6六歩△同金▲6三銀成△同玉▲5三角上成△7四玉▲6四馬△同玉▲6一飛で、ソフトの評価値+99969で先手勝勢。

この手順は△6五歩には▲6六歩が手筋の歩で、△同金とさせることで6四の飛車と6六金の守りの連結を崩します。
1歩で相手の守りが少し崩れるのが大きく、特に金の守りが離れるので後手玉が弱体化しやすいです。
△6六同金に▲6三銀成で△同飛は▲6二金があります。
よって△6三同玉ですが▲5三角上成△7四玉▲6四馬△同玉と進みます。
後手玉は4段玉でうまくいけば上部脱出で入玉を目指すことになるのですが、ここで先手の手番なのが大きいです。
▲6一飛と王手で合駒請求させるのがいいようです。
これに対して後手は6七に歩があるので△6三歩と打てないのが痛いです。
合駒は安い駒から考えるのが多いのですが、歩が打てないと金駒か角になるので後手は受けがだんだん難しくなってきます。
この場合の評価値の999・・は、即詰みがなくても寄せがあるという表示のようです。
▲6一飛以下△6三銀▲6五歩が継続手で、△同桂なら▲5四金△同玉▲4四成銀△6四玉▲5三角成△7三玉▲6二飛成△7四玉▲6三馬まで詰みです。
この手順は△6五同桂には▲5四金と金を捨ててから▲4四成銀が鋭いです。
3四にいる成銀をこのタイミングで活用するのが味がいいです。
▲4四成銀以下は即詰みになります。
△6五同桂とさせたことで、6五の地点から上部脱出できなくなるのがうまい寄せです。
▲6五歩に△同玉なら、▲6三飛成△5六玉▲3五角成△5七銀▲6七金△同金▲同龍△同玉▲4五馬△5六金▲7八銀△6六玉▲6七歩△6五玉▲5四銀△6四玉▲6三銀成△6五玉▲6四金まで詰みです。
この手順は▲6五歩に△同玉▲6三飛成で、後手は銀損ですが上部脱出で紛れを求めます。
先手は駒得ですが玉が中段から入玉模様になると寄せが複雑になります。
△5六玉には▲3五角成が▲4六金△同歩▲同馬の詰めろなので△5七銀と受けましたが▲6七金がありました。
▲6七金~▲同龍と金と龍を捨てて寄せにいくのが強い手で、次の▲4五馬の王手が少し見えにくいです。
盤上の大駒を動かして王手をするのがうまく、△5六金には▲6七歩以下即詰みです。
このような寄せも局後の検討で分かる形ですが、これを短い時間の実戦で指しこなすというのは結構ハードルが高いです。
感覚的に寄せがありそうという場合はうまい手が潜んでいることが多く、それを直感で見つけられるかどうかが大事なようです。
銀を打って攻め駒を増やして寄せるのが参考になった1局でした。