攻め駒を増やして相手玉を寄せる

上図は、相掛かりからの進展で△7八飛成と金を取った局面。ソフトの評価値+2940で先手勝勢。

後手が8筋の歩を交換した後に▲8七歩と打たずに逆用するような指し方を選択したため、8筋と9筋での戦いとなりました。

後手が△7二銀型だったので▲8二歩△9三桂▲8一歩成のような展開です。

△7八飛成の局面の駒割りは金と桂馬の交換ですが、後手玉が薄く5三に馬がいるので先手勝勢のようです。

先手は守りの金を取られるのは大きいのですが、先手玉まだ詰めろになっておらず右辺に逃げるスペースがあるので助かっているようです。

ただし後手の持ち駒に桂馬が入ると、△6八龍▲同玉△5六桂▲7八玉△8八金▲6九玉△6八銀▲5八玉△5七角成▲4九玉△3九馬▲同玉△4八金までで詰みなので要注意です。

そのような意味もあり、先手勝勢になっていても油断はできません。

実戦は▲1三桂不成△6九金▲4八玉△4二金で、ソフトの評価値+1242で先手優勢、

この手順の▲1三桂不成は先手から見ると危険な角を取って自然な手ですが、△6九金と詰めろをかけてきました。

△6九金に▲4八玉と早逃げしましたが、△4二金と馬に当てる受けで少し形勢が接近したようです。

▲1三桂不成は終盤の手としては少し甘かったかもしれません。

▲1三桂不成では▲9一飛がありました。ソフトの評価値+4725で先手勝勢。

この▲9一飛は詰めろなので後手は受ける必要があります。

▲9一歩に△5二歩は▲6一飛成△同玉▲6二金で受けになっていません。

よって後手は▲9一飛に△7二銀と受けます。

▲9一飛△7二銀▲5四桂△5二金打▲1三桂成で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は△7二銀の受けに▲5四桂と攻め駒を増やす手で、これも詰めろになっています。

△5二金打は6二の地点を補強して詰めろを消したのですが、そこで▲1三桂成と角を補充するのが盲点です。

△5二金打と角取りでの受け方をされたときに、先手があわてて馬を逃げたり金駒を交換しがちなのですが。後手の持ち駒は歩だけで先手玉は安全なのであわてる必要はありません。

心に余裕がないとついあわてて指してしまいがちで、特に自分などは最終盤で時間のない中だと相手玉の寄せも見えない状態でも無理気味な手を選びそうです。

それに気がつけば盤面全体を見て▲1三桂成とする手も浮かびそうです。

こういうところの間の取り方も大事なようです。

▲1三桂成に△5三金なら▲6二角△5二玉▲6一飛成△同銀▲5一金まで詰みです。

この手順は△5三金とすると6二の地点の受けが弱くなりますので、▲6二角以下の詰みが生じます。

▲1三桂成以下△4一玉▲6二角△4二銀▲同桂成△同金左▲同角成△同玉▲3一銀△4一玉▲6一飛成△同銀▲3二金△同玉▲2二成桂△4一玉▲3二金まで詰みです。

この手順の△4一玉は手数がのびるただ受けただけの手ですが、切れ負け将棋などで時間がなく相手玉の即詰みが見えない場合などは少しあせります。

△4一玉には▲6二角と攻め駒を増やす手で、以下△4二銀と後手は逃げ道を開けますが、4二の地点で清算してから▲3一銀が鋭いです。

▲3一銀に△同玉なら▲6一飛成△同銀▲2二金△4二玉▲3二金打で詰みです。

いくら大差のような将棋でも、最後の寄せは少し切れ味のある手を指さないと寄せきれないことがあり、毎回寄せというのは難しいものだと思っています。

▲3一銀に△4一玉は手数が伸びますが、▲6一飛成から即詰みです。

攻め駒を増やして相手玉を寄せるのが参考になった1局でした。