上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲5八同金引とと金を取った局面。ソフトの評価値-99978で後手勝勢。
ここで後手の手番で先手玉に即詰みがあったようですが、対局中は全く気がついていませんでした。
実戦は△3五桂で、ソフトの評価値-2796で後手勝勢。
この手順は△3五桂と打って次に△4七銀からの詰めろのつもりでした。
△3五桂の瞬間は、後手玉に▲3一銀は△同玉でも△1三玉でも即詰みはありません。
△3五桂には▲4八飛と打って受ける手がありこれで先手玉は即詰みがないのですが、飛車を自陣の受けに使うことで後手玉が安全になります。
そのような意味で△3五桂でも問題なかったのですが、後手玉に即詰みがあったら敗着になるような手です。
やはり即詰みがある場合はできるだけ詰ますようにして、最短で詰ます習慣を身につけたいです。
△3五桂では△4七銀がありました。
△4七銀▲同金△4九龍▲同玉△5八金で、ソフトの評価値-99980で後手勝勢。
この手順は△4七銀と捨てる手ですが、▲同玉なら△4九龍▲4八金打△3八角▲5七玉△5六角右成▲6八玉△7八金まで詰みです。
よって△4七銀には▲同玉とするのですが、△4九龍~△5八金が鋭いです。
ぱっと見では少し金駒が足らないようにも見えますが、これが短時間で指せるなら強いです。
△5八金に▲3八玉なら△4九角▲3九玉△3八金まで詰みです。
△5八金に▲3九玉なら△5七角で▲同金なら△4八金打まで詰みです。
△5七角に▲4八金打も△4九金打▲3八玉△4八金引▲同金△同角成まで詰みです。
よって△5八金には▲同玉とします。
△5八金以下▲同玉△6九角打▲4八玉△4七角成▲同玉△6九角成で、ソフトの評価値-99989で後手勝勢。
この手順の△6九角に▲6八玉なら△7六桂▲7七玉△8六金まで詰みです。
△6九角に▲4九玉なら△6七角成▲3九玉△4九金▲3八玉△4七角成▲同玉△5七金▲3六玉△5八馬まで詰みです。
よって△6九角には▲4八玉としますが、△4七角成▲同玉に△6九角成がうっかりしやすい王手です。
自分は盤上の大駒を動かして王手するというのがあまり見えないことが多く、これは詰将棋でも一緒です。
大駒は小駒と違って動きが大きいので活用すると攻めの戦力が増すのですが、自分の場合はつい持ち駒を使うことに目がいくことが多く、それで攻めが途中で途切れることがあります。
例えば△6九角成で△3五桂と打つと、▲5八玉△4七金▲6八玉△6七金▲7九玉で詰みません。
このような手を短い時間で判断できるかは、結局のところ直感が何かということで全然違ってきます。
1手正しい手が浮かばなかったため、読みを断念して詰ましにいかずに別の手を指すということもあります。
こういうのがあるのでやはり直感はかなり大事だと思っています。
△6九角成以下▲5八銀△3五桂▲5七玉△4七金▲同銀△同桂成▲6七玉△7六銀まで詰みです。
△6九角成以下▲5七玉△4七金▲6七玉△7六金まで詰みです。
最後は持ち駒は桂馬が余り金駒は目いっぱい使う形なので、金駒の枚数を正確にカウントするというのも大事です。
自分の場合は金駒の枚数のカウントの仕方がアバウトなところがあるので、後から見ると1枚足らなかったということもあり、頭の中で整理できていないと踏み込めないところがあります。
盤上の駒の配置が数手先にどうなって持ち駒が足りているかどうかというのが、局面が複雑になればなるほど難易度が高くなり間違えやすくなります。
やはりそういう意味もあって、頭の中で考えるという作業は地味でも日頃からやっておいた方がいいみたいです。
厳しい寄せで即詰みにするのが参考になった1局でした。