飛車ではなく歩を使って手を作る

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲6六角と出た局面。ソフトの評価値+213で互角。

△7六歩と突いた手に7七の角が▲6六角とした局面です。

後手は穴熊ですが3二の金が浮いているのが欠点で4四の銀が3一にいるのが理想ですが、相手もいることなので簡単には組ませてもらえません。

この局面は先手の飛車が軽く成れそうな展開なので先手が少し指ししやすいようです。

後手としてはここ数手が勝負所ですが、次の手で将棋がだめになったようです。

実戦は△8六歩▲8四角△同飛▲6二飛成で、ソフトの評価値+436で先手有利。

この手順の△8六歩は▲同歩と取ってくれたら△6六角▲同飛△8六飛で後手の飛がさばけるのですが、▲8四角~▲6二飛成で金取りになります。

この瞬間の8四の飛車の形がとても悪く、受けにも攻めにも役立っていません。

浮き飛車になるのは働きが悪くなるので気をつけてはいたのですが、このあたりの手の選択がまずいです。

金取りを受けるなら△4二歩と打つか△3一金と引くかですが、△3一金と引くのは▲7五角が絶好の角で飛車が逃げたら▲3一角成~▲3二金で後手陣がもちません。

よって▲6二飛成には△4二歩と打って辛抱すべきですが、将来△4六歩と打って攻める筋がなくなりますので後手はつらいです。

△8六歩では△6六同角がありました。

△6六同角▲同飛△5五歩で、ソフトの評価値+156で互角。

この手順の△6六角と角交換してから△5五歩とする手は、先手が攻めるより先に後手が動いてきた展開です。

8二の飛車は縦に使う展開にならないのがやや不満ですが、8二にいることで▲6二飛成とすることができません。

▲6一飛成とすることはできますが、今度は金取りではありませんのでやや効果が薄いです。

△5五歩に対して▲6五銀は先手の飛車の働きが悪くなりますので、▲4五銀とでるか▲4五歩と打つか▲6七銀と引くかについて調べます。

△5五歩に▲4五銀なら△同銀▲同桂△4六歩▲同金△4四歩で、ソフトの評価値-57で互角。

この手順は銀交換して△4六歩と打つのが急所で、▲4六同金でも▲4六同飛でも△4四歩と打って△4五歩と桂馬を取ればそれがまた駒取りになります。

△4六歩に▲3七金寄とすれば△4七銀のような感じです。

△5五歩に▲4五歩なら△3三銀引▲5五銀△9九角▲6五飛△6四歩▲7五飛△5二飛で、ソフトの評価値+211で互角。

この手順は▲4五歩に△3三銀引で銀を守りに使えます。

▲5五銀と歩を取られますが、△9九角と打って相手の飛車と銀を狙っていい勝負のようです。

△5五歩に▲6七銀なら△4六歩▲同金△6八角で、ソフトの評価値+111で互角。

この手順は▲6七銀にも△4六歩と打つのが急所のようで、▲同金とさせて少し形を悪くしてから△6八角でいい勝負のようです。

△4六歩に▲同飛もありますが△6二飛▲6六歩△4五歩▲同桂△5四金で、ソフトの評価値-914で後手有利。

これらを見ると後手は歩をうまく使って手を作るという感じで、うまくいけば飛車も活用したいという展開です。

飛車ではなく歩を使って手を作るのが参考になった1局でした。