一瞬だめと思っても手がある

上図、後手ゴキゲン中飛車に対して先手居飛車穴熊での進展で、後手が△8三銀とした局面。ソフトの評価値+262で互角。

後手が△8三銀としたので△6一金が浮いた状態で何か先手から手がないかと考えたのですが、ここからの数手はまずかったです。

▲2四歩△同歩▲1七桂△7二金▲2三歩△3一角で、ソフトの評価値-79で互角。

仕掛ける手が見えなかったのに、無理に仕掛けて指しにくくしているのは、どう見てもまずいです。

▲2四歩△同歩はいいとして、▲1七桂では▲2二歩があったようです。ソフトの評価値+173で互角。

対局中はこの手順も一瞬浮かんだのですが、△3三桂▲2一歩成△2五歩▲2八飛△2四飛▲1一と△2六歩で、ソフトの評価値-40で互角だったのですが、先手が悪いと思ってやめました。

ただし、この手順の▲2八飛では▲1六飛があったようです。ソフトの評価値+334で先手有利。

この▲1六飛が見えていませんでした。

▲1六飛に△2四飛なら、▲1一と△2六歩▲1四歩△2七歩成▲1三歩成△1七と▲2三と△2九飛成▲1二飛成で、ソフトの評価値+876で先手優勢。

普通▲1六飛という形になると、飛車の活用が難しくなるのが多いのですが、この場合は▲1一とから▲1四歩から飛車が捌ける展開になっていました。

このあたりが秒読みでも手が見えるかどうかで、形勢が大きく変わってきます。

秒読みで一瞬でだめと思っても、その先に手があるということが分かった1局でした。