上図は、先後逆で相居飛車からの進展で▲4五歩と突いた局面。ソフトの評価値-201で互角。
先手が5筋の歩を突き捨ててから▲4五歩と突いてきた展開です。
この先手のジャブは後手にとっては結構嫌な筋で、対局中も△同歩がいいか悩みました。
普通は△同歩ですが、先手からは狙い筋があります。
△同歩以下▲5五銀△5四歩▲4四歩△3二銀▲5四銀△同銀▲7二角△6三角▲8一角成△同角で、ソフトの評価値-333で後手有利。

この手順は後手の8一の飛車の形のときに出る筋で、先手は▲5四銀を捨ててから▲7二角と両取りに打つ展開です。
後手は△6三角と打って受けるしかありませんが、▲8一角成に△同角と取った局面をどう判断するかです。
駒割りは飛車と角銀の交換の2枚替えで後手が駒得していますが、先手は持ち駒に飛車があるので後手陣に打ち込んでくる可能性があります。
先手が飛車を打って7三の桂馬と9一の香車を拾うような形になると、駒損を回復されて後手がまずくなります。
そのような意味で後手は駒損をしないようにしなければいけません。
△8一角の局面は後手が少し指しにくいと思ってこの展開は断念したのですが、ソフトはこの展開は後手有利の判断のようです。
このあたりの形勢判断をどのようにするかで指し手が全く違ってくるのですが、1つ言えるのは早指しでは短い時間で形勢判断をしないけないのでかなり直感の要素が大きくなります。
経験的に駒得しており後手が何とかなると思ったらこの展開を選びますが、飛車を打たれて自信がないと思ったらこの展開は避けます。
本来は読みが入ってから指し手を選ぶのですが、早指しではそれは限界があります。
そのような意味で△8一角の後の展開を調べて覚えた方が、今後似たような展開になったときに役に立つかもしれません。
△8一同角以下▲6一飛△9二角打で、ソフトの評価値-723で後手有利。

この手順は先手は飛車を取って▲6一飛と打つ手で、狭いところに飛車を打つのですが簡単には取られないようです。
後手の受け方が難しいのですが、△9二角打が意表の一手です。
自分は最初△6三角打を予想していたのですが、先手は▲5九飛とか▲5三歩とか▲7一飛成などの手があり、どれも正確に対応する自信がありません。
△9二角打も難しい手で8一の角にひもをつけたのですが、実は先手玉を攻めを狙う角でもあるようです。
先手玉が3八にいるときに△9二角と打つのは、角のラインで先手玉を狙う遠みの角です。
△9二角打に▲9五歩なら△7五歩▲5六歩△4六歩▲同銀△5六角▲4七金△9二角上で、ソフトの評価値-2916で後手勝勢。
この手順はうまくいきすぎですが、▲9五歩は悪い手で△同歩なら▲9三歩がありますが、△7五歩で後手の角の利きが通ります。
▲5六歩と受けましたが△4六歩が継続手で、▲同銀に△5六角に▲4七歩が2歩で打てません。
よって▲4七金と上がったのですが、△9二角上が決め手で2枚の角で先手玉が攻略される形です。
以下▲5六金△同角▲4七角△同角成▲同玉△8三角で王手飛車取りです。
別の手で△9二角打には▲5三歩と攻めてみます。
△9二角打以下▲5三歩△同金▲6二飛成△4四金▲7三龍△7五歩▲5六歩△5五銀▲同歩△4六歩で、ソフトの評価値-830で後手優勢。
この手順は▲5三歩~▲6二飛成~▲7三龍として先手は駒損を回復しますが、後手も△4四金と中央が手厚くなります。
後手は△7五歩と角道を通した手に▲5六歩と受けますが、△5五銀が強い手で▲同歩に△4六歩で後手が指せているようです。
△9二角打は予想以上に厳しい角だったようです。
意外な角打ちから攻めに転ずるのが参考になった1局でした。