地味だが歩を取り返して飛車を活用する

上図は、角換わりからの▲4五桂の急戦型の進展で△4四歩と突いた局面。ソフトの評価値-170で互角。

角換わりの▲4五桂の急戦型はよく指すのですが、ある程度事前に研究しての戦いになるので気持ち的にはいつもより優位になってます。

それでも実戦だとちょっとした手順前後で、手が止まるということがあります。

本局もそんな感じで▲1五歩と突いた手に△4四歩としてきました。

▲4五桂型は攻めの桂馬を取られるのはある程度想定していますが、研究と実戦ではやはり気持ちの問題が違います。

実戦は△4四歩以下▲2四歩△同歩▲1四歩△4五歩▲1三歩成で、ソフトの評価値-266で互角。

この手順の▲4五桂の急戦形は一見先手が勢いよく攻めているようでも先に桂損するので、実戦的にはいい勝負のようです。

このあたりが気持ち的に勘違いしやすく、ちょっと事前に研究しているので局面が有利に運んでいるかというと決してそうではなく、むしろ評価値は少し先手が悪いくらいです。

ただし、このくらいの評価値は実戦的には互角と判断していいようです。

最近は将棋はある程度精度の高い手を指せば、簡単に不利とか劣勢にはならないみたいなので、互角であれば十分と考えるようにしています。

2筋の歩を突き捨てたのは将来先手の飛車が▲2四飛とすることができるようにしたためで、攻める場合は大駒が活用できる形にしておいた方が手が広いです。

以下先手は1筋を取り込んだ手に後手は△4五歩と桂得してきました。

以下▲1三歩成でどうかという局面です。

▲1三歩成にソフトの推奨手は△1三同香でしたが、実戦は△1三同桂でした。

実戦は▲1三歩成以下△同桂▲1二歩だったのですが、そこで△2五桂ならソフトの評価値-387で後手有利。

この手順は▲1二歩は△同香なら▲3四角がありますが、この場合は香車を見捨てて△2五桂とすれば2四の歩が桂馬の土台になっており、数手前に2筋を突き捨てたのが逆用されています。

そのような展開になると、先手の飛車の活用が難しくなるのであまりよくなかったようです。

▲1二歩で▲2四飛で、ソフトの評価値-166で互角。

この手の▲2四飛は歩を取り返す形ですが、意外と価値が高いようです。

たった1歩でも歩を取り返して大駒を活用するというのは、地味でも大事な1手のようです。

2四の歩を取り返して、将来1筋の桂馬を攻める形です。

また別の意味で先手の飛車の位置が2八にあると。後手に桂馬を渡すと△3六桂があり、その桂馬で4八の銀と交換になると駒割りは先手の銀損になります。

先に銀損になるというのはやはり先手にとって痛く、その後手数をかけて先手が1筋で桂馬を取ったくらいでは、結局駒割りは銀と桂馬の交換です。

先手が仕掛けたので勢いよく指すのはいいですが、やはり大きな駒損は避けたいです。

地味だが歩を取り返して飛車を活用するのが参考になった1局でした。