上図は、後手雁木からの進展で△5五歩と突いた局面。ソフトの評価値-212で互角。
現在の局面は雁木ではないのですが、後手が雁木のときに先手が仕掛けて銀交換になりました。
自分の先手の指し方がいまひとつ面白くなかったようで、対局中は先手が少し指しづらいと思っていました。
指しづらい理由としては2つ考えられます。
1つは先手の飛車が浮き飛車だからです。
お互いに銀を持ち合っている形で浮き飛車だと、相手の銀で先手の飛車を狙わやすいことがあります。
また浮き飛車は一般的に角のラインで狙われたりすることがあるので、引き飛車の方が手堅い形です。
大駒は遠い位置から相手陣を睨むというのが働きがいいです。
もう1つは先手の飛車と角が近い形にいるからです。
普通、居飛車の将棋は飛車と角が反対側にいることが多い戦型ですが、接近する形は角が狙われると自然に飛車も狙われるとことがあります。
特に大駒は金駒などの接近戦に弱いため、飛車を角が離れている方がそのような苦労がありません。
振り飛車は飛車と角が近い戦型でやや評価値が下がり気味なのは、角を狙われると飛車の狙われることがあり、それに対抗するためには大駒を捌くのに独特の感性や力がいるからだと思っています。
自分は対抗形の振り飛車側は指さないので、捌きは全くできません。
そのような意味で本局の先手は互角の範疇ですが少し苦労しそうです。
実戦は△5五歩に▲6七金右だったのですが、変化手順で△3五銀▲2八飛△3六銀なら、ソフトの評価値-243で互角。

この手順の▲6七金右は7六の地点の補強で部分的には普通の手ですが、△3五銀~△3六銀があったようです。
これは2六に飛車がいたため生じた手順で、この局面は互角のようですが角も狙われる展開で先手はこれからの指し手の難易度が高くなります。
△3六銀に▲2六角や▲5九角が自然に見えますが△7五歩▲同歩△同銀で、ソフトの評価値-335で後手有利。
この手順は先手の角の働きがいまひとつで3六の銀がそれを抑えており、7筋で動いて銀交換できそうな展開なので後手が少し指しやすいようです。
最初の局面図で▲2八飛と引けば△3五銀はないのですが、今度は△3六銀があるようで以下▲2六角でも▲5九角でも△7五歩で後手が指しやすいようです。
これらの手順を見ると最初の局面図で先手に有効な手がなさそうですが、ソフトは▲4六歩を推奨していました。
▲4六歩で、ソフトの評価値-208で互角。

この▲4六歩は先手の飛車と角の利きを自ら止める手で、ぱっと見の意味が分かりませんでした。
先手がうまくいく理想の手順としては、将来▲4五歩△同歩▲6五歩△同銀▲5五角で王手飛車というのがありますが、これは相手もいることでまず実現しません。
この▲4六歩は、ここに歩を突くことで△3五銀と打たせにくくさせているようです。
▲4六歩に△3五銀なら▲2八飛△3六銀▲5九角で、ソフトの評価値+318で先手有利。
この手順は△3五銀~△3六銀で飛車と角を狙う手ですが、▲5九角と引いた形が次に▲3七歩で銀を取る狙いがあり後手は忙しくなります。
4六に歩を突いているので△4五銀は歩で銀を取られてしまいます。
正直このような指し方があるのは初めて知りました。
▲4六歩を突いたからと言って先手有利にはなりませんが、△3五銀という狙いを消して先手の悩みが1つ消えたのが大きいです。
ちょっとした形の違いで、手が成立したりしなかったりすることもあるのが将棋の面白いところのようです。
歩を突いて相手の狙いを消すのが参考になった1局でした。