上図は、後手ゴキゲン中飛車に先手▲3七銀型の超速からの進展で、後手が5筋の歩を交換して△5六同飛と歩を取った局面。ソフトの評価値+1401で先手優勢。
駒割りは飛桂と角金の交換で先手が少し駒得で、全体的に先手の方が手厚いので先手が指せているようです。
後手は飛車が2枚あり1枚が持ち駒なので先手も少し嫌なところはありますが、先手の持ち駒に金があるのは少し心強いです。
ここで先手がどのように指すかですが、対局中は局面が落ち着けばさらによくなると思って安全に指したつもりですが、少しセンスがなかったようです。
実戦は▲5七歩△7六飛▲7七歩△3六飛▲2一馬△3九飛成▲5九金打で、ソフトの評価値-32で互角。

この手は自陣に歩を打ちつけて自陣の傷を消したのですが、先手は歩切れになりました。
また後手の飛車は△3九飛成と龍を作って先手としても嫌な形です。
▲5九金打とした形は固く先手の金得ですが、歩切れなのと龍を作られたことで形勢は互角になったようです。
こういうのは少しうっかりやすく、ただ自玉の安全を意識して指すと手が縮こまって、指し手の選択がだんだん少なくなっていくようです。
歩切れというのは思った以上に形勢を損ねているようで、後手の持ち駒の歩の数が4枚というのは心理的にも嫌です。
▲5七歩では▲5三歩がありました。ソフトの評価値+1319で先手優勢。

この手は▲5三歩で対局中は最初に見えたのですが、△同銀の後がよく分からなくてやめました。
▲5三歩に△同銀なら▲6五銀△5五飛▲6四銀直△同銀左▲同銀△同銀▲6三銀△8二玉▲6四馬で、ソフトの評価値+2127で先手勝勢。
この手順は△5三同銀には▲6五銀と打つのがうまい手だったようで、この手が見えませんでした。
後手の飛車が5筋からずれると▲5三馬と銀が取られますので△5五飛と辛抱したのですが、▲6四銀直とぶつけるのが飛車を攻めると同時に相手玉の金駒を攻める形で後手玉が薄くなります。
飛車という駒は金駒に攻められる接近戦に弱いので、収集がつかなくなっているようです。
▲5三歩に△同飛なら▲同馬△同銀▲2二飛△6二銀▲2一飛成△5五角▲6四桂△7一玉▲5二銀△5一歩▲6一銀成△同玉▲5三歩で、ソフトの評価値+3218で先手勝勢。
この手順も興味深いのですが、△5三同飛には▲同馬として▲2二飛と打つのは最初に浮かびそうです。
△6二銀に▲2一飛成と飛車で桂馬を取るのは理想的ですが、△5五角に対する手が少し悩みます。
△5五角は詰めろではありませんが、△9九角成や△8八飛を狙った手でこの手がくると少しうるさいです。
またたくさん駒を渡しすぎて△8八飛から先手玉が即詰みということもあるので、つい自陣に手を入れたくなります。
△5五角には▲6六銀と受けて△1九角成に▲5三銀と打つのも有力だったようで、こちらの方が人間らしい指し方のような気がします。
ソフトは△5五角には▲6四桂と攻めて先手よしという認識のようで、こういうところが人間と違うところです。
やや危険な状態でも見切って攻めにいって大丈夫という感覚のようです。
結局このようなところは先手優勢だから色々な指し方が選択できるようで、極端に評価値が落ちなければ自分にあった指し方の方が無難なようです。
ソフトの推奨手は▲6四桂で候補手の1つに▲6六銀があるという感じです。
自玉の安全を意識しすぎると手が伸びないのが参考になった1局でした。