後手の銀の動きに合わせて指し手を決める

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5四銀とした局面。ソフトの評価値+199で互角。

後手は手の広いところで△5四銀としましたが、この手はソフトの候補手には上がっていませんでした。

やや態度を決めるのが早いような手ですが、将来△6五銀~△7六銀の玉頭銀を狙う筋があります。

玉頭銀は狙いは単純ですが、受ける側とすればやはり玉頭の近くなので慎重になります。

玉頭銀には、玉頭を受けずに攻め合いに出る指し方と玉頭を金駒で受ける指し方がありそうです。

昔の指し方では、玉頭銀には角頭の歩を突き捨てて飛車を回るというのを見たことがあるのですが、その指し方をまねしました。

この指し方は、玉頭を受けずに攻め合いに出る指し方です、

実戦は△5四銀以下▲3五歩△同歩▲3八飛△4三銀▲3五飛△3四歩▲3六飛△2四歩で、ソフトの評価値+8で互角。

この手順は▲3五歩の突き捨てから▲3八飛とする手で、後手の角頭を守る銀がいないので仕掛けてみました。

てっきり玉頭銀を将来的に狙ってくるのかと思っていたのですが、△4三銀と引いてこられて少し意外でした。

▲3五飛としますが△3四歩▲3六飛に△2四歩とお互いに動く展開です。

△2四歩に▲同歩なら△同飛で先手が悪いので手抜きで▲4五歩と動いて、これでどうかという形です。

後手は△2四歩~△2五歩と2筋の歩を伸ばしてと金を作るイメージです。

それまでに先手が飛車と角と2九の桂の3枚で手が作れるかで、やや先手は忙しい展開になります。

後手も3筋と4筋には金と銀が控えておりそれなりに受けはしっかりしていますので、やや先手はつまらない指し方を選択したようです。

自分から仕掛けていって忙しい展開になるというのは、作戦的に面白くない感じです。

▲3五歩~▲3八飛とするのは、後手の銀が△6五銀と出たときにした方がよかったようです。

後手の銀の位置を少し見て指し手を決めるべきでした。

▲3五歩では▲9六歩がありました。

▲9六歩△9四歩▲6八銀上△8二玉▲5五歩で、ソフトの評価値+176で互角。

この手順は昭和の時代を思い出させるような指し方で、最近ではあまり見ないような指し方です。

先手の▲9六歩は将来▲9七角のような筋や、9筋の端攻めのような狙いがある含みのある手です。

後手は△9四歩と受けましたが、そこで△6五銀なら▲3五歩△同歩▲3八飛のような感じです。

△9四歩には▲6八銀上がやや意表の手で昭和の時代では普通の感覚ですが、現代調では形だけでいえば▲6八金上が主流なイメージです。

△8二玉は自然ですがそこで▲5五歩が意表の手です。

後手が△5四銀と上がったので▲5五歩と突きやすくなったのですが、▲6八銀型の5筋位取りは最近はほとんど見ないので古風な感じです。

▲5五歩に△4三銀なら▲3七桂△7二銀▲4五歩△同歩▲同桂△4四角▲4六銀で、ソフトの評価値+150で互角。

この手順は△4三銀と辛抱したのですが、▲3七桂~▲4五歩と仕掛けるのが斬新です。

5筋の位をとれば▲5六銀のように位を確保する指し方もあり、それが昭和の時代では自然ですが、ソフトの感覚は位を確保せずに動くのが興味深いです。

▲5五歩に△6五銀なら▲7七銀△4五歩▲9七角△4三金▲6六歩△7四銀▲7五歩△8五銀▲7九角で、ソフトの評価値+341で先手有利。

この手順は△6五銀と玉頭銀に出たのですが、▲7七銀とできるのが▲6八銀上とした効果です。

△4五歩と暴れてきますが、▲9七角とするのがうまい手です。

▲9七角とできるのも▲9六歩を突いた効果ですが、△4三金に▲6六歩~▲7五歩と銀を追うのがありそうであまり見ない指し方です。

後手の銀が狭い形なので玉頭銀としてはやや後手失敗のような感じです。

こうやって見るとやはりソフトの指し方は鋭いです。

後手の銀の動きに合わせて指し手を決めるのが参考になった1局でした。