一直線の手順にしない

上図は、後手3間飛車穴熊に対して、先手がエルモ囲いからの進展で、先手が仕掛ける展開にならなかったので持久戦模様も後手が△3五歩と突いた局面。ソフトの評価値-387で後手有利。

後手は駒組みが完成しているのに対して、先手は玉の整備がまだ途中なので、後手が動いてきました。

本譜は以下、▲3五同歩△4四角▲3八飛△3五飛▲同飛△同角▲3一飛△3九飛▲7八金△5五歩で、ソフトの評価値-266で互角。

ここまで一直線の手順となりました。

先手の模様が悪いと思っていたので、最初は飛車交換は局面がほぐれて少しありがたいのかと思っていたのですが、△5五歩と突かれるとまだ先手の方が苦しい感じです。

▲5五同歩だと△5七歩で、▲同銀引△同角成▲3九飛成△同馬で先手が銀損になります。

△5五歩以下の数手はあまり良くなかったようです。

本譜は以下、△5五歩▲2一飛成△2九飛成▲9四歩△同歩▲8五桂△1九龍で、ソフトの評価値-604で後手有利。

先手は9筋突き捨て▲8五桂と跳ねて、▲8六角を受けに効かせた展開にしましたが、後手は桂馬と香車を取って9筋の先手の攻めにも対応できるので、後手有利という感じです。

一直線の指し方では後手有利なので、何か手を作らないといけなかった感じです。

▲2一飛成では▲9四歩があったようです。

▲9四歩△同歩▲8五桂△5六歩▲3七桂で、ソフトの評価値-256で互角。

先に9筋突き捨て▲8五桂と跳んで角を受けに効かせて、▲3七桂と跳ねる手順です。

ほっとけば▲3五飛成があるので△3七同飛成ですが、▲9三歩△同香▲同桂成△同銀▲9八香打でどうかという感じです。

元々先手が少し苦しい中で、後手が一時的に△3七飛成と先手玉から遠いのたので、その間に手を作るという感じです。

先手は▲2一飛成から▲1一龍で、駒を拾って9筋の端攻めです。

それでも先手苦しそうですが、一直線の手順にしないというのが参考になった1局でした。