上図は、後手横歩取り△3三角型からの進展で△2八角と打った局面。ソフトの評価値+319で先手有利。
先手が▲3八銀型に構えたので△2八角はいつでもある筋で、△1九角成と香車を取られる間に先手は動いていかないと駒損になります。
後手の飛車が8六飛とやや狙われやすい位置にいるので、先手は飛車と角と桂馬をうまく使って攻める手を考えたいです。
実戦は▲7五角△8二飛▲4五桂でソフトの評価値+513で先手有利でしたが、△8二飛で△7六飛▲7七銀△7五飛▲同飛△1九角成で、ソフトの評価値+110で互角。

実戦の手順の▲7五角に△8二飛は▲4五桂が次に▲5三桂不成の筋があり、後手の7二の銀と6一の金の組み合わせを咎めたようです。
先手の2九の桂馬が5三まで進んで両取りになるのは、形勢判断は抜きにしても理想的な展開です。
よって後手は変化手順として、▲7五角には△7六飛と潜り込んで▲7七銀に△7五飛から△1九角成として、飛車と角香の交換の展開です。
先手からも▲8二歩の筋はありますが、△7四歩があり▲同飛なら△7三香で△7四歩に飛車が逃げると△7三桂と逃げる手があり、いい勝負だったようです。
このような展開になると後手からの動きが早く、先手は3七の桂馬がやや立ち遅れている感じがします。
先手は飛車と角の交換になるのは少し損だったのかもしれません。
▲7五角では▲7七角がありました。ソフトの評価値+321で先手有利。

この手順は▲7七角と飛車取りに打つ手で、▲7五角との違いは△7六飛とされても金取りになっていないということです。
また▲7七角は3三の地点も利いているので、後手の駒組みによっては▲4五桂と跳ねる形は技がかかりそうな感じです。
▲7七角に△7六飛なら▲8三歩△同銀▲8二歩△1九角成▲8一歩成△3四香▲8五飛△8四歩▲8六飛△同飛▲同角で、ソフトの評価値+597で先手有利。
この手順は△7六飛に▲8三歩と垂らすのが細かく、▲8二歩と打てば桂馬が取れる形ですが、後手の7二の銀の形を崩す手筋です。
なお▲8三歩では▲8二歩も有力です。
▲7七角に△8二飛なら▲4五桂△4四銀▲同角△同歩▲5三桂成で、ソフトの評価値+649で先手有利。
この手順は△8二飛には▲4五桂が継続手で、△4二銀と逃げると▲2五飛△1九角成▲2二角成があります。
よって△4四銀としましたが、▲同角△同歩に▲5三桂成が大きいです。
▲5三桂成では▲5三桂不成の両取りも魅力的で、どちらも先手が指せそうです。
将棋としてはまだ有利の段階なのでこれからまだ大変ですが、手の流れとしては先手がうまく進めているという感じです。
先手は飛車と角と桂馬の3枚の攻めなので細いのですが、横歩取りは金と銀が低い位置に構えるため、どうしても跳び道具が主力の駒となっての戦いになりやすいです。
そのため本譜の変化手順みたいなのをイメージすると。構想が練りやすいかもしれません。
飛び道具で手を作るのが参考になった1局でした。