上図は、後手ゴキゲン中飛車に先手▲3七銀型の超速からの進展で△5二同銀と成桂を取った局面。ソフトの評価値+1240で先手優勢。
駒割りは角金銀と飛桂の交換で先手が大きく駒得しています。
また先手玉は金3枚で囲っており、後手の龍も先手玉から大きく離れているので先手が指せているようです。
評価値が1000以上なので、よくある予想勝率は先手が80%は超えていると思われます。
将棋ソフトの評価値が800では予想勝率が79%で、1500では92%とネットにのっていました。
自分の使っているソフトは比較的古いので同じ条件にはならないと思いますが、参考になりそうです。
そのような意味では、先手はこれから優勢からどのようにして勝勢にするかという局面のようです。
ただし実戦的にはまだ後手玉に直接的な寄せが見えていない段階なので、対局中はまだ難しいと思っていました。
自分の場合はこれくらいから形勢逆転というのはよくあることです。
実戦は▲4五馬△8六香▲同銀△7四桂で、ソフトの評価値+464で先手有利。

この手順は▲4五馬として次に▲3五馬から6二の地点を攻めるつもりだったのですが、後手は△8六香~△7四桂としてきました。
後手の指し手は自然なのですが、これで形勢はだいぶ差が接近したようです。
評価値が300だと予想勝率が62%とネットにのっていたので、それにあてはめると評価値464では予想勝率67%くらいになります。
この数値を見ると、とても自分の棋力では67%もあるように思えません。
先手有利というよりほぼ互角といった感覚です。
8七の地点に空間があいて、△7五桂と打たれるような筋になると危険なのでそのような展開は避けなければいけません。
△7四桂には▲7六香と打って△8六桂には▲同歩で、ソフトの評価値+495で先手有利のようです。
先手の▲7六香は△7五桂を消したのですが、△8六桂とすることで8七の地点に空間があくのが少し気になります。
▲8六同歩以下△9七歩成のような筋も気になりますが、▲同香に△9八銀は▲7三香成で、ソフトの評価値+3129で先手勝勢。
この手順を見ると▲7六香はただ受けただけの手でなく、将来的に▲7三香成として後手玉を寄せるのに役立つ駒になっているようです。
▲7三香成に△同桂なら▲7四桂、△7三同玉なら▲6四銀△8二玉▲7四桂といった感じです。
ここまで考えていて▲7六香と打てるなら相当強いですが、早指しでの自分の棋力では難しいようです。
なお▲4五馬が相当甘い手だったようで、▲4五馬では▲7四銀打がありました。ソフトの評価値+1054で先手優勢。

この手順の▲7四銀打は5五に馬がいるため後手は銀を取れません。
次に▲8五銀があるので後手は△8六香としますが、▲同歩とした局面がなんと後手玉に詰めろがかかっています。
▲8三銀成△同玉▲8四香△7二玉▲8三銀△7一玉▲8二銀成までの詰めろです。
これも指摘されればなるほどですが、こういう局面では上部を手厚くするのはとても大事なようです。
得に香車という駒は遠くまで利きが通るので、金駒と香車が1枚あるだけで詰み形という典型的なパターンです。
△8六香とすれば角と香車の交換で先手が駒損ですが、それ以前は先手が大きく駒得していたので△8六香を恐れることはなかったようです。
7四の銀と7五の銀が上部に手厚いので、これを見ると先手は負けにくい形のようです。
▲7四銀打以下△8六香▲同歩△7二金▲7三銀成△同桂▲7四香△8一桂▲7三香成△同桂▲7四桂△7一玉▲6二香成△同金▲8二銀△6一玉▲7三銀成で、ソフトの評価値+5255で先手勝勢。
この手順も7四の銀が受けだけでなく攻めに役立っている例で、これくらいが読めて初めて評価値が最初の1240くらいということのようです。
手厚くするだけでなく寄せに役立てるというのが大事なようです。
上部を手厚くして寄せに役立てるのが参考になった1局でした。