敵の打ちたいところに先に打つ


上図は、後手角交換振り飛車からの進展で△3五同歩と歩を取った局面。ソフトの評価値+252で互角。

先手が▲3五歩と歩を突き捨てた手に△3五同歩としました。

後手から2筋の歩を伸ばしてくる筋があるので、先手は早い段階で手を作りたいです。

後手の3三の桂頭が狙い筋ですが、どのように攻めるのかという形です。

実戦は▲3八飛だったのですが変化手順で△4三銀で、ソフトの評価値+48で互角。

この手順は▲3八飛として次に▲3五飛~▲3四歩を狙った手です。

▲3八飛に変化手順ですが△4三銀と引くのが自分も少し軽視していた手で、数手前に△5四銀と上がったので△4三銀と引くのが見えていませんでした。

桂頭を補強するなら自然な手ですが、△5四銀と上がったのが△4五歩と突いて攻める形なので受けに回るのが見えていないという感じです。

△4三銀とすると▲3五飛には△3四歩と先に桂頭の受けることができるので、▲3八飛とした手は少し甘かったです。

▲3八飛では▲3四歩がありました。

▲3四歩△2五桂▲3八飛で、ソフトの評価値+321で先手有利。

この手順は先に▲3四歩と先着する手で、ここに歩を打てれば後手から△3四歩と打つ形になりません。

ちょっとした形の違いですが、△2五桂と逃げた手に▲3八飛と回ります。

これは次に▲3五飛~▲3三歩成が狙いですが、これは後手が少し受けにくい形です。

▲3四歩と打っているので△3四歩と打てず、後手は普通の受け方ではなく少しひねった受け方になります。

▲3八飛に△4二金なら▲3三角△4三金▲3五飛△2八角▲2二歩△3一飛▲2四角成で、ソフトの評価値+1141で先手優勢。

この手順の△4二金は▲3五飛なら△3二歩と2段目に歩を打って受ける形の手ですが、△4二金には▲3三角と打ち込むのが強い手です。

△4三金に▲3五飛とした手が次に▲2二歩△3一飛▲2四角成を見ており先手が指せているようです。

▲3八飛に△4三金なら▲3二角△3一飛▲2三角成△3四金▲2二馬△5一飛▲7八金上で、ソフトの評価値+90で互角。

この手順も△4三金に▲3五飛なら△3二歩と2段目に歩を打つ狙いです。

△4三金には▲3二角から馬を作る展開ですが、3四の歩が取られるので容易ではなくいい勝負のようです。

この手順の▲3五飛で▲3二角は△3一飛▲4三角成△同銀▲4二金△3四飛▲4三金△6五角で、ソフトの評価値-435で後手有利。

これは最後の△6五角が両取りなので後手有利です。

△4三金は意外としぶとい受け方です。

▲3八飛に△4五歩なら▲同歩△6四角▲3五飛△3一飛▲4四角で、ソフトの評価値+785で先手有利。

この手順は△4五歩と攻め合いに出る手で、▲同歩に△6四角と打ちますが▲3五飛の方が厳しいです。

以下△3一飛には▲4四角で次に▲3三歩成が受けづらく先手有利のようです。

▲3八飛に△2六角なら▲8六銀△4二金▲9五歩△同歩▲同香△同香▲2七歩△1五角▲1六歩で、ソフトの評価値+553で先手有利。

この手順は△2六角と直接3五の地点を守った手に▲8六銀とするのがぱっと見で意味が分かりにくいです。

これは後手の2六の角が狭く、先手の持ち駒に歩があれば▲2七歩△1五角▲1六歩で後手の角が取られてしまいます。

そのため戦いの争点を9五の地点にするため、▲8六銀と出て以下▲9五歩と持ち駒に歩を確保する狙いです。

▲8六銀は盤上の右側だけでなく左側も見ないと浮かびません。

▲3八飛に△5二金なら▲3五飛△4三金右▲2六歩△2八角▲2五歩△1九角成▲3七桂△3三歩▲同歩成△同金直▲3八歩△3四歩▲7五飛で、ソフトの評価値+328で先手有利。

この手順の△5二金は力強い受けで、▲3五飛には△4三金右と形にとらわれないような受け方です。

△4三金右には▲2六歩と桂馬を取りに行くのが手堅く、後手も△2八角~△1九角成で駒の損得はありませんが、▲3八歩と打って後手からも取れる駒がありません。

以下△3三歩には清算して、▲3八歩~▲7五飛と逃げてこれも難しい飛車の使い方になりますが、先手が少し指せているようです。

どれも難しい手順ですが、相手の指し手が違うと全く展開が違うのが面白いです。

敵の打ちたいところに先に打つのが参考になった1局でした。